閑話休題。

 

 

僕は日本で生まれましたが、思春期以降のほとんどをアメリカで過ごしています。

 

母は日本人(父はアメリカ人)で普段から日本語を使っており、日本語には基本的に何の問題もないと思っていたのですが、高裁の判決文の理解がさっぱりできなくて・・・。

 

なのでここで、僕が良くわからないところを、どなたか一緒に考えて、教えていただければと思います。本日は「元妻の不貞認定」に関する箇所です。

 


昨日の話以降、僕は弁護士請求をして、不妊治療クリニックにカルテを提出してもらいました。

 

そして、僕に全く身に覚えのない体外受精用の「精子の提出」が複数回行われていたことを突き止めました。

 

僕の知らない僕名義で行われた精子の提供は、全部で2回。

 

そのうちの1番古いものは婚姻中、そして残りの1回は元妻が勝手に離婚届を提出した後の調停中に提出されたもので、後者に関しては元妻、及び元妻の不倫相手(現夫)が、離婚後に自分たちがやったと認めています。(でも最初の婚姻中のものは僕のだと言い張っている

 

僕はそのカルテと共に、その婚姻中の精子提供が行われた時期のメールのやり取りをいくつか裁判所に提出し、

 

①僕がメールでもずっと第2子を作りたいという元妻の提案を拒否し続けていたこと

②むしろ結婚生活の継続についてを考えた方がいいとはっきり書いていること

 

を根拠とし、

 

その精子は絶対僕のではない

 ↓

他の男の精子

 ↓

精子を提供するほどの関係

 ↓

肉体関係あり

 ↓

不貞

 

という論理で、不貞があったと訴えました。


裁判所の認定は以下でした。

 

「そもそも、体外受精のために精子を提供することは提供者と提供を受ける者との間に信頼関係の存在することが前提になっているといはいうことができるものの、当該提供の事実から直ちに肉体関係があったことが推認されるものでもない。

 

(中略)

 

控訴人は同夜、自宅マンションで過ごしたことも併せ考えれば、被控訴人が供述するように、当時控訴人と被控訴人の「仲の悪さがちょっと収まったような」状態になったことが窺われるのであって、クリニックに提出された精子が不倫相手氏(原文本名)の精子であることを認めるに足りる証拠がないことからしても、同日同クリニックに提供された精子は、控訴人が提供したものであると認めることができる

不貞はなかった

 


日本では、「信頼関係があれば、夫に何の断りもなく、結婚している人妻に精子を提供するのは、肉体関係なくてもあること」なんですか?

 

さらに、結婚していた僕が自宅マンションで過ごしたという事実だけで、何の証拠もなく元妻が

 

「その頃はちょっと仲直りしたんで、精子くれたんです~爆  笑

 

と言った一言が認定され、僕が提出したメールのやり取り(精子の提供はずっと拒否し続けていた)は全部無視され、僕が精子を提出したと「認めることができる」ってなるんですか? 

 

これって、つまり、僕が「自分で本当は精子出したのに、自分じゃないって嘘ついてイチャモンつけてる嘘つき野郎」って裁判所に認定されたってことですよね?


これは日本の常識で普通の事なんですか?

どなたか教えていただければ幸いです。

 

続き

 

 

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訴訟前夜① 天使か悪魔かからの続き


突然現れた元妻ユリの旧友、ミユキさんが語ったこと全ては、僕の常識、価値観、倫理観、その他諸々、全部から考えて全く理解できない話でした。


変な汗をかき始め、言葉を失くした僕の前で、ミユキさんの独白は続きました。
 
「それで私、恐ろしくて、そんな理由で子供作ったら子供がかわいそうだから、絶対にやめなよ、人の道に反してるよ、って何回もユリちゃんに言ったんですよ。

 でも、気が付いたら彼女、もう妊娠していて、『やったあ!爆  笑みたいな感じになっていて・・・」
 
・・・・・頭がガンガンしてきましたが、ここはしっかり話を聞かなきゃいけない。
そうは思ったけれど、ミユキさんの前で、普通の顔をして座っているのが精一杯だった。

(※念のため、会話は全て録音させてもらっていました)。
 
「今は本当に可愛いと思っているのか、わからないけどね、そんな感じで、全部経緯を知ってたから、何だか私も責任を感じてしまって、子供がどうなっているのか心配で、カイトくんが生まれてからは、しょっちゅう様子を見に行っていたんです」
 
「・・・・そうだったんですね。すいません・・・」
 
やたら遊びに来ていたから、よっぽど子供好きなのかと思っていた・・・。
そんな理由だったのか・・・。
 
「それで、よく遊びに行って子守りもしていたから、カイトくんも私になついてくれて、でもミユキってなかなか言えなくてね。みゅーしゃんとか、みーしゃんとか呼んでくれてたけど、それが可愛くって・・・。

 本当にカイトくん、いつも笑ってて、人懐っこくて、可愛い子でしたよね・・・」
 
少し懐かしむように微笑んだミユキさんの言葉に、ぽろぽろっと涙がこぼれそうになり、僕は思わずうつむいた。
 
「・・・カイトくんに、会えていないんでしょう? 最後に話したころ、彼女、Dragonさんには『会わせない』みたいなこと言ってたから・・・」
 
「・・・そうですね」
 
「そこが心配で・・・。ユリちゃんって、自分の思い通りにならないと、ちょっとおかしくなるっていうか、ものすごいことをする時、あるじゃないですか」
 
「よくありますね・・・」
 
「それで、カイトくんが自分の思ったことと違うことをするとね、すごくちっちゃなころから、よく頬をギュッとつねったんですよ。それで、カイトくんが泣くから、私がいるときはびっくりしてやめさせようとしたんだけども。
 とにかくそんな感じで、カイトくんのことも自分の思い通りにしようとずっとしてて、思い通りになっていれば可愛がるけど、思い通りにならないときは、カイトくんにすぐお仕置きしたりして、それもあって私、様子見に行って、体に痣や傷ができてると、これどうしたの?っていちいち聞いてね。暗に、見てるよ、私、ってアピールしてたんです。
 でもそんなことしているうちに、鬱陶しい奴と思われたのか、お二人が別居して引っ越したりしたこともあって、あまり呼んでくれなくなったし、私も彼女が人としてあまりに恐ろしいことする人だから、お付き合い続けるのも怖いって思って、そのまま疎遠にしちゃったんです。
 でもずっとカイトくんが心配で、これはお父さんのDragonさんにいつか言わなきゃって、何年も思ってた。今日、やっと言えて本当に良かった・・・」

 

 

・・・決定打だった。

 

 

ミユキさんが話したこと全てを、いきなり全部真実と信じ込むほど、僕も単純じゃない。

思い込みや大げさに言ったこともあるかもしれない。

でも、例えそうだったにせよ、「その中には確かに真実もある」と僕は感じた。

 

正直、もうこれ以上闘いたくない、ののしり合うメールや電話から離れて、平和で安定した生活を送りたい、なにより、絶対に裁判所には戻りたくない、と思っていた部分もあった。

 

訴えたところで、国際的に悪名高いこの国の司法が、僕のような立場の父親の言うことをどれだけ聞いてくれるだろう。

 
これまで、どんなに僕が腹立たしく思っても、実際もうどうしようもないとわかっていても、それでもカイトのことを想ったら、ユリがお母さんであることは変わりないし、僕の元妻というよりもカイトの母として、これ以上の争いはなるべく避けて、どうにかうまく付き合えないか、と考えていた。
 


でも、これまでの全部を考えても、やっぱり、ユリは決定的に何かがおかしいんだ。

 

普通の人間じゃない。

 

アメリカではよく映画やドラマでも題材になるけど、サイコパスと呼ばれる一種の病気に近いものを持っているとしか思えない。

 

このままにしておくわけにはいかない。

カイトが危ない

 

 
僕が心を決めたのは、この時でした。
 

 

どんなことがあろうと、徹底的に闘う。
カイトを守る―――。
 
続く

 

 

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和解成立後⑫ 新たな展開の予感からの続き

 

「は~、寒かった。こんにちは、お久しぶりです。今日は風が強いですね!」

 

ミユキさんはバタバタと足音を立てながら、僕のオフィスに入ってきました。

 

ミユキさんがこちらにとって味方になる人なのか、あるいは敵から送り込まれて来たスパイなのか、さっぱり読めなかった僕は、とりあえず周りに人がいないところで話を聞いた方がよさそうだと思い、自分のオフィスまでミユキさんに来てもらったのでした。

 

「すいません、わざわざ来ていただいちゃって。場所、すぐにわかりましたか?」

 

「うん、大丈夫。たまたま今日はこの近くまで来る用事があって来ていたから、むしろ都合よかったんです」

 

そう言いながらミユキさんは椅子に腰かけ、僕が淹れた熱いコーヒーを一口飲み、ふーっと息を吐きました。

 

最後に顔を見たのは、僕らがまだ家族で一緒に住んでいたころだから、4年前。

その頃も、天気の話以上の親しい話を直接した記憶はありません。

 

その人が何故、一体、何の話がしたくて、突然僕に電話してきたのでしょう。

 

「びっくりしたでしょう? こいつ、なんでいきなり来たんだろう、って」

 

どう話を切り出そうかと思っていた僕に、ミユキさんの方から尋ねてきました。

 

「まあ、びっくりはしましたね」と、苦笑いする僕。

 

「正直ね、もうずっと何年も考えていたことだったんです。これはDragonさんに伝えた方がいいって。
 でも、ほら、離婚届をユリちゃんが勝手に出しちゃったりしてね、お2人、別居されたじゃないですか。そうしたら私には、Dragonさんの住所も電話番号もわからないし、もう、しょうがないのかなぁ、どうしようかなぁって、何年も考えてたんです」

 

「はい」

 

「でもたまたまこの前人と話してて、人の名前をインターネットで検索するって話から、ふとDragonさんの名前を検索してみたんです。そしたら、すぐにDragonさんの会社が見つかって、こんな簡単なことだったんだ、って、そのまま勢いでお電話しちゃったんですよ。

 ずっとこんな気持ちで生きていくぐらいなら、さっさとお伝えして楽になろう、って」

 

「それは一体、どんな・・・?」

 

ミユキさんは、どこから話したら、といいたげな顔をして、軽く眉間にしわを寄せました。

 

「あのね、ユリちゃんとユウヤ、いるじゃないですか。知ってますよね、ユウヤの事?」

 

はい、と僕は頷きました。

 

「彼女とユウヤ、ずっと前から付き合ってたんですよね

 

「ずっと前? ずっと前って、カイトが生まれてすぐとかってことですか?」

 

「違う違う! カイトくんを妊娠する前から。それで、彼女、カイトくん妊娠する前に、一回Dragonさんと真剣に離婚するとか言って、騒いだことあったでしょう?」

 

「・・・ありましたね。まあ、でも、なんだか途中でうやむやになったから、僕としてはいつものヒステリーだったのかな、って思ってました」

 

「あの時ユリちゃん、弁護士事務所に相談しに行ったんですよ。そうしたら、子供もいないし、結婚している期間も10年未満だし、別にDragonさんが有責というわけでもないから、離婚してももらえるのはせいぜい100万ぐらいだろう、って言われたらしくて」

 

「はあ」

 

「そうしたら彼女、なんて言ったと思います? 『子供いたらいいんだ。じゃ、Dragonの子供作ればお金貰えるんだね』って。もうユウヤと付き合ってたのに、ですよ?」

 


・・・・・・・・・・・え?


続く

 

 

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