財政健全化目標の指標としてのプライマリーバランスと財政収支の違い(各主要国の財政収支とGDP)


プライマリー・バランス(基礎的財政収支)とは、税収・税外収入と、国債費(国債の元本返済や利子の支払いにあてられる費用)を除く歳出と収支のことを表し、その時点で必要とされる政策的費用を、その時点の税収等でどれだけ賄えているかを示す指標。


財政収支とは、国の歳入と歳出の差のことをいい、 これは世界各国で発表される経済指標であり、歳入が歳出を上回る場合を「財政黒字」、歳出が歳入を上回る場合を「財政赤字」と言う。





アメリカ、ドイツ、英国では、名目成長率回復が財政健全化に寄与※The copyright of the article and the photograph belongs to the delivery origin. (引用記事の著作は配信元に帰属します。)
(内閣府ホームページより引用)

諸外国においても、リーマンショック以降、政府債務残高対GDP比は上昇している。OECD諸国の2009年~2012年の名目経済成長率(平均)と、当該期間の政府債務残高対GDP比の変化幅の関係を描くと、名目GDP成長率の高い国の方が、政府債務残高対GDP比の変化幅が小さい傾向がみられる。

{352AFAD9-74B9-4A23-89F7-FE1890B9DF69}

次に、リーマンショック後、主要国の中で比較的早期に経済の回復傾向を示したアメリカ、ドイツ、英国について、名目経済成長要因(実質GDP要因とGDPデフレーター要因の合計)の政府債務残高対GDP比の変化幅への累積寄与(2008年から2012年にかけて)を我が国のそれと比較してみよう。ドイツを除く日本、アメリカ、英国においては、基礎的財政収支の悪化により政府債務残高対GDP比が、それぞれ30%ポイント弱、35%ポイント程度、25%ポイント程度上昇している。また、名目経済成長要因をみてみると、我が国においては、政府債務残高対GDP比を5%ポイント強上昇させているのに対し、アメリカ、ドイツ、英国については、いずれも政府債務残高対GDP比を低下させており、その寄与は、アメリカで10%ポイント弱、ドイツ、英国でそれぞれ6%ポイント程度となっている。

こうしたことから、基礎的財政収支を改善するとともに、名目経済成長率を引き上げることが財政健全化に有用であり、デフレ脱却と成長戦略の着実な実行が必要である。

ーーーー以上内閣府ホームページより





以下は、参議院予算委員会での西田昌司議員と財務省主計局官僚とのやり取りから


主要国は、財政健全化目標の指標として日本が採用しているプライマリーバランス(基礎的財政収支)ではなく、利払い費を含めた財政収支を用いている。


財政収支とは、前期に比べて借金の残高が今期増えればその間は赤字であった。借金の残高が減ればその間は黒字であった。とする概念で、


プライマリーバランスとは、今年の行政サービスを今年の税収で賄えたかと言う概念なので、逆に言えば過去の借金を利払い分までは借金を増やしても良いとする基準。

したがって昨年度より今年借金が増えていても今年の利払いの範囲内であれば黒字と見なす基準である。



簡単に言えばプライマリーバランスと言うのは利払い費を入れていない指標で、財政収支の指標は利払い費を入れている。その違いがある。

いわば借金の利息分を含めた返済金額も入っているので指標としてはプライマリーバランス(基礎的財政収支)指標より他の主要国が採用している財政収支指標の方が厳しい指標と一般的に言われている。

「財政収支を採用している欧州より日本のプライマリーバランスのほうが緩いのか」と思われがちだが実は違う。それを表すのが下のグラフ。



{C4B945E9-08CA-4836-BD2F-1CB997F11075}

※The copyright of the article and the photograph belongs to the delivery origin. 
▪️主要国の財政支出額の推移と名目GDP比率(上から英国、米国、フランス、ドイツ、日本)


1990年を100とした場合に日本は財政支出は減って、予算も減少。GDPも減っている。他のG7主要国は財政出動をして予算額を増やして名目GDPも増えている。日本よりも厳しい指標である財政収支の基準でやっているのに、何故日本よりも財政拡大ができるのか。


欧州諸国に於いては、最近、一時的要因を取り除いて構造的な財政収支に着目するようになっている。一時的要因とは景気状況により税収が減少したり、失業保険が出たり、公共事業による公的資金の支出を除くなど、所謂、景気にやる変動要因など短気的な要因を除き、毎年恒例になっている収支ベースとなる構造的な財政収支に着目すると言う考えになっている。

財政収支を財政健全化目標の基準とすると言いながら、欧州の一部先進国は構造的な財政収支を指標として、更に長期的な着目を取り入れ臨機応変に弾力的な財政出動をしている。つまり日本の様に短気的なガチガチな厳しいルールで、やっている先進国はいないのである。


ーーーー以上、西田昌司議員と財務省主計局とのやり取りから





今まで財務省の主計局は、表立っては日本より他の主要国の方が厳しい指標である財政収支を取り入れていると言ってきたが、実際には他の主要国より日本の財政健全化目標の基準にしているプライマリーバランス指標がより厳しいものとなっているのが実際である。



他の主要国は、構造的な財政収支を財政健全化の指標にしている。税収が減少すればその分の予算額を増やす、公共事業や公共投資は財政収支からは外すなど弾力性を持たせた仕組みにしている。



プライマリーバランス(基礎的財政収支)の弾力的な取り入れ方をするにあたり問題になるのは、今日本が目標にしている、2020年のプライマリーバランス黒字化目標である。日本の累積債務のGDP費を低減し現状を把握することも必要。先ずは累積債務がプライマリーバランス指標で減少していく経済状況を作っていく事が重要。


財政健全化指標のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の数値だけを改善するばかりで、実体経済が伴わないと意味がない。例えば、来年度予算を半減すればプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化は簡単に可能だか、そのよく年から国の行政サービスが破綻するのでは元も子もないと言う事。


菅義偉官房長官は、1月26日午前の記者会見で、

「大事なことは数字合わせのためにプライマリーバランスを一時的に改善させることではなく、経済を成長させて税収を上げていくことが重要」と話しています。



いよいよ次回は、総括で日本の経済政策を提案して終わります。










daddysFactory™



先に述べておきたいと思いますが、僕の経済に関する知識は大学の時に得たものや書店で普通に売られている経済学の本、報道、予算委員会などを通して理解したもので、決して専門家でもありませんし況してや、経済学を教える立場でもありません。


そんな知識の一般人でさえ民主党政権時の経済政策や現民進党の多くの議員が持っているアベノミクスに対する間違った認識や矛盾を理解するのは案外簡単なんです。



前回ブログで取り上げた民進党新緑風会、小川敏夫議員の質疑の中で「実質賃金が下がった」とする指摘に反論する書き込みをし忘れたので冒頭、指摘したいと思います。以前、当ブログの記事「民進党の考える経済政策への疑問2016.5/21」の中でも指摘したのですが、


そもそも、物価安定を目標とした日銀によるインフレターゲットを2%に設定した異次元緩和そのものが、金利や実質賃金を一時的に引き下げる効果が元々あり、織込み済みの政策なのです。


実質賃金が下がったのはアベノミクスが巧く機能した証拠であり、それをもって安倍政権叩きによって民進党支持率に繋がると考える議員の無能さは国民にとって不幸でしかありませんね。


一時的に実質賃金が引き下げられて、雇用が改善した後、徐々に実質賃金は上昇し始めるタイムラグ指標だよ。ともう一度指摘しておきたいと思います。それを証明するのが下の報道です。内容は政権批判するために曲解がありますが、上記記述内容を分かった上で読むとより理解できるかと、、、、



実質賃金6カ月連続プラス 7月、2.0%増2016/9/5 10:13※The copyright of the article and the photograph belongs to the delivery origin. (引用記事の著作は配信元に帰属します。)

厚生労働省が5日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比2.0%増加した。伸び率は6月の確報値と同じで、6カ月連続で前年を上回った。ボーナスの増加などで名目賃金が増えたほか、消費者物価指数(CPI)の下落傾向が実質賃金を押し上げている。

名目にあたる従業員1人当たりの現金給与総額は37万3808円と、前年同月比1.4%増加した。名目の給与総額のうち、基本給にあたる所定内給与は0.4%増の24万1518円。ボーナスや通勤費にあたる「特別に支払われた給与」は4.2%増の11万3150円だった。

実質賃金の増加は給与の伸びが物価の伸びを上回っていることを示す。7月のCPI(持ち家の帰属家賃を除く総合)は前年同月比0.5%下落し、実質賃金の伸び幅が名目より大きくなった。実質賃金は6年ぶりに2カ月連続で2%台となった。ただ所定内給与の伸びは依然小幅で、物価下落の影響も大きいことから、所得環境の改善が続くかどうかは見通せない状況だ。


ーーーーー以上配信元より引用








◾️デフレ対策のアベノミクス◾️

アベノミクスと言う経済政策の本質的な考え方について、皆さんが良く耳にする三本の矢。これは、財政出動、金融政策(日銀によるQE-量的質的緩和政策)、成長戦略の3つを指しますがここでは、金融政策と財政出動について焦点を当てたいと思います。


日本銀行による異次元な金融緩和とは、民間の金融機関が保有する国債を日銀が買い取る事で民間銀行の当座預金残高が増え、企業へ資金を貸し出しやすくなる。

同時に政府による財政出動を行ない公共事業や公共投資などで設備投資が促され徐々に仕事が増え賃金が上がり、デフレ脱却と共に経済の好循環を生み出す。

言い換えるならば、日銀が行っているのはインフレターゲットを2%に設定したQE(Quantitative Easing)量的質的緩和政策でマネーサプライ(通貨供給量)に基づく、どちらかと言うと「力学的」な考え方に属すものです。


アベノミクスの肝は、市場に大量の資金を供給し、デフレ脱却と景気への刺激を目的としたもので、言わば財政出動と日銀による金融政策をして、財政拡大をする事が本質です。




以前、このブログで取り上げた海外報道のネット配信記事からアベノミクスに対する論評記事を、、、、

下記に示したフィナンシャル・タイムスの(Japan’s big lesson for the eurozoneーユーロのための日本の大きな試み)ソース元の報道を引用します。

引用元
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/a26fd222-c97b-11e4-a2d9-00144feab7de.html 
(March 16, 2015 4:00 pm)
表題
Japan’s big lesson for the eurozone 
記者Peter Tasker
因みに、記事はリンク切れになっているのでワードに保存していた原文も下に書き移しておきます。※The copyright of the article and the photograph belongs to the delivery origin. (引用記事の著作は配信元に帰属します。)


So what has Abenomics achieved? The prime effect has been the change in domestic financial markets driven by QQE. 

The stock market has doubled in two years, and the yen has fallen to the lowest level in real trade-weighted terms since the dawn of floating currencies in the early 1970s. 

Moves of this magnitude will in time have powerful effects on the real economy. 

In the past Japan’s exporters seized on currency weakness to cut prices and grab 
overseas market share. This time they have reaped the benefits of the super- competitive yen through higher margins. 

Perhaps they thought the currency move would not last; maybe they wanted to prioritise profitability. 

Either way, the result was record margins and flat industrial output. Thankfully ex-port volumes have picked up recently. 

In Japan’s case the first two years of reflation were spectacular for financial 
markets, but the benefits for ordinary people were less obvious. 

Even so, the tight labour market gave them more job security and choice. Now they are likely to be rewarded for their patience as the real economy improves. 


                 ーーーー外信引用は以上。


「アベノミクスはその効果を発揮したのか?大胆なQE(量的質的金融緩和)は、最初の二年間は金融市場や為替、更に株式価格などにのみ変化をもたらし、円は1970年代初期の通貨の夜明け以来、低いレベルにあり庶民生活や雇用にはさしたる変化が生まれていないように見えた。

通貨安によって輸出企業の業績は改善され海外市場でのシェアも回復した。ただ、アベノミクスの最初の効果として庶民生活や収入には反映されはしなかったが、少なくとも働く場所が増え、就業選択が与えられた。

しかし、それは経済の変化には効果が現れるまで多少のタイムラグが生じるためで、時間的な猶予が必要(中央銀行の政策担当者や庶民には忍耐が必要)ということであるが、表面化している指標として今や日本国内の企業収益、実体経済、雇用の改善が見られる。

すなわち、金融政策の効果が目に見えるまでには数年単位の遅れが実証されたのであって、アベノミクスの失敗と言うのは無責任で無知な経済学者が言う事で、今や耐え忍んだことが報われ、経済が改善されているように思われる。」



以上、英文元を簡単に個人的な意訳を交えて翻訳しました。文中に出てきた実体経済と雇用の改善は前回のブログで書いた、参議院の予算委員会で安倍総理が質問に答えた部分と意味合いは同じだと思います。




アベノミクスの課題(参議院予算委員会 自民党 西田昌司議員の質疑から)

アベノミクスがスタートした2014年3月当時の日本銀行の当座預金残高は34.4兆円ほどだったのが、2016年12月には330.2兆円へ増加。当座預金残高が300兆円も増えているにも関わらず民間では金融機関の貸し出し残高は476.1兆円から509.5兆円と30兆円ほどしか増えていない。

現金通貨と国内の民間金融機関に預けられた預金残高をマネーストックと言うのですが、其のマネーストックが863.6兆円から958.5兆円と100兆円ほど増加してるのに、金融機関の貸し出し残高が低い。これはマネタリーベースが増えているのに、実際は企業が投資や事業拡大をしていない事、銀行から資金を借りていない事を表しています。


マネーストック増加の要因は、銀行貸出し金の増加や別の金融資産からのシフト、経常収支の黒字もマネーストック増加に寄与するとされ貸出し金よりもマネーストックの増加が顕著に見られる要因だとされています。

本来アベノミクスは為替操作を目的としない金融政策であって、日銀による異次元緩和による国債の買い取りで銀行には貸出し金が潤沢にあるのに信用創造が伸びない。その一方で、超低金利の国債を買い取り続けている状態にあります。

すると、必然的にマネーサプライ(通貨供給量)が増えた国内では自国通貨安になってしまう。従って輸出が増加し経常収支の黒字額が増え結果として思いの外、マネーストックが増えてしまう。為替介入していないのに、マネーサプライ増加にともない自国通貨安になり、輸出量増加とともに対米輸出の経常収支の黒字が大統領就任前のトランプ大統領の批判が恰も正しいかの様に思われてしまう。ある意味そこが課題ではあります。





◾️日本経済の現状◾️

話を進める前に、日本経済の今を正しく認識する必要があります。

先週の参議院予算委員会で西田昌司議員の質問に答えた麻生財務大臣は、1990年からの所謂、失われた20年と現在に至る日本経済の認識を次のように述べています。


「日本国内で問題なのは、マネタリーベースが増えてるのにマネーサプライが増えないことが一番の問題。何故そうなったか。その原因はデフレです。

デフレ好況があるのだから、デフレ自体は悪くないが、デフレが続きデフレ不況に移行する事が悪いのであって、これまでの日本は、日本の財政を立て直した高橋是清のいた戦前以来、2度目のデフレ不況を経験した。1990年頃から長く続いたデフレ不況は先の大戦後、世界的に日本が初めて経験したと言っても良いと思います。

当初の対応が間違っていた。金融収縮をやった日本銀行も間違っていた。勿論、財政も同様に不況だと認識しインフレ対策を行った。インフレ対策を行ったのにデフレに陥ったことが更に状況を悪くした。結果的に1997年に大手金融機関や銀行が倒産し取り付け騒ぎになりかけた。


この状況で経済を良くするにはGDPを増やすしかない。GDPを増やすには簡単に3つの方法がある。個人消費を増やす事、民間投資を増やす事、政府による財政支出を増やすなど。

そこまでに行く方法論として日本銀行の金融政策が間違っていたのだから金融緩和をして下さい。と5年前の1月に当時の白川総裁との協定を結ぶ事になりました。次に冷え込んでいた財政支出を大幅に増やす事にし、機動的な財政出動を行った。しかし、我々自民党が下野し次の政権である民主党の「コンクリートから人へ」と言うバカげた対策の緊縮財政で、経済が更に悪化してしまった。前任だった私の家業であるコンクリート事業への当てつけかとも思った。


その結果最大で14.5兆円程あった公共事業が民主党野田内閣では5兆円を割り込むまでに縮小してしまった。(民主党政権時の最大の間違いは、事業仕分けによる公共事業投資の削減)


今は漸く、公共事業が6兆円に手が届く位まで回復した。然もその財源は国債を発行する財政投融資だけで賄った訳ではない。建設国債を発行すれば簡単だが、第二次安倍内閣に於いては新規国債発行を10兆円も減少させた上で、その他の予算で補い公共事業費用に充ててきたのが現在の状況。


財政健全化をやらなくてはいけない、経済成長もしなくてはならない。どちらが大切か?それは経済成長です。経済成長そっちのけで国債発行に頼っていては信用を失う。(まさに、民主党政権の3年間です。民主党に言わせれば、リーマンショックや東日本大震災の所為なのだそうな。)


なので、バランスが大事。現在、海外で日本の国債が保有されいる割合は12%ほど。海外投資家にも日本国債は円建てで発行し、買ってもらっている。国債を自国通貨だけで発行してるのは、米国、英国、スイスとスウェーデンに日本だけ。それ以外の他国、例えば新興国通貨で発行される国債とは全く意味が違う。」

(前回取り上げた、小川敏夫議員の「国の借金1000兆円による日本経済破綻」の認識を木っ端微塵に論破しています。米ドル、ユーロに続く基軸通貨である円を自国通貨の円建てで発行する国債の信認はその他の国の国債とは意味が違うと)


ーー以上、麻生財務大臣の予算委員会答弁






現在の日本のデフレ下では消費と民間投資が中々伸びないので政府の財政支出を増やし、財政拡大する事がデフレ不況下に於ける経済対策になります。


民主党政権の緊縮財政では、一般庶民は将来が見通せない状況です。無駄使いせず老後に蓄えようと貯蓄する日本人特有の性格の下では、緊縮財政をする民主党の経済政策で経済を活性化させる事は出来ません。日本人の購買意欲を減退させる効果しかありませんでした。当然ながら、民主党政権ではイノベーションによる革新的技術開発や成長戦略もまた無理な話です。


ここまで話せば何となく、今日本経済のデフレ対策としてアベノミクスが注目されるのか?民主党政権時の経済政策が何故致命的な間違いを犯したのか。上の麻生財務大臣の予算委員会での発言で理解できるのではないでしょうか。

この状況で経済を良くするにはGDPを増やすしかない。GDPを増やすには簡単に3つの方法がある。個人消費を増やす事、民間投資を増やす事、政府による財政支出を増やすなど。



1️⃣アベノミクスの三本の矢のひとつである日銀による異次元な量的質的金融緩和の目的は、銀行の当座預金に日銀の国債購入資金が入り企業へ貸し出し、民間投資を刺激する。

2️⃣民主党政権時の緊縮財政では、国民の消費マインドが冷え込んだので、政府による財政支出で消費を促す。(新しい新幹線ルートや道路のミッシングリンクの解消や教育無償化、幼児教育現場の充実や働く女性への支援などで、首都圏だけに投資を集中するのではなく全国に財政出動し地方の活気を喚起する)

3️⃣事業仕分けで削減された公共投資を増やし革新的技術開発を刺激して成長戦略を果たしていく。


この三本の柱こそアベノミクスの肝な訳です。



麻生財務大臣は、デフレ不況下に於ける経済対策に財政健全化と経済成長のどちらが必要かと言えば、明確にGDPを増やす経済成長だと指摘しています。


その方法として、個人消費を増やす事、民間投資を増やす事、政府による財政支出を増やす事。その為にも機動的な財政出動が必要だとしています。


しかし、ここで問題になるのが財政拡大と財政健全化の相反する政策をどう両立させるのかそのバランスが大事だと言っています。


政府主導の財政支出で公共事業を行うと、財政健全化の指標に計上しなくてはいけないので日本が採用している財政健全化指標のプライマリーバランスが悪くなる。日本は財政健全化する気がないのではないかと対外的信用が毀損される恐れがあると思われかねません。




次回は、財政健全化と経済成長のトレードオフの関係をどう解決するのかと言う視点で記事にいたします。












daddysFactory™

前回のエントリー記事で約束した、何故、民進党の経済政策に対する認識が間違っていて政策論争も政策立案能力も欠けているのか。先ずは、先週の参議院予算委員会での民進党、新緑風会 小川敏夫議員の質疑から、、、、





参議院予算委員会

民進党 新緑風会 小川敏夫議員(以下、名前のみ)
「安倍総理は2%の物価安定目標について、日銀の責任で達成させると国会で発言されました。今現在、2%達成できていないのは何故ですか。」


安倍総理
「正に、日銀の負う責任とは説明責任なんです。」

(民進党席側から、嘲笑う様な野次が飛ぶ)

「中央銀行が政府に対して説明責任を負うのは国際的な常識なんです。中央銀行の行う金融政策を中央政府へ説明するのは当たり前なんです。日銀の政策として2%の物価安定目標が達成されていない、黒田総裁の説明を我々政府は了としている訳でございます。この2%の物価安定目標に向け異次元の金融緩和を行なっていく。これは、実体経済に働きかけている事が重要なんです。」

(安倍総理答弁中、ずっと民進党の席から野次が飛んで聞きづらい)

「では、実体経済にとって大事なのは何か?  それは、雇用なんですよ。民主党政権時、雇用は10万人減少した。自民党に政権交代してアベノミクスにより170万人雇用が増えたんです。正規雇用は増えていないと散々この国会で民主党議員に批判されましたよ、8年間減り続けた正規雇用が一昨年、昨年と8年ぶりにプラスに転換したんですよ。」

(民進党席からワーワーギャーギャー。安倍総理答弁を早く終わらせようと、小川敏夫議員が手を挙げ委員長にアピール)

「これは、事実ですから聞いてください。人口減少している日本で異例な事ですよ、この2年間で正規雇用は77万人増えたんです。民主党政権の3年間で、正規雇用は55万人減っていたんですから。小川委員指摘の様に2%の物価安定を未だ達成しておりませんが、同時に実体経済に働きかけ、経済を良くして2%の物価安定目標を達成して行く事が重要と考えています。」



小川敏夫議員
「安倍政権で実質賃金は下がってるんですよ。今年は少し上がりましたけどね。世帯収入は下がってるんですよ。消費支出はがた減りですよ。上がっているのは⚠️エンゲル係数だけ。酷い状態じゃないですか。」

⚠️エンゲル係数ドイツ語:Engelsches Gesetz)とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)のこと。


(庶民の消費マインドを冷え込ませたのが民主党政権時の「コンクリートから人へ」の名の下に行われた緊縮財政です。雇用を減らすだけでなく、円高で日本から働く場所まで焼け野原にした民主党政権時に比べれば、働く場所があるだけマシと言うもの)


「日銀はドンドン国債を買って、⚠️ETFも大量に抱え込んで。国債は400兆円ですか、抱え込んで。今は低金利だからいいけど金利が上がったら国債の値段は下がるんですよ。仮に3%になったら国債の評価額は下がって日銀が多額の損失を受けるじゃないですか。なんで、そんなリスクになる資産を購入してるんですか。危うい政策をして突っ走ってるんじゃないですか。」

(経済に対して明るく無いとしても、自国通貨建て発行の日本国債をリスク資産と言う国会議員の経済に対する見識の無さは、小学生レベル。国民にとっては悲劇この上ない。)

⚠️ETF(上場投資信託)
証券取引所に上場し、取引されている投資信託の事。



黒田日銀総裁
「日本銀行では、保有国債の評価方法につきまして、償却原価法を採用してございます。従いまして、金利が上昇したとしても決算上の期間損益に於いて評価損益が計上される事はございません。」

「また、その上で、現時点で日本銀行の保有国債の含み損益、これは先程述べた様に含み損失が期間損益には計上されませんが、昨年平成28年9月時点で含み損失ではなく、プラス15.3兆円の含み利益超になってございます。」


「委員が指摘されましたが、今後仮に金利が上昇した場合、金利水準によっては含み損失に転化する可能性もありますけども、将来に含み損失になったとしても、先程述べました様に期間損益には出てまいりませんが、含み損になったとしても中央銀行には継続的に⚠️通貨発行益が発生いたしますので信任が毀損される事は無いと考えております。」

「何れにいたしましても、日本銀行が実施している国債を含む資産の買い入れなどは財務に影響を与え得る訳ですけども、日本銀行の責務である物価安定のために必要な政策であります。従って財務の健全性に留意しつつ必要な政策として行なっているものという事でございます。」

⚠️通貨発行益ー日銀ホームページよりー
日本銀行の利益の大部分は、銀行券(日本銀行にとっては無利子の負債)の発行と引き換えに保有する有利子の資産(国債、貸出金等)から発生する利息収入で、こうした利益を通貨発行益と呼びます。




小川敏夫議員
「結局、こう言ったリスク資産をドンドン、ドンドン増やして言ってね、日銀と一緒に日本も倒れちゃうじゃないですか。」

(豚の耳に念仏、小川敏夫議員は黒田総裁のありがたい解説が理解できないようです。「倒れないよ」と安倍総理の野次に、「倒れない?」と自信を無くす小川敏夫議員。民進党議員は常に自分の用意した結論に導くために結論有りきで議論を誘導しますから、明快に論破されたり、都合の悪い事実には耳に蓋をするんです。だから議論が噛み合わない。致命傷です。)


「倒れない?じゃあ、4%、5%と金利が上昇した場合、どんな状態になるのか総理説明して下さいよ。」

(3%で倒れないなら4%、5%なら倒れるだろうと小川敏夫議員。国会質疑で自分が理解できない事に逆ギレし総理に説明を求める愚か者。)

「いや、総理だよ。総理が倒れないって言うから、、、、」



黒田日銀総裁
(黒田総裁も若干呆れている様です。)
「あのー、先程も申し上げた通りでございまして。日本銀行の信任が毀損される事は無いと考えております。各国の中央銀行を見ますとですね、中央銀行の信任が毀損すると言うのは財政が不健全になると言う事ではございませんで、例えば、ハイパーインフレーションを齎すと中央銀行の信任が毀損される訳でございます。」

「しかしながら、日本銀行の場合、2%の物価安定目標を堅持しておりまして、そう言った懸念になる事はございません。尚、経済が回復した暁には2%の物価安定目標が達成された場合に、長期金利が上昇する可能性はございますが、ハイパーインフレーションによって上昇するのとは違いまして、実体経済が改善される中で、また物価の状況も改善される中で自然な形で長期金利が上昇していくと言う事でございます。それ以上に長期金利が上昇する様な事は、⚠️長短金利操作付き量的質的金融緩和の元で適切な⚠️イールドカーブを実現して参りますので、そう言った事にはならないと考えております。」



日銀ホームページより
⚠️長短金利操作付き量的質的金融緩和
日本銀行は、2016年(平成28年)9月20、21日の政策委員会・金融政策決定会合において、従来の「量的・質的金融緩和」、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を強化する形で、新たな金融緩和の枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。新しい政策枠組みは、主として、2つの要素から成り立っています。第1に、金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、第2に、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」です。


⚠️イールド・カーブとは、償還までの期間(残存年数)の異なる金利( 利回り)を線で結んでグラフにしたものを、 イールドカーブ(利回り曲線)と呼ぶ。




小川敏夫議員
「総理、もう時間がありませんので最後の質問です。総理あなたは放漫財政をしてるんじゃありませんか。平成20年頃から国債の発行残高が急激に増えています。麻生政権からです。その後、民主党政権へ移行するんですが、この時はリーマンショックや東日本大震災があって発行残高が増えるのはしょうがないにしても、、、」

(いい訳ですか。その時の対応が不味かったと言う反省はないんですね。)

「第二次安倍内閣になってもドンドン国債の発行残高が増えてるじゃないですか。消費税で税収が8兆円増えているのに、国債を発行して将来の若い世代に借金を背負わせて放漫財政をしてるんじゃないですか。」




安倍総理大臣
「我々は新規発行の国債を10兆円削減しました。そして、プライマリーバランスについても14兆円改善し、GDPも改善する事が出来ました。税収については、民主党政権時よりも22兆円増えました。アベノミクスが財政にも効果が出てきていると考えております。」







小川敏夫議員と政府側とのやり取りを聞いていると、民進党による日本経済の状況に関する認識は、「アベノミクスは放漫財政であって、日本が財政危機を迎えジンバブエの様に、ハイパーインフレーションになり日本経済は財政破綻する」と言うのがどうやら民進党に於ける日本経済に対する誤認識?御認識の様でございます。



実体経済に於ける、全国的雇用の改善、企業収益の改善、実質賃金の上昇、財政健全化指標の改善、名目GDP増加など具体的な数字や状況は見ずに、現状起こり得ないハイパーインフレーションによる財政破綻を想定した夢物語りで予算委員会で質疑をされる滑稽さは、観覧者のない無人の会場でミュージカル舞台が繰り広げられるに等しい侘しさがありますね。



次回は、安倍政権の経済政策の肝であるアベノミクスについて記事にいたします。










daddysFactory™