前回のエントリー記事で約束した、何故、民進党の経済政策に対する認識が間違っていて政策論争も政策立案能力も欠けているのか。先ずは、先週の参議院予算委員会での民進党、新緑風会 小川敏夫議員の質疑から、、、、





参議院予算委員会

民進党 新緑風会 小川敏夫議員(以下、名前のみ)
「安倍総理は2%の物価安定目標について、日銀の責任で達成させると国会で発言されました。今現在、2%達成できていないのは何故ですか。」


安倍総理
「正に、日銀の負う責任とは説明責任なんです。」

(民進党席側から、嘲笑う様な野次が飛ぶ)

「中央銀行が政府に対して説明責任を負うのは国際的な常識なんです。中央銀行の行う金融政策を中央政府へ説明するのは当たり前なんです。日銀の政策として2%の物価安定目標が達成されていない、黒田総裁の説明を我々政府は了としている訳でございます。この2%の物価安定目標に向け異次元の金融緩和を行なっていく。これは、実体経済に働きかけている事が重要なんです。」

(安倍総理答弁中、ずっと民進党の席から野次が飛んで聞きづらい)

「では、実体経済にとって大事なのは何か?  それは、雇用なんですよ。民主党政権時、雇用は10万人減少した。自民党に政権交代してアベノミクスにより170万人雇用が増えたんです。正規雇用は増えていないと散々この国会で民主党議員に批判されましたよ、8年間減り続けた正規雇用が一昨年、昨年と8年ぶりにプラスに転換したんですよ。」

(民進党席からワーワーギャーギャー。安倍総理答弁を早く終わらせようと、小川敏夫議員が手を挙げ委員長にアピール)

「これは、事実ですから聞いてください。人口減少している日本で異例な事ですよ、この2年間で正規雇用は77万人増えたんです。民主党政権の3年間で、正規雇用は55万人減っていたんですから。小川委員指摘の様に2%の物価安定を未だ達成しておりませんが、同時に実体経済に働きかけ、経済を良くして2%の物価安定目標を達成して行く事が重要と考えています。」



小川敏夫議員
「安倍政権で実質賃金は下がってるんですよ。今年は少し上がりましたけどね。世帯収入は下がってるんですよ。消費支出はがた減りですよ。上がっているのは⚠️エンゲル係数だけ。酷い状態じゃないですか。」

⚠️エンゲル係数ドイツ語:Engelsches Gesetz)とは、家計の消費支出に占める飲食費の割合(パーセント単位)のこと。


(庶民の消費マインドを冷え込ませたのが民主党政権時の「コンクリートから人へ」の名の下に行われた緊縮財政です。雇用を減らすだけでなく、円高で日本から働く場所まで焼け野原にした民主党政権時に比べれば、働く場所があるだけマシと言うもの)


「日銀はドンドン国債を買って、⚠️ETFも大量に抱え込んで。国債は400兆円ですか、抱え込んで。今は低金利だからいいけど金利が上がったら国債の値段は下がるんですよ。仮に3%になったら国債の評価額は下がって日銀が多額の損失を受けるじゃないですか。なんで、そんなリスクになる資産を購入してるんですか。危うい政策をして突っ走ってるんじゃないですか。」

(経済に対して明るく無いとしても、自国通貨建て発行の日本国債をリスク資産と言う国会議員の経済に対する見識の無さは、小学生レベル。国民にとっては悲劇この上ない。)

⚠️ETF(上場投資信託)
証券取引所に上場し、取引されている投資信託の事。



黒田日銀総裁
「日本銀行では、保有国債の評価方法につきまして、償却原価法を採用してございます。従いまして、金利が上昇したとしても決算上の期間損益に於いて評価損益が計上される事はございません。」

「また、その上で、現時点で日本銀行の保有国債の含み損益、これは先程述べた様に含み損失が期間損益には計上されませんが、昨年平成28年9月時点で含み損失ではなく、プラス15.3兆円の含み利益超になってございます。」


「委員が指摘されましたが、今後仮に金利が上昇した場合、金利水準によっては含み損失に転化する可能性もありますけども、将来に含み損失になったとしても、先程述べました様に期間損益には出てまいりませんが、含み損になったとしても中央銀行には継続的に⚠️通貨発行益が発生いたしますので信任が毀損される事は無いと考えております。」

「何れにいたしましても、日本銀行が実施している国債を含む資産の買い入れなどは財務に影響を与え得る訳ですけども、日本銀行の責務である物価安定のために必要な政策であります。従って財務の健全性に留意しつつ必要な政策として行なっているものという事でございます。」

⚠️通貨発行益ー日銀ホームページよりー
日本銀行の利益の大部分は、銀行券(日本銀行にとっては無利子の負債)の発行と引き換えに保有する有利子の資産(国債、貸出金等)から発生する利息収入で、こうした利益を通貨発行益と呼びます。




小川敏夫議員
「結局、こう言ったリスク資産をドンドン、ドンドン増やして言ってね、日銀と一緒に日本も倒れちゃうじゃないですか。」

(豚の耳に念仏、小川敏夫議員は黒田総裁のありがたい解説が理解できないようです。「倒れないよ」と安倍総理の野次に、「倒れない?」と自信を無くす小川敏夫議員。民進党議員は常に自分の用意した結論に導くために結論有りきで議論を誘導しますから、明快に論破されたり、都合の悪い事実には耳に蓋をするんです。だから議論が噛み合わない。致命傷です。)


「倒れない?じゃあ、4%、5%と金利が上昇した場合、どんな状態になるのか総理説明して下さいよ。」

(3%で倒れないなら4%、5%なら倒れるだろうと小川敏夫議員。国会質疑で自分が理解できない事に逆ギレし総理に説明を求める愚か者。)

「いや、総理だよ。総理が倒れないって言うから、、、、」



黒田日銀総裁
(黒田総裁も若干呆れている様です。)
「あのー、先程も申し上げた通りでございまして。日本銀行の信任が毀損される事は無いと考えております。各国の中央銀行を見ますとですね、中央銀行の信任が毀損すると言うのは財政が不健全になると言う事ではございませんで、例えば、ハイパーインフレーションを齎すと中央銀行の信任が毀損される訳でございます。」

「しかしながら、日本銀行の場合、2%の物価安定目標を堅持しておりまして、そう言った懸念になる事はございません。尚、経済が回復した暁には2%の物価安定目標が達成された場合に、長期金利が上昇する可能性はございますが、ハイパーインフレーションによって上昇するのとは違いまして、実体経済が改善される中で、また物価の状況も改善される中で自然な形で長期金利が上昇していくと言う事でございます。それ以上に長期金利が上昇する様な事は、⚠️長短金利操作付き量的質的金融緩和の元で適切な⚠️イールドカーブを実現して参りますので、そう言った事にはならないと考えております。」



日銀ホームページより
⚠️長短金利操作付き量的質的金融緩和
日本銀行は、2016年(平成28年)9月20、21日の政策委員会・金融政策決定会合において、従来の「量的・質的金融緩和」、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を強化する形で、新たな金融緩和の枠組みである「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入しました。新しい政策枠組みは、主として、2つの要素から成り立っています。第1に、金融市場調節によって長短金利の操作を行う「イールドカーブ・コントロール」、第2に、消費者物価上昇率の実績値が安定的に2%の「物価安定の目標」を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続する「オーバーシュート型コミットメント」です。


⚠️イールド・カーブとは、償還までの期間(残存年数)の異なる金利( 利回り)を線で結んでグラフにしたものを、 イールドカーブ(利回り曲線)と呼ぶ。




小川敏夫議員
「総理、もう時間がありませんので最後の質問です。総理あなたは放漫財政をしてるんじゃありませんか。平成20年頃から国債の発行残高が急激に増えています。麻生政権からです。その後、民主党政権へ移行するんですが、この時はリーマンショックや東日本大震災があって発行残高が増えるのはしょうがないにしても、、、」

(いい訳ですか。その時の対応が不味かったと言う反省はないんですね。)

「第二次安倍内閣になってもドンドン国債の発行残高が増えてるじゃないですか。消費税で税収が8兆円増えているのに、国債を発行して将来の若い世代に借金を背負わせて放漫財政をしてるんじゃないですか。」




安倍総理大臣
「我々は新規発行の国債を10兆円削減しました。そして、プライマリーバランスについても14兆円改善し、GDPも改善する事が出来ました。税収については、民主党政権時よりも22兆円増えました。アベノミクスが財政にも効果が出てきていると考えております。」







小川敏夫議員と政府側とのやり取りを聞いていると、民進党による日本経済の状況に関する認識は、「アベノミクスは放漫財政であって、日本が財政危機を迎えジンバブエの様に、ハイパーインフレーションになり日本経済は財政破綻する」と言うのがどうやら民進党に於ける日本経済に対する誤認識?御認識の様でございます。



実体経済に於ける、全国的雇用の改善、企業収益の改善、実質賃金の上昇、財政健全化指標の改善、名目GDP増加など具体的な数字や状況は見ずに、現状起こり得ないハイパーインフレーションによる財政破綻を想定した夢物語りで予算委員会で質疑をされる滑稽さは、観覧者のない無人の会場でミュージカル舞台が繰り広げられるに等しい侘しさがありますね。



次回は、安倍政権の経済政策の肝であるアベノミクスについて記事にいたします。










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