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酒とオカマと男と女

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(昔のお店での事)

ある日お客様がお店に入るなり、お店のある地下への階段を降りたり、上がったりしている変なおっちゃんがいると言うのです。
地下への入り口は通りに面している為、遠くからでも人の出入りがよく見えるんです。
お客様が言うには、ホームレスだとか。

地下には僕のお店と、隣にもう一軒あるだけで、トイレが共同だった為、トイレでも借りに来たのかもと思ってあまり気にもかけていませんでした。

ところが、次のお客様も同じ事を言うんです。

見に行っても誰も居ません。

隣のお客様だろうと全く気にしてなかったんです。

すると、
お店の扉を開ける人がガーン

隣の女装子(じょそこ)のママさんです。

ママさんはお店がノーゲストの時はいつも通りで立ってお客様を拾うスタイルです。

そのママさんが、変なホームレスみたいな人がウロウロしてるから気を付けてと言う。

怖い…

マジ怖い…

でも、僕はこのお店の責任者だ!!

従業員とお客様は守らなくてはならない!!

勇気を振り絞り巡回に出たガーン

ビルの真ん前の電柱に隠れてるつもりの大男がショック!

『あれっショック!

『あれれっガーン

『ひ ろ し さん?』
声をかけてみた…

すると、

『ママさんよ~
こんな所で会うなんぞ、凄い偶然やの~』…だと得意げ

(ここ僕のお店の真ん前やねんけど得意げ)

てか、

何で?

一体、今度は何があったん?

ひろしさんは、明らかにホームレスさんになっていた…。

僕は千円を差し出した。

ひろしさんは、何度も御礼を言いながら受け取った。

そして、足早に去って行った得意げ得意げ得意げ
僕が北新地のお店を辞めてはや半年が経つ。

北新地での三年間は僕の人生で忘れる事の出来ない貴重な経験と忘れてはいけない素晴らしい人々との出会いがあった。

ある日、北新地での仕事が終わって帰りに同僚のニューハーフさんと二人で友達が経営するお店で朝まで飲み明かした事があった。

店を出て同僚と別れた僕はとても気分が良く、いつもと全く違う道で帰っていた。

(こんな近くにこんな公園があったんだ。)

一人の女性がダックスを二匹散歩している姿が目に入った。

僕は半ば自転車を放り投げかけよって犬をなでた。

犬は暴れ狂って僕の手に噛み付いた!

僕は恐さも痛みも気にならない程酔っていた。

その女性は大声で笑った。

僕は初対面のその女性に、自分もダックスをいっぱい飼っている事や北新地で働き始めたが厳しい街で大変な事や、御丁寧に自分がゲイである事まで一人でしゃべり続けた。(らしいガーン)

しゃべるだけしゃべって帰って行った。(らしいしょぼん)

その日の夕方
犬を病院に連れて行った。
前の人がダックスを二匹連れて、診察室から出て来た。

出て来るなり二匹のうちの一匹が僕に、明らかに僕に向かって吠えまくる。

マジ怖いショック!

飼い主の女性と目が合った得意げ

何と!
朝公園に居た女性ではないかニコニコ

こんな偶然あるんだ…。

場所が場所だったので、ほとんど会話も無く僕は診察室に入った。

その夜知らないアドレスからメールが届いた。

ダックスの彼女からだった。

朝公園で会った時に教えたらしい。

何と彼女も最近北新地で勤め始めたばかりとらしい。

しかも、同じ上通りだった。

それから僕達はとても仲良くなったニコニコ

お互いに北新地で初めて出来た友達だったニコニコ

本当に気の合う友達だ。

北新地に友達が出来て本当に嬉しかったアップアップアップ

一生大切にしたい友達だニコニコ
ひろしさんの事も忘れかけていた夏の初め。


その日僕は休みだ。
(お店は無休)

一日中家でゴロゴロしていた。

夜遅くお店から電話が入り僕にどうしても会いたいお客様が来られるとの事。

僕は急いで準備をしお店に向かった。

扉を開けると一番奥の席に着物を着た豪華な女性が二人目に入った。
このボロボロのビルの暗い地下にある狭いお店にこんな綺麗で豪華な女性が座っていると、ちゃっちいお店が余計に際立つ。

見覚えの無い顔だ。

その二人の女性の真ん中にはロマンスグレーな感じの派手な男性が座っている。胸元、両手首、そして指にはキンキラのアクセサリーが光っている。

見覚えの無い顔だ。

何と初めて来たのにヘネシーをキープしてくれた様だ。

男性が僕に気付いた!

『おぅパーママさんよ~にひひ

ん??

この声…

どっかで…

聞いたショック!ショック!ショック!


うっそぉぉショック!ショック!ショック!ショック!ショック!

あ、あのひろしさんの声だショック!ショック!ショック!ショック!ショック!

マジでぇぇぇ!?

まるで別人だショック!

ミナミの高級クラブのママを二人も連れて現れたのだショック!

ひろしさんは二人のママに僕の事を怖い位褒めちぎりながら紹介をした。

二人の美女はそれはそれは冷めきった表情で軽く笑い後は無言だった。

ひろしさんと僕は乾杯をした。

ひろしさんは一気に飲み干した。

(僕はまだひろしさんの変身ぶりにまだ放心状態から覚めていなかったショック!)

すると、席を立ち
『おあいそ!』と言った。

ありゃりゃショック!
飲み方まで格好ええやないのガーン

スタッフが会計した伝票を差し出すと確認もせず、一万円札を数枚渡した。

ツケの分とお礼だからお釣りはいらない大声で、しかも笑える程の "ドヤ顔" 言う。

何がどうなったのか訳がわからなかったが、ありがたくお金を受け取った。

『ママさん頑張れよ!』と捨てゼリフをはいて、何かの映画の主人公になった気分でいるのか肩にジャケットを羽織り『あばよパー』と右手を軽く上げ振り返らず肩で風を切りながら歩いて行った。
ホンマに単純な人だショック!
まるで漫画やんガーン

お店に戻ってひろしさんから受け取ったお金を数えた。
全て新札で向きもきちんと揃えられたお金は一万円札が十枚あった。

勿論もらい過ぎである。

でも…

金額では無く

ひろしさんの心が胸にしみた。

ひろしさん又昔の世界に戻ったのだろうか…

僕は何だかとても良い経験が出来たとしみじみ思えた。


ひろしさん、今度こそ、本当に、さようならやねニコニコ