イングランド・プレミアリーグ学 -7ページ目

イングランド・プレミアリーグ学

イングランド・プレミアリーグを色んな角度から分析していく学術的ブログ☆

El niño(神の子)のニックネームでお馴染みのフェルナンド・トーレス。


スペイン代表でも、リヴァプールでも絶対エースとして活躍し、チームに欠かせない存在になっている。


そして、そんな彼が今パートナーを求めている。


彼がより多くの得点を挙げれるように、彼のサポートをしてくれる素晴らしい選手を。


今シーズンの開幕当初は神の子のパートナーはロビー・キーンだと誰もが思っていた。


FWとしてのタイプやこれまでの実績などを考えるとそれは疑う余地もなかった。


しかし、いざシーズンが開幕し、蓋を開けてみるとキーンは神の子のパートナーにはふさわしくなかったことが判明した。


ではその要因は何だったのだろうか。


個人的には要因は3つあるように思う。


1つ目は、トーレスが立て続けに怪我をし、キーンとのコンビを十分に調整できなかったことが挙げられる。


これは誰もが仕方ないと思う事かもしれないが、トーレスが怪我をしている間にキーンが活躍できず、チームに馴染めなかったことが大きく関係している。


2つ目は、トーレスとキーンのFWとしてのタイプが思っていた以上に合わなかったことだ。


長身で足元の技術に優れているトーレスとスペースを見つけ、積極的にDFの裏をつくことが得意なキーンは、一見タイプ的には合うように思われた。


まるでトットナム時代のベルバトフとキーンの2人のように、ベニテス監督でさえこの関係がスムーズにいくと考えたに違いない。


しかし、冷静に見ればベルバトフとトーレスの違いは一目瞭然だったはず。


ベルバトフは基本的に中央でパスを捌くことを好み、トーレスは自分でドリブル突破する事を好んでいる。


これでは例えどちらも一流の選手といえど、キーンの動き方に大きな違いがでてくるのは至極当然のことだろう。


ベルバトフと組んでいる時はパスを受ける事に専念できていたが、トーレスと組む時はパスの供給とスペース作りにより気を遣う必要が出てきた。


ベルバトフと組んでいた時の前線のスペースはキーン一人のものだったが、今はトーレスと半分ずつ。


サイドに流れてボールを受けたがるトーレスに自分の動きを合わせるのにとても苦労しているように見える。


そして3つ目は、神の子にパートナーは必要なかったのではないかということだ。


そもそもトーレスはスピードがあり、ドリブルもシュートも上手く、長身で体も強い、まさに万能タイプである。


更にリヴァプールの今シーズンのフォーメーションは中央にジェラードとシャビ・アロンソが居て、両サイドにはリエラとカイトが置かれている。


攻撃時に大きな存在感を示すジェラードと両サイドの攻撃的MFの存在を考えるとFWに2枚も必要ないように思えてくる。


現に先日行われた対エバートン戦のマージーサイド・ダービーでもキーンとトーレスが先発をしたが、この二人が絡んだシーンをほとんど見ることができなかった。


更にキーンがベナユンと交替した直後にジェラードが得点を奪ったことを考えると、ジェラードを1.5列目辺りで起用する方が相手チームにとっては脅威になるのではないだろうか。


まぁ、得点に関してはタイミングということもあり、一概にキーンを下げたことが功を奏したとは言えないが、あの試合でキーンは何の役割も果たしていなかったことは事実である。


仮にトーレスをワントップに置き、その下にジェラード、左にリエラ、右にカイト、中央をシャビ・アロンソとマスケラーノ、もしくはルーカスが組んだ方がよりダイナミックなフットボールを見れるような気がする。


その為にはケガ人を出さずに、ベニテス監督が常に選択肢を多く持っている状態を維持する必要があるが、せっかく獲得したのにという理由でキーン使い続けるのには疑問が残るところだ。


決してキーンがプレーヤーとして劣っているのではなく、もしトーレスを軸にチームを作っていくなら、神の子のパートナーには成り得ないということだ。


神の子のパートナーをあえて挙げるなら、大人なジェラードかカイトといったところだろう。






ウィン・ルーニーが三週間の戦線離脱。


それによってルーニー以外の二人が足並みをそろえる必要がでてきた。


体格に恵まれ、足元の技術に優れるベルバトフと重心の低いドリブルと負けん気の強さを武器とするテベス。


果たしてこの二人はチームの第二・第三エンジンに成りえるのだろうか。


ベルバトフが加入した当初は、彼のパートナーはルーニーなのかテベスなのかという話題で持ちきりだった。


結局頭の回転が速く、チームの状況をいち早く察知できるルーニーがそのポジションを取り、テベスはベンチへと追いやられてしまった。


まるで昨シーズンのハイエナのごとくボールをしつこく追い回し、チームに多大な貢献をしていたテベスを誰もが忘れてしまったかのようだった。


ルーニーとテベス、二人のプレースタイルにさほど大きな違いはない。


二人とも前線からのプレスをかけることに労を惜しまず、ボールによく絡みたがる。


しかし、彼らの決定的な違いはルーニーの方がチームに対して、もしくはパートナーに対して気が利き、テベスの方がドリブルで切れ込み、強引にシュートまで持っていくという狡猾さがあるということだ。


これはどちらもそれぞれの長所であり、どちらかが選手として劣っているということにはならない。


ただ足元でボールを受け、ボールを捌くことを得意とするベルバトフにとって絡みやすいのはルーニーだっただけである。


こうしてベルバトフがチームにフィットしだしてからは、ユナイテッドは昨シーズンとは別次元の強さを見せ始めた。


ロナウドの好不調が激しい中で、ベルバトフの妙技は、サポーターにTVの前で、スタジアムへ観に行く価値があると思わせるのに十分だった。


しかし、あまりにも上手くいきすぎたチームに今新たな問題が突きつけられた。


ルーニーの不在。


ベルバトフがこれ程までにチームにフィットできていた理由は、ルーニーの功績と言っても誰もが納得できるのではないだろうか。


彼のチームメイトの能力を引き出すセンスはプレミアの中でもずば抜けていると思う。


そのルーニーがいない今、ルーニー以外の二人の踏ん張り所かもしれない。


先日行われた対ボルトン戦でも、チームの士気の低さにも原因があるだろうが、二人のコンビネーションが上手くいったのは後半終了間際、二人で得点を奪った時ぐらいだった。


テベスがエリアの外でボールを受け、そのままドリブルで右サイドを突破し、中央で待っていたベルバトフへ折り返す。


それを頭でなんとかねじ込んで1-0でボルトンを下したわけだが、これをポジティブに捉えて良いのだろうか。


確かに二人で獲った点ではあるが、印象としては百発百中と言うよりも、下手な鉄砲数撃ちゃ当たると言った方が正しいかもしれない。


チームの士気の低さとボルトンのGKヤースケライネンの好セーブを考慮しても、1-0という結果はベルバトフとテベスのコンビに不安を抱いてしまう。


では、この不安を拭うにはどうしたら良いだろうか。


個人的にはパク・チ・ソンをこの二人に絡めると面白いと思う。


ボルトン戦では攻撃時に妙なスペースができたり、逆に二人共が前線へ張り付いたまま動かなかったりとスムーズにボールがまわらないシーンが何度かあった。


ゲーム中どこへでも顔を出すパクを絡めることによって、スペースを消したり、前線に動きがでるのではないかと思う。


口で言うほど簡単に解決できる問題ではないことは確かだが、次節のファーガソン監督の采配に注目したい所だ。


第一エンジンが不具合を起こしたなら、第二・第三エンジンをフル活用させて、チームの失速を避ける必要があるのではないだろうか。







目の輝きはギラギラとし、虎視眈々という表現が似合う男がホワイト・ハート・レーンに帰ってきた。


両翼をもがれ、地に這いつくばった状態にあるチームを再び大空へと飛び立たせるために。


デフォーのポーツマスでの評価は悪くない。


それこそレドナップが電撃的にトットナムに行くまでは、長身のクラウチと共に頼もしい活躍を見せていた。


しかし、トニー・アダムスが監督に就任してからは、チームの成績も振るわず、得点が取れない原因をFWのせいにされることさえあった。


そういった状況に嫌気がさしたのか、信頼してくれる恩師を追っかけてなのかはわからないが、彼は青いユニフォームを脱ぎ、再び白のユニフォームに袖を通した。


ポーツマスとしては頼もしい男を失ったが、トットナムとしてはどうだろうか。


客観的に見る限り、これは英断だったように思う。


というのもトットナムのFW陣は明らかに層が薄い。


EUROで活躍したパブリチェンコは最近わりとましなプレーをしだしたが、まだまだ彼の特徴が発揮された試合は少なく、イングランドの水に馴染めていない。


ダレン・ベントは今シーズンこそはと期待されながらも全くもってぱっとしない。


ドス・サントスとフレイザー・キャンベルは将来的には大きな期待を抱けそうだが、即戦力として数えるにはあまりにも心許ない。


今思えばこんなチーム状態でファン・デ・ラモス前監督はよくシーズンを戦おうとしたものだ。


以上の条件から考察するに知将レドナップが愛弟子デフォーを呼び寄せたのは至極当然だったのかもしれない。


そんなデフォーも先日行われた古巣ポーツマスとの対戦で非常に良い動きを見せ、得点も挙げた。


残念ながらスコアは1-1のドローに終わったが、中盤のモドリッチとも非常に良い関係を築けている印象をうけた。


唯一残念だったのはパブリチェンコが早々に怪我をしてしまい、デフォーとのコンビネーションを確認する時間が無かったことだ。


しかし、デフォーとパブリチェンコは大きな期待も込めて、とても上手くいくだろうとコメントしておきたい。


デフォーの帰還をきっかけにトットナムが天高く舞い上がる日を楽しみにしたいと思う。