“El niño”(神の子)のニックネームでお馴染みのフェルナンド・トーレス。
スペイン代表でも、リヴァプールでも絶対エースとして活躍し、チームに欠かせない存在になっている。
そして、そんな彼が今パートナーを求めている。
彼がより多くの得点を挙げれるように、彼のサポートをしてくれる素晴らしい選手を。
今シーズンの開幕当初は神の子のパートナーはロビー・キーンだと誰もが思っていた。
FWとしてのタイプやこれまでの実績などを考えるとそれは疑う余地もなかった。
しかし、いざシーズンが開幕し、蓋を開けてみるとキーンは神の子のパートナーにはふさわしくなかったことが判明した。
ではその要因は何だったのだろうか。
個人的には要因は3つあるように思う。
1つ目は、トーレスが立て続けに怪我をし、キーンとのコンビを十分に調整できなかったことが挙げられる。
これは誰もが仕方ないと思う事かもしれないが、トーレスが怪我をしている間にキーンが活躍できず、チームに馴染めなかったことが大きく関係している。
2つ目は、トーレスとキーンのFWとしてのタイプが思っていた以上に合わなかったことだ。
長身で足元の技術に優れているトーレスとスペースを見つけ、積極的にDFの裏をつくことが得意なキーンは、一見タイプ的には合うように思われた。
まるでトットナム時代のベルバトフとキーンの2人のように、ベニテス監督でさえこの関係がスムーズにいくと考えたに違いない。
しかし、冷静に見ればベルバトフとトーレスの違いは一目瞭然だったはず。
ベルバトフは基本的に中央でパスを捌くことを好み、トーレスは自分でドリブル突破する事を好んでいる。
これでは例えどちらも一流の選手といえど、キーンの動き方に大きな違いがでてくるのは至極当然のことだろう。
ベルバトフと組んでいる時はパスを受ける事に専念できていたが、トーレスと組む時はパスの供給とスペース作りにより気を遣う必要が出てきた。
ベルバトフと組んでいた時の前線のスペースはキーン一人のものだったが、今はトーレスと半分ずつ。
サイドに流れてボールを受けたがるトーレスに自分の動きを合わせるのにとても苦労しているように見える。
そして3つ目は、神の子にパートナーは必要なかったのではないかということだ。
そもそもトーレスはスピードがあり、ドリブルもシュートも上手く、長身で体も強い、まさに万能タイプである。
更にリヴァプールの今シーズンのフォーメーションは中央にジェラードとシャビ・アロンソが居て、両サイドにはリエラとカイトが置かれている。
攻撃時に大きな存在感を示すジェラードと両サイドの攻撃的MFの存在を考えるとFWに2枚も必要ないように思えてくる。
現に先日行われた対エバートン戦のマージーサイド・ダービーでもキーンとトーレスが先発をしたが、この二人が絡んだシーンをほとんど見ることができなかった。
更にキーンがベナユンと交替した直後にジェラードが得点を奪ったことを考えると、ジェラードを1.5列目辺りで起用する方が相手チームにとっては脅威になるのではないだろうか。
まぁ、得点に関してはタイミングということもあり、一概にキーンを下げたことが功を奏したとは言えないが、あの試合でキーンは何の役割も果たしていなかったことは事実である。
仮にトーレスをワントップに置き、その下にジェラード、左にリエラ、右にカイト、中央をシャビ・アロンソとマスケラーノ、もしくはルーカスが組んだ方がよりダイナミックなフットボールを見れるような気がする。
その為にはケガ人を出さずに、ベニテス監督が常に選択肢を多く持っている状態を維持する必要があるが、せっかく獲得したのにという理由でキーン使い続けるのには疑問が残るところだ。
決してキーンがプレーヤーとして劣っているのではなく、もしトーレスを軸にチームを作っていくなら、神の子のパートナーには成り得ないということだ。
神の子のパートナーをあえて挙げるなら、大人なジェラードかカイトといったところだろう。