数日前に撮った写真なので、

「Coming Soon」になってますが。



IMAXを初めて体験。



描く時代は頻繁に交錯する。



ネットで見たポスター。

アメリカ版なのかキノコ雲が大胆に背景にある。


これは日本では使えないだろう。



行きつ戻りつしながら。

しかし基本的には学生時代から描かれる。

「実験の苦手な理論派」として。


黒板に数式を解いてゆく場面がある。

映画の誰の言葉だったか。

「数式は音楽のように美しい」

そう。

数式の流れは音楽のように旋律を奏でる。


あの(❗️)ニールス・ボーアに勧められてドイツに渡る。

理論物理学で業績を上げてアメリカに帰国。

大学で教鞭を取る。

ブラックホールに迫る研究を続けていた。

そのままなら或いは世界的な物理学者となれたかもしれない。


だが第二次世界大戦が始まる。

この時代、世界最高の物理学者を揃えていたのはドイツだった。

ナチスが核兵器を開発することを恐れた。

マンハッタン計画のリーダーとしてオッペンハイマーは招かれる。

彼は精力的に活動する。


【余談】

ドイツは事実として原爆開発に力を注いでいた。

だが資金は潤沢ではなかった。

またアインシュタインなど優秀なユダヤ人の学者が去ったことも大きい。

V2ロケットの方にナチスは資金を回した。


(このロケット技術はのちにアポロ計画に繋がる)


日本でも原爆開発研究は進められた。

しかし資金も技術も資源も全く不足だった。


アメリカは莫大な資金と優秀な人材を投入した。

ロスアラモスに学者家族の街ができた。


開発が現実味を帯びるにつれ、

異論が出始める。

ドイツは降伏し、日本も瀕死の状態。

一般市民を街ごと消滅させる必要はあるか?


(映画には描かれないが学者たちは連名で原爆使用を避けるべきだと意見書を政治トップに出している)


彼らに映画のオッペンハイマーは言う。

「君らはこの兵器の恐ろしさを理論でわかる。

だが一般は投下されて初めて理解するのだ」


トリニティ実験が広大な砂漠で行われる。

カウントダウンが緊迫感を持って描かれる。


閃光。

世界がカメラのフラッシュを浴びたように白く。

そして轟音と振動。


(この場面は映画のクライマックスだろう)


トルーマンは会談でスターリンに新兵器開発に成功したと誇示。

スターリン。

「そうですか。

どうぞ日本に投下してください」


(スターリンは既に知っていたとも言われる)


広島への原爆投下に成功。



喝采を浴びるオッペンハイマー。

一躍時の人になりTIMEの表紙を飾る。


研究者たちが広島の映像を観る。

(映画で画面は映らない)

オッペンハイマーは映像を観ようとしない。


大統領との会談。

「私の手は血塗られています」

大統領は、

「投下を決めたのは私だ。

君のような学者なんぞではない」


(この辺りの会話は既に知られている)


だが時代は移り変わってゆく。

冷戦が始まり、赤狩りが始まる。

オッペンハイマーも追い詰められてゆく…





アインシュタインの業績が核開発を可能にした。


アインシュタインの他にもこの映画にはキラ星のようなスター物理学者が数多く出演する。


例えばエンリコ・フェルミ。

そしてリチャード・P・ファインマン。

(「ご冗談でしょう、ファインマンさん」のひと)

他もたくさん。


そこは楽しみのひとつ。


まとめると。

時の権力に翻弄される天才科学者を描くわけだが、それは過去のことではないと告げている。


映画の中で、重要な場面で画面がフラッシュを焚いたように白くなる。

それは核兵器の犠牲になるのは自分たちかもしれないという暗喩ではないのか⁉️


いま現在を生きる私たちも、

次の瞬間に蒸発しているかもしれない。


いつでも核兵器のボタンは押され得る。

何度でも人類や生物全てを滅ぼす能力を原水爆は持っている。

(ゴキブリは生き延びるかもしれないけど)


核ミサイルはいつでも私たちの頭上に吊るされている剣なのだから。



映画では広島や長崎の映像は一瞬も映されない。

それはアメリカの映画の限界だろう。

オバマ大統領でさえ広島来訪時に踏み込んだ発言はできなかった。



でもね。

「人道に対する罪」を犯したとして多くの人が処刑された。


ならば。

広島、長崎の原爆投下は最高の「人道に対する罪」なのではないのかなあ?