こんにちは、
中村です、
農機具屋としての話しです。
新車で購入してから1回しか使っていない
田植機と、5年目のコンバイン。
田んぼ5枚の農家さんなので田植機は
デモ機よりも使っていません。
コンバインも稼働時間は極わずか。
5日前、そんな機械の買取り依頼がありました。
2台とも保管状態もよく新車のように
ぴかぴか。
新車時の購入金額は2台で230万円ほど。
最近はこのような機械をお持ちの農家さんから
買取り依頼がよくあります。
理由は、
・高齢で体を壊したり、
・持ち主がお亡くなりになったり、
で、
・跡取りがいなかったり、
・お勤めされていて農業をやらなかったり
様々です。
このような機械に値段をおつけするときには
とても慎重になります。
なぜなら農機具は車と違って
年に数回しか使いません。
なのでオーナーさんの立場からすると、
『ほとんど使っていない機械』になります。
人によっては20年経っていても、
「ほとんど使っていないから新車だよ」と
おっしゃるケースも多々あります。
なので、減価償却も終わっていない
今回のような本当の新品同様の機械の場合は
特に慎重に話を進めています。
「どうすればお客さんにとって
一番良い形になるかな?」
と考えて、今回は3パターンの提案書を
ご用意しました。
内容は公開できませんが3つの提案
それぞれにメリットとデメリットも
書かせていただき、
その中からお客さんにとって
いちばん望む形を選んでいただきました。
当然ですが、私共も費用をいただかなくては
いけませんのでその旨もきちんとお伝えしました。
そして、2台とも弊社で責任を持って
買取りすることになりました。
私どものお店で丁寧に販売させていただき、
新しい嫁ぎ先を見つけて、
再び活躍させることをお約束しました。
最近になって気づいたことがあります。
それは、『農機具は生きものだ』
ということです。
特に新しい機械を丁寧にあつかわれている
農家さんほどその傾向は強く、
手放すときには価格よりも、その機械が
今後どうなるかを心配されます。
農機具に対して孫や子供のような愛情を
もたれています。
電話を受けて機種と状態を聞いて
「それは○○円です」と答えるだけでは、
今回のお客さんの場合ご縁が切れていたと
思います。
お電話をいただいたときのヒアリングで、
「この方の場合は訪問してきちんと対応
したほうがいいな」と感じたので、
その日の夕方に訪問しました。
そして、きちんと提案書を作り
本日改めて訪問して商談が成立しました。
お客様からは
「あんた達も商売だから、きちんと儲けて
もらわないと困るからね。
俺は無理を言うつもりはないよ。
高くかってくれと言うつもりもないの。
機械は置いても駄目になるだけだから、
誰かに使ってもらわないとさ。
それに、今から田んぼの時期に入るし
早くあんたも売らないと困るだろ。
だから、俺はあんたの一番良い提案で
いいからお願いするよ。
俺は体が駄目だから使えないんだしさ」
ここに自分の居場所がある、と
強く感じるありがたいお言葉でした。
中村真也