(前回の続き)

前回指摘したとうりに事態は進展している。危機対処の処方箋は日本やスウエーデンの事例があるわけなので、市場がそれを要求すればそのように対処せざるを得ない。


ここまでは前回触れた。これからのウオッチポイントは次のとうりである。

①米国の銀行への公的資金(25兆円)投入が厳格な査定なしに行われた結果、それで足りるのか足りないのかが判断できないこと。


②不良債権の買取のスキームが確定されていないこと。不良債権を金融機関本体からできるだけ早く切り離すことが買取の目的である。しかしその買取価格が決まらず、また金融機関にとってもその切り離しで損金が表に出ることになるため消極的である。


この損金が確定しなければ資本注入の額が決まらないはずである。今回は順序が逆になったため、損金確定後に再度の資本注入が必要になる可能性が高い。25兆円で足りるとみなす専門家は少ない。大幅な資金注入が必要になり、70兆の公的資金を大幅に積みます必要が出ればマーケットは反応せざるを得ない。


③実体経済への影響はある程度株価に織り込み済みである。問題はそのある程度を超える場合である。何をウオッチしておけばよいのか。


第1に中国の経済成長率が10パーセントを割ってくるかどうか、また「世界の工場」の地位を失うかどうか。

第2に米国の不動産の下落がどこで止まるかである。まだ20パーセント程度は下がる必要があるといわれる。

第3にオバマ候補がアメリカ再生シナリオをどう描くかである。環境シフトと外国への軍事介入から徐々に手を引く方向が出されれば、プラスのサプライズである。(前回指摘済み)


④日本は11月下旬に選挙が行われ、おそらく民主党政権が誕生する。マーケットは改革の復活を期待してプラスに評価する。


⑤日本の株価は大きく見れば9000円から11000円、メインは9500円から10500円のレンジを動くと考えられる。根拠は金融危機安値7600円を割らないということと、実体経済の(米国発世界不況からの)回復には時間がかかるため、上にもいけないということである。(ただし投資は自己責任でお願いいたします)





金融危機の現状の確認と今後の見通しを考えてみます。


サブプライムなどの証券化リスクを判定する能力のあるものがいない中で発行された証券のリスクが顕在化した。

保証会社までも、そのリスク評価能力のなかったことが示された


ヨーロッパの処理も容易ではない。ただしEUは(恐れの裏返しであろうが)金融機関への資本注入や預金保護などの対処が迅速で、徹底している。。現在の対処はばらばらであるが、近日中にまとまった対処になるはずである。


米国の不良債権買取がスムースに行くかどうかはひとつのポイントであるが、いずれは銀行への公的資金注入が必要になる。


ここまではどこの新聞にも出ていることである。問題はウオッチすべきポイントは何かである。先を読む上ではその点が最も重要となる。


危機への対処の処方箋はできている。またその実施もよほど無能でない限り可能であろう。問題は処方箋どうりの対処がなされた結果起こることである。


米国が不良債権買取に75兆円を使い、さらに銀行への資本注入をすれば総計100から150兆円(あるいはそれ以上)の国債を発行することになる。


短期ではドルが不足しているためドルは安定しているが、国債の大量発行ということになれば、これまでのように日本や中国、中東諸国が買い手になるかということである。


近い将来、ドルが基軸通貨の地位を失うと判断すれば、手持ちの米国債の目減りを覚悟しても、これ以上米国の国債を買い増すことはできない。構造的変化は目先の利害に優先する。またそのように判断する可能性はかなり高いと考えられる。この事態への対処と同時進行するのが大統領選挙である。


ブッシュは何もできないわけですから、オバマがどんなメッセージを携えて大統領に就任するかということである。どんな希望を国民に示すのかが重要である。


端的にいえば環境立国構想とゆるやかなモンロー主義(孤立主義)の復活しかない。具体的には徹底した環境シフトとイラクから手を引き、世界の警察官としての役割からも徐々に手を引く。場合によっては軍事費の削減にも手をつけるかもしれない。冷戦解消による遅れてきた平和の配当の享受である。


世界への政治的、軍事的影響力行使に限界が(誰の目にも)見えてしまった以上、見栄を張る利益はない。米国が経済の強化にシフトする(環境シフト)べき時期だということは誰の目にも明らかである。今年の11月からの選挙でこの方向がはっきりしてくるだろう。


ここで国債の大量発行によるドル暴落ベクトルとオバマの未来への環境(プラス 緩やかなモンロー主義)メッセージへの期待ベクトルとが引き合うこととなる。


続く





「MAKE the RULE」とは、これまでの個人や団体のストップ温暖化に向けた積み上げ方式の取り組みを一歩進めて、社会の制度的枠組み作ろうという取り組みである.


すなわち法制化するということであリ、国政への法制化要求運動ということになる。具体的には次の5点である。


①2020年までに1990年比で温室効果ガスを30パーセント削減

②2050年までに1990年比で温室効果ガスを80パーセント削減

③2020年には20パーセントを再生可能エネルギーにすること

④排出量取引や炭素税を導入する

⑤自然エネルギーの拡大のため、再生可能エネルギーの固定価格買取制度などの導入


この運動はストップ温暖化に取り組んできた個人や団体の最終ターゲットであり、この時期に出す必然性があって出てきたものである。


運動に取り組んできたものにとってまなじりを決した戦いである。準は周到になされたが、相手は強大である。審判は国民が下す。


まずは土俵に上がる必要がある。マスコミ対策、政党議員対策、選挙対策、そしてて何よりもストップ温暖化のエネルギーをこの1点に集約することが求められている。


総力を挙げた戦いの幕があがった。