金融危機の現状の確認と今後の見通しを考えてみます。


サブプライムなどの証券化リスクを判定する能力のあるものがいない中で発行された証券のリスクが顕在化した。

保証会社までも、そのリスク評価能力のなかったことが示された


ヨーロッパの処理も容易ではない。ただしEUは(恐れの裏返しであろうが)金融機関への資本注入や預金保護などの対処が迅速で、徹底している。。現在の対処はばらばらであるが、近日中にまとまった対処になるはずである。


米国の不良債権買取がスムースに行くかどうかはひとつのポイントであるが、いずれは銀行への公的資金注入が必要になる。


ここまではどこの新聞にも出ていることである。問題はウオッチすべきポイントは何かである。先を読む上ではその点が最も重要となる。


危機への対処の処方箋はできている。またその実施もよほど無能でない限り可能であろう。問題は処方箋どうりの対処がなされた結果起こることである。


米国が不良債権買取に75兆円を使い、さらに銀行への資本注入をすれば総計100から150兆円(あるいはそれ以上)の国債を発行することになる。


短期ではドルが不足しているためドルは安定しているが、国債の大量発行ということになれば、これまでのように日本や中国、中東諸国が買い手になるかということである。


近い将来、ドルが基軸通貨の地位を失うと判断すれば、手持ちの米国債の目減りを覚悟しても、これ以上米国の国債を買い増すことはできない。構造的変化は目先の利害に優先する。またそのように判断する可能性はかなり高いと考えられる。この事態への対処と同時進行するのが大統領選挙である。


ブッシュは何もできないわけですから、オバマがどんなメッセージを携えて大統領に就任するかということである。どんな希望を国民に示すのかが重要である。


端的にいえば環境立国構想とゆるやかなモンロー主義(孤立主義)の復活しかない。具体的には徹底した環境シフトとイラクから手を引き、世界の警察官としての役割からも徐々に手を引く。場合によっては軍事費の削減にも手をつけるかもしれない。冷戦解消による遅れてきた平和の配当の享受である。


世界への政治的、軍事的影響力行使に限界が(誰の目にも)見えてしまった以上、見栄を張る利益はない。米国が経済の強化にシフトする(環境シフト)べき時期だということは誰の目にも明らかである。今年の11月からの選挙でこの方向がはっきりしてくるだろう。


ここで国債の大量発行によるドル暴落ベクトルとオバマの未来への環境(プラス 緩やかなモンロー主義)メッセージへの期待ベクトルとが引き合うこととなる。


続く