アイスランド、ハンガリー、ウクライナなど数カ国の国家的破綻の危険が生まれ、IMFから資金が入れられる状況である


金融危機は峠を越えたとはいえない状況である。金融危機が峠を越えるということは次の二つのうち少なくとも一つが満たされたときである。


①危機状態の企業に本格的に買い手がつくこと。これは1部では実現しているが基調とはなっていない。(三菱UFJ、ソロス、野村他)

②損害額がある程度はっきりしてその対応策が可能な額であること。

総額は200兆かそれ以上であろうがどこの企業や団体がどれだけの額を負っているのかがまだ見えない。


だがこれらの条件は2,3日以内にも満たされる可能性もあるため株価は乱高下する。


バブル崩壊が中国に飛び火する可能性も高まった。不動産価格は下げ続けている。最大の玩具メーカーも倒産した。

内陸の安い労働力供給が終わり、賃金が二桁上昇し人件費を押し上げている。ずさんな商品管理が露呈しここにもコストをかける必要がある。さらに大きなコスト要因は環境対策コストである。


世界中の人が平等に排出量を割り振るとすれば、2050年までには2トン以下にする必要がある。(2050年までに50パーセントの温暖化ガス削減を実施する場合)


現在既に中国は一人当たり3トン近いCO2を排出しており、成長の権利はあるとはいえ、30パーセントの削減(国際的条約とはなっていないが)との両立が必要になってくる。


もちろん中国は環境対応や、景気刺激のための資金を持っており、景気対策もうたれつつある。しかしうまくいくかどうかは現在は分からない。


現時点では判断できないが、中国の成長率が8パーセントをきってくればマイナスのサプライズとなり、市場も反応せざるを得ない。


ウオッチすべきは

①中国の景気

②オバマの環境立国、戦費削減政策が出るか

③上で述べた指標によって金融危機が峠を越えるか

である。


現在の株価についての評価は、日本の株価がアメリカ以上に売られており(株価が企業の解散価値以下になる)、しかも円高という状況を見れば結論は明らかであろう。

大きな枠組みで、必ず起こることでまだ市場に織り込まれていない内容を2点。


①アメリカとEUは金融危機の影響を本格的に受けており、その影響で実態経済も急激に悪化してきた。

したがって金融政策と景気対策の二つが必要である。


一方日本は大きく見れば、金融面での影響は小さい。しかし世界的経済不況の影響で景気対策は必要である。

すなわち日本は基本的には景気対策だけでよいわけである


したがって、株価の面でも現在のようなアメリカの写真相場から自立相場に転換するときが近い将来来るということである。


アメリカはこの金融危機が治まってもても元のアメリカには戻らない


アメリカの国民が自分たちの生み出す冨以上の生活を続けてこられたのは、ドルが基軸通貨であったからである。


さらにドルが基軸通貨でありえたのは、圧倒的な経済力と軍事力を有していた結果である。


経済はいまや風前の灯であり、軍事的にもイラク、アフガニスタンさえ管理できない。


基軸通貨の前提自体が崩れてきているのである。


アメリカ没落の終わりの始まり。


(追伸)

予告どうり中国の成長が一桁となり、成長悪化が不安要因として浮上してきた。

中国は量の拡大から質の重視へと舵を切り始めた。

コスト高である。中国が『世界の工場』としての地位を維持できるか微妙になってきた。



金融危機の行方を考える上で重要であるにもかかわらず、一般に着目されていない点に触れてみます。


①自動車産業の不況について。

GM、フォードは80パーセント前後の下落で存続の可否を問われるまで株価は下落した。

トヨタも利益は40パーセントほど減る見通しであリ、米国での売れ行きは30パーセントほど減ってきている。これはGMやフォード、クライスラー、本田などと同じ水準である。

米国での総販売台数は1600万台から1400万台へ減る見通しである。


問題はなぜ日本企業までもでの売れ行き不振に陥っているかである。金融危機が需要を冷やしているという指摘が一般的であるが、この自動車不況は構造的問題と考えるべきである。


すなわち目先は不況の影響はもちろんあるが、その背後には車離れトレンド(既に以前に指摘済みである)があると考えるべきである。これは先進国での車需要の低下(特に若者の車離れ)を見れば明らかである。


原油高による車離れもきっかけに過ぎない。この不況が収まったとしても、車産業がかってのような成長力を持った復権をすることはないということである。


新興国での一定の成長は見込めるにしても、総需要の停滞がメインシナリオであり、「ゼロサム(需要の総額が成長せず、大体一定であるということ)」の中での環境対応競争という厳しい業界となる。

少なくとも自動車産業はかってのような成長業種ではなくなるだろう。


②「インフレ懸念は去ったか?」

原油が下がることは以前指摘してきた。投機資金の引きあげで原油安、その他の資源安、穀物安が進み、インフレの危機はおさまりつつあるように見える。


原油については、OPECは本格的生産調整を実施することはできない。

少なくとも、2009年末までに決まる、ポスト京都議定書の内容が確定するまでは価格を大きくあげることはできない。

原油高騰が続けば、国際的枠組みとして代替エネルギーシフトが本格化する可能性が高くなるからである。


しかし穀物価格は再度高騰する可能性がある。適正在庫水準を大きく割る状態は続いているからである。


さらに今回の金融危機の背後には有り余るマネーの存在があった。今回の各国政府によるお金のばら撒きと、金利低下政策はさらにマネーを市場に大量供給することになる。

このお金はいずれ何かに投資されなければならず、将来のインフレ要因にならざるを得ない。

すなはち、現在は危機対応としてインフレの種をせっせとまいているわけである。