師匠に「ある弟子を殺して欲しい」といわれた俺は、詳細を聞くために藤林のじいさんのところへいった。藤林の屋敷の付近で陽炎と出会い、彼女は新たな任務のために俺を探そうとしていたところらしい。


 「ほぅ、もう任務の事は聞いたか?大物からの以来じゃぞ。」俺は自然と「大物?」と返すと藤林は「知らんで剣術指南を受けていたのか?あの方は剣術の世界が重鎮、剣聖こと伊藤一刀斎じゃ。」俺は愕然とした。俺ですら知っている剣の達人。「な、なに?い、イトウイットーサイ!?じゃ、じゃあ、あ、あれ?殺すってのは佐久間善鬼か小野次郎ってことっすか?」藤林は静か答えた。「どちらもじゃ、正確に言うと、小野次郎を殺して彼になりすましている佐久間善鬼をころすことじゃ。」


 任務の詳細はこうだ。人斬りと化した佐久間善鬼を、同門の一刀斎と次郎が殺害を謀るも返り討ちにあい、一刀斎は重症で次郎は死亡しその名を善鬼が名乗り、徳川の剣術至難の立場を良いことに好き勝手している彼を殺して欲しいとのことである。面子は、前回と同じメンバーであった。


 久しぶりに揃った四人。犬千代が再び対戦を望んだ。「なぁ、樹、手合わせしようぜ?」という犬千代に対して俺は「わかった。」と静かな闘志を込めながら返すのであった。


 風雅との戦いで完敗した俺は、山奥をあてもなく歩いているところに、老人を見つけた。「うかない顔をしてるのぉ?」と老人が俺に話しかける。完全に気配を消していたにもかかわらず・・・だ。「何者ですか?貴方は。」老人はこちらへ歩み寄り優しく微笑みながら答える。「わしはしがない一剣士じゃ。大切なものを失った男じゃよ・・・。」老人は優しくも寂しい目をしていた。


 なぜかその老人には一切の隠し事が出来なかった。現代から来たことも、風雅に負けたこともあらゆることを老人に話した。すると老人は「強くなりたいか?」というと俺は力強く「はい。」と答える。「じゃ、刀の使い方を教えてやろうかの。」


 2週間ぐらいであろうか、俺の剣の腕はかなりの域にまで至っていた。『刃心』の力の関係もあるだろうが、この老人の腕がすさまじかったことが大きな要因であろう。ほぼ剣を極めた俺に老人は『瓶割刀』という刀をもらい、一通りの剣術指南を終えた。そして老人は俺に「では、指南料として、一つ任務をこなしてくれんかの?一人殺して欲しいのじゃ、わしの弟子を・・・・。」老人の目には悲しみだけが映っていた。

 いきなり襲い掛かってきた少年の一撃を受けた俺は後ろへ吹っ飛ぶ。体勢を立て直した俺は水球を少年へと発射する「何者だ、テメェ?」少年は水球を軽くよけ、こう答える「伊賀忍者衆 御手洗 風雅。犬千代を倒したって聞いたんだが、その程度か?」俺はこのこの風雅から、並々ならぬ闘気を感じ取っていた。


 俺は霧を発生させ、回りの木に潜伏する。「くだらない・・・。それでも五行術の使い手なのか?」とこたえると、彼を中心にして小さな『竜巻』のようなものを起こし、霧を一瞬にして晴らす。その隙を見計らって俺は風雅の上をとり、巨大な水球を彼に打ち付ける。俺が着地したときには風雅に後ろを取られ、首筋に小刀を突き付けられていた。


 それから風雅は「くだらない。」と言い残し、去っていった。『風』の速さに完全敗北だった。敗北したことでの虚無感を感じ、当てもなく山の奥のほうまで歩いていった。かなり奥まで歩いたところに、一人の老人がいた。白髪で見た目は武士のようであった。この出会いが、いわゆる『師』と仰げるほどの存在との出会いであった。