あなたのとなりにいる 中年男子の本棚 -33ページ目

その6  学生時代からは年収10倍アップしました

無理なく続けられる 年収10倍アップ時間投資法 勝間和代

ディスカヴァー・トゥエンティワン 1575円

「サイボーグ勝間」
誰が言ったか知りませんが、この本を読めば、言い得て妙と感じると思います。

本業は経済評論家(兼公認会計士)。最年少の19歳で会計士補の資格を得て、21歳で長女を出産。慶応義塾大学在学中から監査法人に勤めたのち、マッキンゼーやJPモルガンを経て07年に経済評論家として独立。内閣府のワーク・ライフ・バランスに関する専門調査会の委員にも就任している。現在は三女の母。

私はこの人の本を少なくとも4冊、この一年間で買いました。
昨年の4月、前作「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」は、実は図書館で借りました。「年収10倍アップ」というあまりにダイレクトなタイトルで引いてしまい、購入をためらっていたんです。当時は今のように知られていなかったので、図書館に蔵書がなく、私が読書希望を出して新品をすぐに読むことが出来ました。


ホントにありがちな表現で申し訳ないですが、数ページで引き込まれ一気に読んでしまいました。今までにないタイプの啓発本だと思いました。非常にわかりやすく具体的で自分にも実践できそうかも・・ということで。


そのまま返却するのはもったいない(でも、読んでしまった本を買うのももったいない)と思い、ノートに自分が気になったところをその場で書き写したくらいです。この本、あまりメジャーになって欲しくないなーと思っていたら、やっぱりメジャーになってしまいました。

で、今回紹介する「年収10倍アップ勉強法」の続編、「年収10倍アップ時間投資法」ですが、前作ほどのインパクトはなくなりました。というか慣れてしまったんだと思います。どちらか購入するんだったら、新しい方の「時間投資法」でよいのではないかと思います。前作を持っていないので読み返すことはできませんが、自作メモを見る限り、なんとなく内容がかぶっているところが結構あると思うのです。

なんでこの人の本がこんなに売れているのか?一読すれば分かります。とにかく具体的でわかりやすい。お勧めの本やツールもいっぱい紹介してあります。私も「これを読めば・・ウッシッシ。同僚と差をつけられるかも」なんて思っちゃいました。だから、ついつい4冊も著者の本を買っているのです。

勝間さんは本当にストイックな生活をしていると思います。タバコはもちろんお酒もコーヒーもやめたそうです。究極的な理由は時間がもったいないからなのでしょう。お酒もコーヒーも眠りが浅くなるからです。タバコは言わずもがなです。

私はタバコの値上げをきっかけに、5年ほど前に相当苦労してやめましたが、お酒もコーヒーもやめることができませんね。なかなか付き合いを断ちきれませんし、まず私が飲むのが大好きだからです。せいぜい二日酔いにならないよう注意するくらいですが、それすらできません。

みんながみんな、勝間さんのようになれるわけではありませんが、これを読めば少しでも近づけるのではないか・・・と夢を与えてくれる、そんな本でした。


ここからは、私が選ぶ「この本のツボ!」です。

時間管理のポイントはやることを減らすこと。自分が得意でやりたいと思うことに集中して時間を使うべき。やることを減らすにはゴールに必要なものと必要でないものを見極めると取捨選択ができる。

新しいスキルを身につけるときにまず必要なのは「なりたい姿=目標」を決めること。目標を決めると「目標」と「現状の自分」のギャップが見えてきます。人間の動機付けはそのギャップから生まれます。

人間は誰でも怠惰のものです。ですから手間がかからない方法でないと決して続きません。感覚的には準備に数分以上かかるもの、準備に二手間以上かかるものは続かないのではないかと思います。

習慣化できるかできないかは「好循環が生まれるまで、その習慣が続けられるかどうか」で決まります。つまり効果が出るまで我慢できるかどうかなのです。

あることが続かなかったりできなかったりしたら「なぜできないのだろう」と原因を考えることが大事です。考えてみてできない理由がどうしても自分で克服できないことだったら、それはもうやらなくていいのです。

参考になるなと思ったやり方は、そのまますぐに真似をしないで、「これぐらいだったらできるかな」というくらいにアレンジして取り入れます。

必要以上に「いい人」でいることはコストになる。自分が使う時間に対して明確な報酬が得られないと判断した時は断る勇気をもとう。

人間はみんなずるく利己的である。立場が強い人ほど駆け引きにおいて、より優位なポジションをつかむことができる。(だから出世が重要である)

「いろいろなことを断ることではじめて好循環が生まれる」ということは忘れないでください。受身的に来るものをこなしていると、ずるずると望まない方向に自分の時間や立ち位置が引きずられてしまうことになりかねません。

長時間労働をやめるには長時間労働をしなくても利益を出せる職場を選ぶことです。そして職場の次に重要なのは、上司の選び方です。この二つがうまくいって長時間労働を防ぐことができます。究極的には出世して労働時間の裁量を持つ立場になるか、独立して事業を行う気概が必要だと思います。

悩んでいる時間の問題は、何もアウトプットができないということです。十分な情報収集をして、これ以上悩んでも判断がつかないと思ったなら、行動を起こしてしまったほうが、時間投資の観点では効率的です。

先に自分で自分のスケジュールをある程度決めてしまうことが効率的です。重要なのはそのスケジュールに合わないような突発的な仕事を断る技術を身につけることです。手帳には先に計画を書き込んで、アポはあいている時間にあとから入れるのです。


最後にこの本の中年男子夢見度は★×4.5でした。


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私が図書館で借りたのはこっちです↓


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その5  最近、加速力とは無縁の日々をすごしています

「加速力」で成功をつかめ!  齋藤 孝  草思社 1365円

著者は明治大学文学部の教授。教育学が専門とのことですが、ホームページで確認すると幅広い分野で、いっぱい本を書いています。私の本棚の中にも、まだ読んでいない「読書入門」という著者の本がありました。「声に出して読みたい日本語」はタイトルを知っている人も多いと思います。

その中でも、異色のタイトルの「加速力で~」。3か月前に読んで、ほぼ内容を忘れていましたが、読み返してみると、なかなか良いことが書いてあるような気がします。

著者曰く、「成功の感覚には共通する原理がある。それが「加速度感覚」だ。・・・およそ成功の条件として挙げられるのは、「努力」ないしは「運」だろう。・・・しかし、努力と運の二つだけで成功を語っているのでは思考が止まってしまう。・・・運と努力の間を結びつけるものは存在しないのか。そのポイントとなるのが、加速度感覚であると私は気がついたのである。」

また、加速力の例えとして、著者は受験勉強を挙げている。「成功している人というのは、・・・努力の速度にメリハリをつけている。・・・人生を区切り、ステージを変える際には加速力が必要である。」

つまり、加速のタイミングが合わない人が受験に失敗している。この例えは中年世代にとって、誰もが受験勉強を経験しているので分かりやすい例えですね。

しかし著者がこの本で説きたいのは、「社会的な地位向上や成功のノウハウではなく、そこに至るまでの過程として、加速して仕事をすること自体が快感である・・・そういう時間を持つことが(人生のゴールデンタイム)」と述べています。「成功をつかめ!」というタイトルと矛盾しますが、そこはまぁヨシとしましょう。

そして、「本書の目的は加速力の原体験をしていない人に向けて、加速力を身につけるにはどうすればよいかを述べている」とも。つまり加速力を身につけるためのノウハウ本なのです。

再度通読した感想。読む人によっては加速力というキーワードが大きな価値を感じる本かもしれません。


ここからは、私がえらんだこの本の「ここ大事!」ってところです。

元気に回転しているような感覚を人に与えることができれば、人はついてくるし、引き上げてくれる。「こいつはまだまだ伸びるな」という感触を相手に与えることが重要なのだ。

どんな仕事でも大切なのは慣れである。任されれば伸びるし、任されなければいつまでも出来ない。だから、人に引き上げてもらうことがポイントになる。


日本という国はどちらかといえば実力よりポジションを重視する社会である。だから、同じステージにずっととどまると、仕事の展開もないし、自分自身の気持ちも刷新されない。

加速すべき時には加速して、次のステージに上がったら等速運動に移り、また次の加速の機会をうかがう。そういうアクセルの踏み時ブレーキのかけ時を意識することが大事なのである。

ポジションに似合わないという感じを他の人に与えること自体が、その人の魅力になる。周囲の人がそこに置いておくのは惜しい、そこで働かせるのは惜しいという気持ちになれば、抜擢ということも起り得る。

考えても仕方がないことを考えないというのは、現在を生きる上で重要な技である。(考える)無駄を省きエネルギーの消費を防ぎいざという時に一気に投資する。

一時期に一点に集中する。一つのことに集中するだけで誰でも爆発的なエネルギーを発揮することができる。金もエネルギーもすべてそこに注ぎ込めば、何をしていても意識がそこから離れず、入り込み方が非常に深くなる。それが加速になっていくのである。

加速度を増していく過程において、最大の障害は不安や怯えである。何かを始めるとき、できると確信をもって臨むのと、できるか否か不安を抱いて臨むのとでは、結果がまるで違ってくる。リーダーの資質とは突き詰めれば「何としてでもやる」という覚悟を見せることだけだ。

感情的かつ誹謗中傷を目的とした多くのマイナス情報は有害である。マイナス情報と察知した時点で聞く耳を持たないことだ。聞いても不愉快な思いをしてエネルギーを削がれるだけで何らメリットはない。



最後に中年男子感銘度は★×3.5でした。



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その4  凡人なら千円札は拾うべし

千円札は拾うな。 安田佳生 サンマーク出版  1260円

目を引くタイトルなのでご存知の方も多いと思います。著者はワイキューブ社長の安田佳生氏。25歳で起業されたそうです。

「何で千円札を拾ったらいけないの?」と思いページをめくると「はじめに」の4ページに、「それは、千円札を拾うと目線が下がり、他のものが見えなくなるから」と答が早くも書いてあります。また、曰く、「成功して金持ちになった人は千円札を拾いません。いや、千円札を拾わない人が金持ちになるのだと言えます。」

・・?・・・さっぱり分かりません。私は千円札が落ちていたら間違いなく周囲を見渡して拾ってしまうタイプです。早くも成功者にも金持ちにもなれないと断言されました。

「成功する人が千円札を拾わない理由。それは、彼らには、千円札よりもはるかに価値のあるものが見えているからなのです」だそうです。また、「・・・その果実を手にするためには、目の前の千円札を捨てなくてはなりません。もっと大きな目で世の中を見渡し・・・(すると)千円札などは視界から消えてなくなってしまうのです。」とも。

千円札の話は例え話にしかすぎないのでしょうが、少し無理のある例えではないかと思うし、この本のタイトルにしてしまうのはどうでしょうか?

この本を休憩時間に職場で読んでいましたら二人から、貸して欲しいといわれました。その方々の感想は、「いかにも成功した社長が書いた本で、庶民とは考え方がかけ離れている。」「彼氏は彼女のいる人の中から選ぶってところが参考になった」(独身女性の感想)

私の率直な感想も似たり寄ったりで、「我々凡人はやっぱり千円札を拾うよなー」と考えたら、あっ!やっぱりこのタイトルは相応しい、のかも。結局千円札を喜んで拾うような人になったらダメよってことなんでしょう。でも、2冊目のタイトルが「下を向いて生きよう」はあんまりですわ。

ここからは、私がこの本で得ることのできた良い言葉です。

優秀な人にたくさんの仕事をさせてしまうと、その人が持つ大切な能力が発揮されなくなってしまう。その最も大切な能力とは「新しいものを生み出す能力」である。

優秀な人に暇を与えれば、新しいものが生まれてくることだけは間違いない。優秀な人材には優秀な人にしかできない仕事を任すことが望ましい。その仕事とは「長期的戦略を立てる」ということだ。

よくお金のことを「血と汗と涙の結晶」と例えるが、お金の「価値ある使い方」を目指すなら、そうした価値基準に基づくことなく、「効果の高さ」で使い方を決めることが必要だ。

自分の人生を納得するものにするためには、常識や他人や社会の基準惑わされない自分自身の「軸」が必要なのである。そのためには「明らかな答えのないもの」の答えを考え、自分の「軸」をはっきりさせることがとても大切なのだ。

人が生きていく上で必要なのは、お金そのものではない。必要な時に必要なお金を作り出すことのできる能力を身につけることである。

成長とは変化することである。・・・・「捨てられるものの量」がその人の「変化値」を決めている。

決断と判断は似ているが決定的に違う点がある。それは、判断には正解があるが、決断には正解がないということだ。(→だから即決すべし) 判断できないものをどちらかに決めなくてはならないとき、最も大切なのが「早さ」である。


最後に・・・この本の中年男子刺激度は ★×3 でした

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