正面を向いた鳥の絵が描けますか? (講談社+α新書)
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2007年7月20日第1刷発行
あなたの絵が下手なのはいったい何が原因?似顔絵が描けない。立体画像が描けない。目の前で見ているのに描けない。絵の上手な人って脳の作りが常人とは違っているの? 視覚と脳の不思議な関係を探ろう。
第1章 2次元世界は得意ですか?
第2章 絵の素質ってあるの?
第3章 似顔絵・人相判断…なぜ私たちは顔にこだわるのか
第4章 美人と童顔は得をする?
第5章 審美眼は脳にある
第6章 形…目ではなくて心で見る
図解の勉強になるかな?と思って購入しました。
結果的には、ストライクではありませんでしたが、絵に関する研究(視覚・脳・心の感じ方など)がいろいろ紹介されていて、なかなか参考になる本でした。
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▷絵をうまく描けない人と、描くのが好きな人の違いは何だろう。科学的に調べてみると、プロの絵描きたちはごまかすのがうまいことがわかる。絵は、目の前の風景をそのまま切り出して表現するのではない。それは写真家がカメラですることだ。そのまま素直に表現しようとすれば、失敗する、むしろ絵は、脳や心を通した表現なのである(P.5)
本書の冒頭5ページにあるくだりですが、比較対象がズレているような気がする。
「絵がうまく描けない人」との比較すべきは「うまく描ける人」であり、「描くのが好きな人」との比較は「描くのが嫌いな人」であるべきではないのか?
さらに最後の方…、「脳や心を通した表現なのである」と言われてしまうと、本書のテーマは絵画であり、図解でないことがわかる…
当初の目的を外してしまった感があった読み始め…
では、本書をどのように生かしていけばいいのか…
昨日も『齋藤孝の速読塾 これで頭がグングンよくなる!』で「Aレベルの理解力とは、新たな価値を付与して、オリジナルのアイデアや提案、見方が出せる力 」と学んだばかり・・・
〝もう読まない〟という選択肢もあるのですが、ひょっとしてVMD(ビジュアル・マーチャン・ダイジング)にこそ生かせるのではないかとひらめいた。
「視覚効果」や「脳や心の感じ方」なんてピッタリじゃないですか!
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▷私たちが見ている世界も、外の世界を素直にありのまま写し取っているわけではない。(中略)どうも私たちヒトは機械的に世界を見ているのではないことがわかってきた。むしろえり好みして「見たいところだけを選択的に」見ている(P.40)
見たいと思う対象(あるいは無意識にそう思っている対象)を抽出して、邪魔になるものはすべて背景として無視するという。
これを「チェンジ・ブラインドネス(変化盲)」といって、面白い実験が紹介されていました。
大学の構内で、何も知らない被験者を捕まえて道を尋ねた。
しばらく説明を受けたところで、2人の間を大きな看板を持った作業員が横切る。
その時に、道を尋ねた人が別の人と入れ替わる。
ところが、説明している人は、人が入れ替わったことに気づかず説明を続けてしまう。
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(1分50秒くらいから2分50秒くらいまで)
その他、バスケットゴリラの実験もそう。
映像を見て、白いユニフォームのチームが何回パスしているか数えてみてください。
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数えてみましたか?
興味があることに集中すると、他のことを背景して捉えてしまうので、途中でゴリラが出現したことに多くの人が気づかないのです。
もうひとつ興味深かったのが、人は何よりも優先的に顔を認知するということ。
ジュゼッペ・アルチンボルドの絵では、それが数多くの果物で描かれているにもかかわらず、人の顔として認識してしまう。
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ちょっと気持ち悪いですが、なるほど!です。
先日読んだ、『儲かるお店の「すごい!」見せ方』に、2階にお店がある店舗(マッサージ店など)が地上階に看板を置く場合、そこで働く人の顔写真と店内風景の写真を掲示するといいとありましたが、ココでもこの理論が使われていたのです。
私たちが見ている世界も、外の世界を素直にありのまま写し取っているわけではない。(中略)どうも私たちヒトは機械的に世界を見ているのではないことがわかってきた。むしろえり好みして「見たいところだけを選択的に」見ている
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