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『アナログ力のすゝめ 結果を出す人がやっているアナログ仕事術』出版

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ちょいよしNO.3008
私は、40歳を過ぎて教員免許を取り院内学校に配属されるまで、病院の子どもたちの生活をよく知りませんでした
 
 

  今日の〝ちょっといい〟本

 

 

 
 

 

  目次

 

第1章 患者になってわかったこと
第2章 院内学級という原点
第3章 子どもとアートが出会うために
第4章 子どもが変わる、家族が変わる、現場が変わる
第5章 支援されるだけじゃない!
第6章 その先の支援へ

 

 

  病院の子どもたちの生活

 

仕事で〝こどもの療養環境〟についての学習を深めている。

子どもが難病を患い、長期入院や過酷な治療を余儀なくされることがある。

本書の著者の松本惠里氏も「私は、40歳を過ぎて教員免許を取り院内学校に配属されるまで、病院の子どもたちの生活をよく知りませんでした」と言うように、多くの人はそうではないでしょうか。

 

 

松本氏は、交通事故で瀕死の状態から生還した経験をされた方だ。

度重なる手術と長期の入院と長く辛いリハビリを経験し、病気の子どもの気持ちもわかるはずと思って赴任した院内学級だったが、すぐに単なる自分の驕りだったと気づいたという。

 

保険(共済)業界に勤め、入院や手術といった療養のことに精通している筆者自身も、本当はあまり理解していないのかも知れない。

というか、そうに違いない。

 

保険(共済)は何のために存在するのでしょうか?
社会に対してどういった役割を果たすべきなのでしょうか。
どのような責任があるのでしょうか。

 

 

  夢中になれる時間

 

長期入院する子どもの生活は、病室と診察室とプライルームのみの行き来だけになる。
治療のためにやりたいことも我慢し、痛み不安恐怖孤独社会からの疎外感と向き合わなけばならない。
兄弟や友達に会えない寂しさもある。
↓↓↓
▷治療だけ受けていればいい、薬を飲んで寝ていればいい。それでは治療に加えて、「退屈」というもう一つの憂鬱を抱えてしまいます(P.38)
 
そんな子どもたちでも、心から楽しそうに笑っている時があるという。
それは、何かを作っている時歌っている時自分から進んでなにかに夢中で取り組んでいる時
 
松本氏は、好きなことで自分をいっぱいにする「夢中になれる時間」が大切ということに気づき、アーティストと一緒に定期的に病院を訪問してアートを届けるNPO法人スマイリングホスピタルジャパンを発足させてた。
 
その活動は、全国14都道府県に広がり、活動する病院・施設の数は44、登録アーティストは約160人の活動となっている(2021年3月現在)。
 

 

  自分のせいで…

 

日本全国で、15歳以下の入院患者数は約27,500人いるという(平成29年厚労省調査)。
↓↓↓
▷多くの子どもは、まず入院が決まると「なぜ?」と、現実を受けとめることがしばらくできないようです。治療は痛いのかなという不安や、手術への恐怖があるうえに、突如として転校を強いられ、自分の居場所から引き離されるのです。学校やクラスの仲間たちとつくってきた大切な関係性を失っていくことへの恐怖や寂しさもあるでしょう(P.41)
 
・外に出られない
・自由に好きなこともできない
・友達にも会えない
・勉強も遅れてしまう
・通っていた習い事にも行けない
・退院しても、友達はまだ友達でいてくれるだろうか、忘れられているのではないだろうか
・いつまで病院にいなければならないのか
・お父さん、お母さん悲しそう
・兄弟は病棟に入れないから留守番で寂しい思いをしている
↓↓↓
▷自分のせいで家族は大変なんだ。これ以上悲しませないように、迷惑をかけないように我慢しなくちゃ(P.43)
と思い込んでしまう。
 
 

 

  家族の負担

 

入院は、子どもだけでなく、家族にも大きな負担となる。
↓↓↓
▷高度医療を行う病院が自宅近くにない場合、必要に応じて遠方での入院となります。(中略)自宅と滞在施設の行き来は大変です。そのため、家族によっては子どもの治療に集中するために引越しをするケースも少なくありません。こうした物理面でだけでなく、心にも負担がかかります(P.48-49)
↓↓↓
▷重い病気にかかり、長期入院が必要な場合には、告知をするかどうかという判断も、親には重くのしかかります。自分自身もショックを受ける中で、子どもに伝えるべきかどうか、どう伝えるかは、難しい判断を迫られます(P.49)
 
親だけでなく兄弟にも負担はかかる。
小児病棟は基本、保護者のみの面会となっている。
だから入院している兄弟には合えない。
↓↓↓
入院が終わったあとも、自分は蚊帳の外だった、大切にされなかった、孤独だったという感情がトラウマになって苦しむ、ということも少なくありません(P.51)
↓↓↓
▷最近では、きょうだいの苦悩に寄り添うことの大切さが認知されるようになり、社会的な関心が高まってきました(P.51)
↓↓↓
▷一番辛いのはもちろん病気と闘っている子どもです。けれど教員として病室を訪れるなかで、罪悪感や無力感を抱きながら、入院している子やきょうだい、家族のサポートに一生懸命奔走するお母さんたちは、負担が大き過ぎて倒れてしまうのではないかと感じていました(P.52)
 
・パジャマなどの衣類の洗濯
・ベットまわりの整理整頓
・きょうだいのための食事の支度
・簡易ベットでの病室での寝泊まり
 
このような状況にあるお母さん、お父さんへのケアの必要性は非常に高い。
 

 

  夢中をつくるコツ

 

スマイリングホスピタルジャパンの活動では、アーティストが病室をまわります。
音楽を奏でたり、マジックを行ったり、その活動は様々。
↓↓↓
▷しかし、ただ見る聴くだけでは子どもたちは満足しないのではないか、と感じました。ボランティアが活動しました、という一方通行の事実だけ終わってしまう印象です(P.69)
▷いろいろな素材からなにかをつくったり、一緒に歌い演奏したりなど、内面から湧き上がるような主体性があるときにこそ、子どもたちは生き生きすることを長い間見てきたのだから、子どもの自発性を大切にすることは一番譲れない点です(P.69)
 
そこには〝夢中を作るコツ〟があるという。
 
・ドヤドヤ押しかけない
・参加を無理強いしない(参加しなくてもしなくてもいい)

・それていて参加したくなるような空気づくりをする(自分で好きなものを選んでいい)

・途中でやめてもいい

・見ているだけでいい

・主体的にやってみたくなるような素材、活動の種類を考える
・年齢などに合わせられるように引き出しを複数準備
・子どもの主体性を引き出すお手伝いというスタンス
・子どもから教えてもらうという気持ち
↓↓↓
▷普段の病棟生活では病気に対する不安感でいっぱいだったり、家族を心配させまいと振る舞っていたりする様子の子どもたちが、活動が始まると目の前のワクワクすることにくぎ付けになり、病気のことや、ここが病院だということを忘れるくらいに生き生きした姿を見せてくれるようになるのです(P.108)
 

 

  夢中になれる小児病棟

 

子どもが生き生きした表情になり、主体的な行動が起きると次のような連鎖が生まれるのだそう。
 
・「医療者」は、その様子を見て、驚き、安堵し、時には一緒になって楽しむ
・「保育士」は、子どもたちとの距離がぐっと縮まり、自身も楽しむことで余裕が生まれ、今まで気づかなかった子どもの個性や特技に気づくようになる
・「家族」はこのような雰囲気に安堵し、その様子を見た本人もまた安堵する
↓↓↓
▷子どもたちは、ただここに連れてこられただけの患者ではない
親は、患者家族としてだけここにいるのではない
医療者は、病気を治すだけの存在ではない
保育士は、生活の面倒をみるためだけに、子どもに寄り添っているのではない(P.130)
 
〝夢中になれる小児病棟〟

子どもの療養環境のひとつのモデルがココにあることを知った。

 
 

  今日のちょいよし

 

私は、40歳を過ぎて教員免許を取り院内学校に配属されるまで、病院の子どもたちの生活をよく知りませんでした(P.1)

 

 

読者のみなさんはどうですか?

 

 

 

関連記事

 

 

 

 

 
ちょいよしNO.3007
人数が足りない、足りないって言うけど、足りないのは頭数じゃない。一人ひとりの能力だ
 
 

  今日の〝ちょっといい〟本

 

 

 

 

  目次

 

プロローグ

第1章 躍進する若者たち

第2章 「強小カンパニー」への道程

第3章 ドリームファクトリーの建設

第4章 「ガリガリ君」大ブレーク!

第5章 「言える化」こそ競争力

第6章 自分のために働け

第7章 躍動する若者たち、再び

エピローグ

 

 

  ガリガリ君

 

ガリガリ君、安いし美味しいよね~
かき氷風なのがとてもいい。
 
 
ガリガリ君を作っているのは赤城乳業という会社。
「乳業」とはつくけど、アイスクリーム以外の乳製品の製造はしていない。
アイスクリーム大手の「〇〇乳業」というライバル企業に早く近づきたい、追いつきたいという願いから名づけたのだそう。
 
本書はこの会社のことを「ワンダーランド(不思議の国)」だと表現する。
↓↓↓
▷日本企業はいつしか同質化し、個性を失ってしまった。情報化社会の罠にはまり、他社の真似事ばかりを繰り返し、いつの間にかアイデンティティを喪失してしまう。しかし、赤城乳業という会社は違った(P.21)
 

 

  あそびましょ。

 

日本企業が個性を失う中にあって、赤城乳業のスローガンは「あそびましょ。」
何より仕事には「あそび心」が必要だという。
 
「あそび心」があると
▷一見マイナスに思えることでもプラスに変えることができる。何気ない小さなことでも豊かさ楽しさにすることができる(P.25)
この精神がワクワク感につながり、社員を元気にし、良い商品を生み出し、顧客を喜ばせ、業績につながっていく。
 
ホームページの会社案内も面白い。
▷「ひとりひとりが〝あそび心〟いっぱいの人生を送りましょ。(そんな人たちが集まれば、小さくても強い会社にきっとなれるはずだから」(P.27)
 
アイスを製造している企業の中にあっては決して大きな会社ではない。
小さいけど強い「強小カンパニー」だそう。
 

 

  言える化

 

「強小カンパニー」を実現するキーワードが「言える化」
社員が自由闊達に何でも言える会社ということ。
 
 
▷何でも自由に言えるというのは、一見当たり前のことのように思えるが、実はそれが難しい。何か言いたいことがあっても、言える場がない。言えるような雰囲気ではないという状況に陥っている会社は多い(P.29)
 
これはとてもよく理解できる。
トップが「何でも言える会社にしよう」と発信しても、すぐにはそうはならない。
今までの雰囲気(風土)があるのだから。
 
・理不尽な処分を受けた社員
・不可解な処遇にいる社員
・根も葉もないうわさで貶められた社員
・妬み嫉みを受けた社員
・えこひいきされる社員
などなど
 
このような社員同士の関係があり、それを日常茶飯事に目の当たりにし、そのイメージ(記憶)が社員の頭(意識)にこびり付いている。
「下手なことを言うと一発アウトだ」と、何も言わないほうが賢いとなる。
アイデアを出しても馬鹿にされるのがオチだとも思う。
 
この状況を変えるには、頭の中のイメージ(記憶)を〝上書き〟しなければならない。
それには多くの時間がかかる。
 

 

  放置プレイ

 

▷赤城乳業では(中略)、こうした仕事の進め方が当たり前になっている。若いうちから、大きな責任を与え、思い切り任せる。社内では「放置プレイ」と呼ばれるほど、任せたら余計な口出しはしない(P.55)
 
こんなことを中間管理職が自身の部下に行ったらおそらくアウトだ。
赤城乳業では、このことに理解あるエライさんがいるから成り立っている。
 
中間管理職がひとり奮闘してこれを始めると、まわりには文字通りの「放置」と見えるから、「あいつはマネジメント(管理)ができない」とレッテルを貼られ、出世ができなくなる。
出世したいならやらない方がいい。
 
本書はつぎのようにも言う。
▷無論、これは無責任に「放置」しているわけではない。ギリギリまで泳がせてみる。本人がアップアップするまで、追い込んでみる。これが赤城乳業の人づくりの極意なのだ(P.55)
↓↓↓
この「ギリギリまで泳がせてみる」が、理解のない人には「放置」に見える。
そして、マネジメント能力がないというレッテルをバンバン貼って、吹聴しまくる。
 
でも、本書の言いたいことはとてもよく理解できる。
↓↓↓
〝責任〟で人の成長は加速する。責任を持たせるには、自分の仕事を持たせることが必要だ。責任を持たせて教育をしていくことは、厳しいが人間に磨きがかかる(P.59)
▷しかし、「ゆるさ」はけっして「甘さ」ではない挑戦や失敗には寛容だが、手抜きや物真似はゆるさない。ゆるいけれど、ぬるくないのが赤城流である(P.192)
 

 

  言えない化

 

赤城乳業では、1987年に社長に就任した井上秀樹氏が「どんどん失敗しろ。失敗を恐れるな!」と言い続けた。
このことが、常に新しことに挑戦する雰囲気(風土)を赤城乳業にもたらした。
↓↓↓
▷社員たちが立場や役割を越えて、自由に何でも「言える」ことが組織の活性化につながり、一人ひとりの持っている能力を最大限に引き出す道である(P.143)
▷役職が上の人でも普通に話せる。若手社員が役員に平気でダメ出しをしている。社長でも意見が違えば反論する。とにかく言いたいことは言うのはうちの社風(P.143)
↓↓↓
▷「言える化」の実現は容易いことではない。何もしなけば「言えない化」に陥るのが普通である(P.145)
 
 
▷経験や知識に富む人は、とかく若い人たちの意見を排除し、耳を傾けるという努力を怠りがちである(P.145)
相手の意見に耳を傾ける「聞ける化」があってこそ、「言える化」は成立する「言える化」と「聞ける化」は表裏一体のものである(P.145)
▷「放置プレイ」も、上の人間の寛容さ、器の大きさがなければできることではない。干渉は容易いが、放置には忍耐が必要だ(P.146)
▷「言える化」の実現のためには、中堅や若手社員の「発信する意欲」に対して、役員や管理職層の「受け止める度量」が不可欠である(P.147)
↓↓↓
▷ある社員の失敗を評価していたら、結果は失敗だったが、他の面での貢献につながっているということがわかった。〝ペナルティ〟どころか、加点評価になった(P.162)
↓↓↓
▷フラットな組織というのは〝組織図〟の話ではない。お互いの気持ちがフラットな状態となり、自由に何でも言い合えるという心のありようのことだ(P.159)
心に「壁」があるのに「何でも言え」といっても本音で話すはずもない(P.177)
 

 

  ジョブローテーション

 

ジョブローテーションについて面白いエピソードが紹介されている。
 
ある時、若手にもっと色々な経験を積ませたほうがいいのではと、ジョブローテーションを積極的に行おうという話になった。
それに対して当時の専務が「お前たち、大企業病か?」と反論した。
↓↓↓
▷色々な経験を積ませることによって、確かにバランスの取れた〝平均点人間〟は育つかもしれない。(中略)赤城ならではの〝尖った人間〟を育てようと思ったら、普通のジョブローテーションの仕組みをそのまま導入したのでは、かえって競争力を弱めることになりかねない、(中略)組織は硬直的になりがちで、常識に縛られ、その常識を超えることができない。官僚的な風土が蔓延し、管理一辺倒になりがちだ(P.185)
 
なんだか見慣れた光景かも…(笑)
 
 

  今日のちょいよし

 

人数が足りない、足りないって言うけど、足りないのは頭数じゃない。一人ひとりの能力だ(P.59)

 

 

「人が足りない」と人を増やすと、足りなかった分を補ってくれて余裕が生まれると思うけどそうはならない。

人を増やした分だけまた仕事が増えて、再び「人が足りない」と口にする羽目になる。

「人が足りない、時間が足りない」という人の仕事ぶりを見ると、無駄なことをいっぱいしている。

 

能力を上げると仕事量を増やすことができる、と多くの人は考える。

多くのタスクをこなせるスキルは確かに必要だが、要はそこではない。

 

重要なのは「削減できる能力」

削減できる能力とは「重要なもの、優先的なもの」を見分け、そうでないものを捨てたり、後送りできる能力だ。

 

 

 

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篤さん、勝手にリンク貼っちゃいました~ニコニコ

 

 

 
ちょいよしNO.3006
メイク・ア・ウィッシュと出会ってわかったの。手を貸してくれる人も喜んでくれているんだって。私がやりたいことをやり、輝いて生きようとすることが、まわりのみんなにも喜んでもらえることだって
 
 

  今日の〝ちょっといい〟本

 

 

 

 

  目次

 

プロローグ 夢をかなえるために

メイク・ア・ウィッシュとの出会い/主人公はいつも君/重ねたふたつの手のように/進みゆく病との闘い/ひとつずつの夢、ひとりずつの願い/心のなかを泳ぎ続けるクジラ/病気は僕のトロフィー/取り戻した、3つの言葉/「ありがとう」が言いたくて/「いちばん大切なもの」というメッセージ/夢へとみちびくパイロット/雪が降るあの町へ/夢の実現が僕の人生を変えた

エピローグ 夢から始まる

 

  メイク・ア・ウィッシュ

 

仕事で「子どもの療養環境」についての学習を深めている。
その過程で、難病と闘う子どもたちの夢の実現をお手伝いをしている団体「メイク・ア・ウィッシュ」のことを知った。

アメリカで生まれた活動で、日本にも1992年に支部が設立されて3,695人の子どもが夢をかなえてきた(2022/3/12現在)。

世界では、50万人以上になるのだそう。

↓↓↓

▷長い闘病生活のなか、「あれをやりたい」「これをやりたい」と言っても、そのたびに「病気が治ったらね」「元気になったらね」と言われる子供たち。病気だからどうせなにもできないのだと、夢見ることをあきらめてしまっている子どももいます。単調な闘病生活を送るうち、うれしいことや楽しいことを待ち望んでわくわくどきどきする、そういう気持ちそのものを忘れてしまった子どももいます(P.7)
 
 
日本ではあまり知られていない印象だが、「憧れのメジャーリーガーに会いたい」という夢を持つ男の子がサンフランシスコで乗り換える予定の飛行機に間に合わず、別の飛行機をキャンセル待ちすることになった時、知らないアメリカ人のご夫婦が「もしかして、メイク・ア・ウイッシュですか?」とキャンセル待ちの番号を譲ってくれ、「すてきな夢を叶えてくださいね」と搭乗を見送ってくれたというエピソードがあるくらいメジャーな活動だそう。
 
本書には、メイク・ア・ウィッシュによって夢をかなえた10人以上の子どものエピソードが紹介されています。
ひとつひとつのエピソードにとても心打たれ、おすすめの本です。
 

 

  夢の主人公はいつも君!

 

メイク・ア・ウィッシュの活動は、子どもに夢の実現を押し付けているのではない。

単にモノを与えるような無機質なものでもない。

↓↓↓

私たちは〈夢をかなえてあげている〉のではない。夢をかなえたいと願う子どもの心が中心にあって、私たちはそんな夢の〈お手伝い〉であり、〈応援団〉なんだ(P.43)

 

 

なぜそのようなスタンスなのかというと、「『僕が、私が、かなえたんだ』という夢に対する主体性(P.106)」が不可欠だからだそう。

↓↓↓

▷夢がかなったことを、ただ「ラッキーだった」ととらえると、感動はその場かぎりで終わってしまいます。でも、自分がかなえたということがわかれば、僕にはそれだけの力がある、私はこれからだっていろんなことがをやれんだという自信になる(P.107)

↓↓↓

▷夢をかなえることは子どもにとって「僕はこんなすてきなことができたよ」「こんな素敵な瞬間を家族やみんなにプレゼントできたよ」という自信の芽生えにつながる。その姿に、親もなにかを取り戻す。だから、夢をかなえ終わったあと、堂々と誇らしげになっていく・・・・・。(P.93)

↓↓↓
▷たとえば「パソコンがほしい」といった夢に対して、「そんなものは親が買えばいいじゃないか」という批判を受けることが多々ありますが、私たちはパソコン本体だけをプレゼントするのではありません。(中略)夢をかなえるときには、いかにドラマチックに、いかに子どもの心に残るようにするか――その点に私たちはもっとも頭を使います。「君のことをたくさんの人が応援しているんだよ」。それが、夢をかなえる子どもたちにいちばん感じてほしいことなのです(P.105)

 

 

  夢の実現はゴールでなくスタートライン

 

▷病気になんてかかって、かわいそうと世の中には、そんなふうに言う人がいます。逆に病気にかかってしまったとき、人はこんなふうに考えることがあります。ああ、もう普通には生きられない、なにもできないんだ、現実から目をそむけてしまいたい――。そうして世間と自分のあいだにバリアを張って、「かわいそう」の内側に閉じこもってしまう。これはある意味、当然かもしれません。「絶望」に直面し、ダメージを受ければ、誰だってマイナス思考のスパイラルに陥ってしまうからです(P.137)
↓↓↓
▷「病気に負けるな」という言葉があります。しかし、病気は治ったら勝ちで、治らなかったら負けでしょうか。私は決してそうではないと思います。白か黒かではなく、状況がグレーでも、喜んだり、笑ったり、チャレンジしたり、感謝したり、手をつなぎ合ったり、自分を輝かせて生きていくことはできます(P.289)

↓↓↓

▷みなさんは、あきちゃんがわずか10歳で亡くなったということをむごいことだと感じられているかもしれません。いろんな人と出会い、うれしいこと、楽しいことがいっぱい起こるこれからという時期に・・・・・と思われるでしょう。けれども、考えてみてください。(中略)胸像を見たときに、これは足の先までできあがっていないから中途半端な出来損ないだというふうに思いますか?(中略)人生はそれと同じなのではないでしょうか。あきちゃんの人生は10年であっても、立派な立派な作品なのです(P.86)

 
 

  「第二の患者」と「第三者」の存在


▷メイク・ア・ウイッシュの活動では、子どもたちに出会う数だけ、ご家族の方々とも出会います。病気と闘うのは子どもだけではなく、ご家族もまた、ともに闘っています。明るく、前向きに・・・・・そうあろうとみなさん必死に努力されていますが、なかには歯車が噛み合わなくなることもあるのだと、私は知りました(P.111)

 

先日紹介した「こどもホスピス」の本では、闘病中の子どものお父さんお母さん、兄弟のことを「第二の患者」として、そのケアの重要性が指摘されていました。

経済面をきっかけに、家族関係が破綻するケースが多々あるからです。

先日お会いしたクリニクラウンの方も、同様の状況を指摘され、〝そのことを知ってくれている「第三者」の存在は大きい〟とおっしゃっていました。

↓↓↓

▷もう一つの力は、ともに生きる人がいる、ということです。困難に出会うとき、「なぜ、私だけがこんなにつらい目に遭うのか?」という思いが心に重くのしかかり、悲しみに拍車をかけます。でもそのとき、応援してくれる人がいることに気づくと、心は徐々に方向転換をし始める。私には苦しいときも、不安なときも、手をつなぎ、肩を抱き、心を重ねてくれる人がいることを思えば、体中の細胞に静かな力がいきわたっていく(P.291)
↓↓↓
▷「難病と闘う子ども」という限られた世界に向けての発信だと思っていたのが、大人も子どもも病気も健康も関係なく、すべての人に関わる、「生きる力」という言葉へ直結する深い活動だということに気づくようになりました(P.290)
 
 
 

  今日のちょいよし

 

メイク・ア・ウィッシュと出会ってわかったの。手を貸してくれる人も喜んでくれているんだって。私がやりたいことをやり、輝いて生きようとすることが、まわりのみんなにも喜んでもらえることだって(P.285)

 
 
本書で最も心に残るのは「『いちばん大切なもの』を絵本にしたい」という夢をかなえた美緒ちゃんのエピソードです。
『いちばん大切なもの』とは、美緒ちゃんが作った物語。
―――――――(あらすじ)――――――――
〈へんてこ山〉の〈ほんわか村〉に住む6頭の動物たちは、いつももめごとを起こしてばかり。
そんな動物たちが宝を探すため冒険に出かけた。
冒険の中では、さまざまな困難が起きる。
それを力を合わせて乗り越えていく動物たち。
そして、ついに宝箱をみつける。
喜びに湧く動物たちが箱を空けると…
あれっ、中が空っぽ…
でも動物たちは気づきます。
数々の困難を通じて、いつしか固い絆で結ばれた仲間の存在、その友情こそが宝であり、大切な宝物だと。
―――――――――――――――――――
この本のしおりに美緒ちゃんは次のようなメッセージを書き遺しました。
 
▷つらいのは きみひとりじゃないよ
みんなで一緒に がんばっていこうよ
てをつないで さあ
みんなでけんこう そだてよう
 
本書の著者の大野寿子氏は次のように言います。

↓↓↓

▷いま、私はつらい。でも、お父さんもお母さんも、お兄ちゃんも妹も、おじいちゃんもおばあちゃんも、看護学校の先生も看護士さんも病院の先生も、みんなつらいんだ。そのことを美緒ちゃんは知っていました。そして、自分や、自分のまわりだけでなく、顔を見たこともなければ名前も知らない、でも確かに全国にいるであろう、同じように病気と闘う人々もつらいんだということも。だからこそ「きみひとりじゃないよ」と、「てをつないで さあ みんなでけんこうそだてよう」と、美緒ちゃんはみんなに伝えようとしたのです(P.207‐208)
 
 
 
 
 
ちょいよしNO.3005
オンライン研修も、楽しさは大切です。むしろ、オンラインのほうが楽しくないと参加者は苦痛を感じてしまいます
 
 
 

  今日の〝ちょっといい〟本

 

 

 

 

  目次

 

第1章 学習効果を高めるオンライン研修とは
第2章 参加者主体のオンライン研修の基本原則
第3章 参加者主体のオンライン研修をデザインする
第4章 参加者主体のオンライン研修のファシリテーション
第5章 困った場面とその対処法
 

 

  リモート研修で学習意欲を引き出すには…

 

コロナ禍で、企業の研修がリモート主流に変わった。

すると、受講者から常に「顔を合わせた研修の方いい」「もっと他の参加者と交流がしたかった」などの声が寄せられるようになった。

コロナ禍で「対面での集合研修が行えない」事態となって、早急な「研修のオンライン化」が求められる緊急事態が訪れたが、日本ではそれまでニーズがなかったから、ノウハウがなく、開催者は困り果てた。

 

 

そんな状況で、著者の中村 文子氏は、アメリカには、実績も、ノウハウも、ベストプラクティスもある。その橋渡しをするのが自分のミッションだと感じたのだそう。

オンラインの研修で参加者の学習意欲を引き出すには、
 ①研修の内容に興味をもってもらう
 ②参加するメリットを感じてもらう
 ③学びの場に関わろうという姿勢になり、学んでもらう

ことが必要だという。

 

それぞれの項目でどんな工夫が必要なのだろうか?

 

 

  オンライン研修の誤解

 

本書は、オンライン研修(授業)に対して、いくつか「誤解」が生じているのではないかと指摘する。

【誤解1】オンライン研修は、講師の講義を「配信」することなのか
▷一方的な講義が、効果的な学習につながる可能性は、残念ながら非常に低いと言えます。なぜならば、研修は「説明する」「伝える」ことが目的ではないからです(P.23)
▷すべての研修は、「結果」を得るために行うものです。講師は参加者が研修で学んだことを活かして、さらに活躍してもらう手助けをする存在なのです。研修で学んだことを参加者自身が活かしてこそ、講師の役割が果たされるのです(P.23)

【誤解2】オンライン研修で、講師の存在をアピールする必要はあるのか
▷講師と参加者の1対1のやり取りに加え、参加者同士が話すことが含まれた対話の形式をつくり、集合するからこそ得られる価値のある学びの場を提供すること(P.25)

【誤解3】オンライン研修では、テクノロジーを使いこなすことが重要なのか
▷「オンライン研修の効果を高める」ことを考えるとき、テクノロジーを使いこなすことに注力することは、最優先課題ではありません(P.38)
▷「ツール」というのは、文字通り目的を達成するための「道具」です。道具を使いこなすこと自体が目的ではありません。何を達成したいかによって、使う道具を選び、最終的な目的を達成することが重要なのです(P.37)
「効果的な学習が設計されているかどうか」「効果的な内容になっているかどうか」のほうが重要であることは、言うまでもないことでしょう(P.39)

 

 

  楽しさが大切

 

▷オンライン研修も、楽しさは大切です。むしろ、オンラインのほうが楽しくないと参加者は苦痛を感じてしまいます。(中略)オンライン研修は参加している環境にいるのは自分1人であることが多いでしょう。さらには、パソコン、スマートフォンといった「内職」の誘惑が目の前にある状態です。そのため、楽しくないと、参加者が興味を保ち続けるのは難しくなるのです(P.148)

↓↓↓

そのため、ソフトオープニングエナジャイザー(活性化のためのアクティビティ)を行うといい。

 

「ソフトオープニング」とは、研修開始の数分前に、研修の内容に何かしらつながりのある内容でクイズなどをしてシーンとした空気からくる緊張感を和らげること。
「エナジャイザー」とは、参加者の心理を活用して「楽しさ」を感じてもらい、研修中に飽きや疲れが蓄積しないような仕掛けのこと。

↓↓↓
空欄があると埋めたくなる…キーワードが空欄になっているスライドを表示

クイズを出されると正解が知りたくなる

投票機能を使う…研修の途中で、進行についてのアンケートを実施する。(例:この研修のペースは「速すぎる」「ちょうどいい」「遅すぎる」)

意外な話の展開に引き込まれる

窓の外を見てくる…一番近い窓の外を見てきてもらい、何が見えたかをチャットに書き込んでもらう
30秒チャット…時間を制限して、チャットに書き

自分の仕事で具体的なイメージがわき、メリットが感じられると、もっと学びたくなる込んでもらう(例:今一番解決したいことはなんですか?)

 

また、「理解できているかどうか」を確認する場合、「全員に問いかける」→「個人で考える時間をとる」→「全員の理解度を確認する(ペアで確認する、アンケート、投票機能を使って全員に回答してもらう、画面にスタンプを押す)」といったプロセスが良い。

 

 

  講師映像はオフにする?


▷講師が参加者の様子を視覚上で確認することよりも、参加者の集中を高めたり、学びやすい環境をつくったりすることを優先するならば、カメラオフにするほうが良い(P.26)
↓↓↓
▷人の目は明るいものや動くものに反応するのが自然です。目の前にあるパソコンの画面に、人の顔が映っていたら、画面に共有されているスライドよりも、人の顔に目が向きます。自分自身の顔が映っていると、その傾向はより顕著になります。(中略)つまり、カメラをオンにし、自分自身を含めた参加者の顔が画面に映っている状態は、参加者にとって集中の妨げになり得る(P.82)
↓↓↓
少人数のディスカッションなど顔が見えたほうが話しやすいときのみカメラのオンを依頼し、参加者が理解しているかどうかのなどの確認は、アンケート・投票機能で行うのがいい。

 

 

  オンライン研修でのグループ分けは3~4名

 

集合研修のように、5~6人をひとつのグループにすると、「話に時間がかかりすぎる」「発言の機会を逃す人が出やすくなる」といったデメリットが生まれる。

↓↓↓

▷参加者のビデオをオンにせず音声だけで話す状況であれば3人がベストです。自分以外の声を聞き分けるのに、2人であれば問題なくできます。また、誰かが話そうとしているなどのタイミングを推し量るのも、自分とほかの2人であればやりやすいのですが、それより多くなると難しくなります。ビデオをオンにしてお互いの顔が見える状況であれば、音声だけの場合よりは話しやすくなるので、グループを4人に設定しても問題ありません(P.51)

▷オンラインでは、体面の時のように同時に複数の人が発言することができず、一人ずつの発言になるために起きることです。(中略)待ち時間ができてしまうため、人数が多いとディスカッションが冗長に感じたり、時間切れで発言できなかったりすることが起こりやすくなるのです(P.287)

 

 

  グループへの移行時の進め方

 

①結論を先に伝える

②ゆっくり、はっきり、ていねいに伝える

③「たとえば…」と求めている方向を示す

④参加者が講師に注目してからインストラクションを始める

⑤ていねいな表現で、笑顔で言い切る

⑥文字化する

⑦使用するツールの使い方を説明する

⑧リーダーはあらかじめ決めておく

⑨講師が介入するかどうかを判断する

 

 

①では、以下の8つを順に伝えると良い。

・これから内をするかを言う
・具体的な内容を伝える
・リーダーを決める
・時間を伝える
・内容を再確認する
・発表の有無を伝える
・質問がないかを確認する
・送り出す
↓↓↓

「これから●人ずつのグループで、●●についてのブレインストーミングを行っていただきます。ブレインストーミングなので、たくさんのアイデアを出し合ってください。今回のリーダーは●●の方です。ブレインストーミングの時間は●分です。●分経過したら残り●●分(秒)のお知らせが出ます。出たアイデアは●●に記録して、戻ってからシェアしてください。移動する前に何か確認しておきたいことがあるかたはいらっしゃいませんか?」
 

その他では、
・数人がディスカッションをしている画像が入ったスライドなど、その画像を見たら「これからディスカッション内容説明がある」という合図になるため、インストラクションをする際のイラストを決めておく
・インストラクション説明スライドの表示と同時に鳴る音を合図として入れ、これからインストラクションを行ういうことを習慣づける
・参加者が説明を聞き逃してしまったり、理解が追いつかないことがないように「文字化」する
・グループに分かれた後に、誰が最初に発現するか探り合い、対話が進まない状態とならないように「アクティビティでのリーダー」を決めておく

 

 

  質問時間はどこに設定する?

 

研修の最後ではなく、途中で、そこまでの内容を振り返り、質問したいことがないかを考える時間を設定します。もし1時間の研修であれば、40分くらい経過した時点でその時間を設けます。質問したいことをチャットに書き込んでもらうと良いでしょう(P.50)
↓↓↓
▷人数や質問の数が多い場合は、プロデューサーに手伝ってもらい、多くの人が挙げている質問を見極めたり、内容的にどの質問に答えるべきかを選んだりします。解答しきれなった質問については、後日、メールで回答したり、ポッドキャストなどを用いて音声で回答を行ったりします(P.50)

 

 

  今日のちょいよし

 

オンライン研修も、楽しさは大切です。むしろ、オンラインのほうが楽しくないと参加者は苦痛を感じてしまいます

 

 

コロナ化が明けると、従来の集合研修型に戻るかというとそうではない。

リアルとリモートのハイブリッド型が求められるのは間違いない。

本書も次のように指摘している。

↓↓↓

▷オンライン研修は一時しのぎではありません。対面での研修が戻っても、体面とオンラインの組み合わせ(ブレインディットラーニング)が定着するでしょう(P.5)

 
 
 
 
ちょいよしNO.3004
オンライン研修は、「対面での集合研修ができないから、仕方なく行うもの」ではありません
 
 
 

  今日の〝ちょっといい〟本

 

 

 

  目次

 

第1章 オンライン研修におけるアクティビティ
第2章 オンライン研修のテクノロジーとツール
第3章 オンラインアクティビティ集
第4章 オンライン研修におけるデリバリー

 

 

  リモート研修のスキルアップを目指す!

 

コロナ禍で研修のスタイルがリアル(対面)からリモート主流に変わった。
すると、途端に研修に対する満足度アンケートで「5」と「4」の割合が入れかわった。(5>4>3>2>1)
でも、5の割合と4の割合を足すとこれまで通り…
さて、この事態をどう打開しようか…

 

 

本書はコロナ禍のニーズで書かれたものかと思えば、初版は10年前だという。
原典は英語だが翻訳版ではなく、今に合わせてカスタマイズして日本語版として出版されたもの。
著者のベッキー・パイク・プルース氏はオンライン研修の大ベテラン。

うまくいった経験と失敗した経験から培ったノウハウを惜しみなく本書で紹介してくれている。

 

なんてありがたい!

 

▷参加者を巻き込んで、楽しく学べるアイデアが欲しい時、本書を手に取り、ぱらぱらとめくってください。書かれている内容をそのまま行うのも良いですが、みなさんご自身の研修や授業の内容に合わせてカスタマイズしてお使いになることを勧めします(P.3)
↓↓↓
完璧なオンライン研修の定型パターンというものこそ存在はしませんが「ベストプラクティス」と言えるものは存在しています(P.18)
 

 

  オンライン研修は準備が大切

 

▷オンライン研修は、「対面での集合研修ができないから、仕方なく行うもの」ではありません(P.18)
↓↓↓
▷私の経験では、失敗したオンライン研修のほとんどは、準備段階のプロセスの欠落が原因でした(P.22)

準備不足には、以下のようにいくつものケースがあるという。
↓↓↓

(1)そもそもニーズに合っていない…分析不足。受講者が学びたいこととのズレ
(2)使うツールのレベルが合っていない…参加者のことを把握していない。Zoomの機能についていけない
(3)講師がテクノロジーを使いこなせていない…Zoom操作に慣れてなくて参加者に不安を与える
(4)一方的にしゃべるだけ…聞くだけならオンライン集合する必要あるの?途中の退出、流しっぱなしの幽霊参加者発生
(5)自分の言葉に落とし込めておらず棒読み…原稿を読んでいる姿がありありと想像できる
(6)プロデューサーなどとの連携ができていない…補佐役との連携が取れていない
(7)話し方に自信がない…(1)~(6)の準備ができていないので自信をもって話せない

 

 

  参加者主体のデザインに

 

オンライン研修は、

▷「話を聞くだけの受け身な学びではなく「参加者主体」のデザインにすること(P.25)

 

①一方的に話す…×

②講師から参加者に問いかけ、指名したりして誰かが発言する・・・×(講師1人対参加者の対話で聞いているだけ)
③講師から参加者に問いかけ、個人で考えたことを少人数のグループで共有(チャットでも可)…〇(参加者同士が対話をしている)

 


また、脳の働きを十分に考慮するため、「90/20/5の法則」を意識すること。
↓↓↓
▷大人は、約90分間は理解力を保って話を聞くことができますが、90分で物理的に休憩が必要となります(P.30)
最大20分間記憶に保持しながら話を聞くことができますが、20分ごとに変化が必要です。これに基づいて、情報を20分のセグメントに分割し、次の20分で内容や進め方を変化させます(P.30)
▷次の新しい情報を吸収するために、直前の20分を振り返る時間が必要です(P.30)
▷この振り返りは、講師が重要ポイントをリピートするのではなく、参加者主体の方法で行います。たとえば、20分でカバーした内容を振り返り、重要ポイントを3つ書きだす。自分の言葉で整理するなどです(P.30)
▷脳が退屈しないよう、5分ごとに参加者の参画を促します(P.30)…投票、グループディスカッション、ブレーンストーミング、ビデオ、ゲーム、その他アプリケーションの活用など
▷研修の3分の2が終わったタイミングで質疑応答を行う(P.260)

 
講師は、参加者の状態を観るためにパソコンを2台用意して、自分が行っている画面共有が、参加者にどう見えているのかを常に確認しながら進行するといいのだそう。
 

 

  アンケート機能の活用

 

アンケートが活用できる場面は、
(1)研修開始時のソフトオープニング(研修開始数分前から)
(2)オープニング
(3)研修中、進行ペースや内容についてのフィードバック
(4)リビジット(Re-Visit。再び現れる。重要な部分をもう一度繰り返す、整理する)
(5)研修修了時のアンケート
などがあり、「参加者の知識の事前テストを実施する」「雑学クイズや個人的な質問に答えてもらい、関係構築を行う」「理解度の確認テストをする」「どんな課題、懸念があるかをたずねる」などを行います。

 

また、研修全体を通してのアンケートは、
▷アンケートへの回答が最後であってはなりません。アンケートは、研修の4分の3あたりが経過したところで行う必要があります。これによって、最後の数分間は、参加者が何を学び、何を持ち帰ろうとしているかに焦点を当てることができます(P.101)
↓↓↓
研修の最後の数分間はとても重要です。大切な情報を再確認し、記憶に留めるために使用する必要があります。参加者は、次の行動が何であるべきか、そしてそれをどのように始めるかを確認してから退出するべきです(P.101)
↓↓↓
▷クロージングでは、やる気を起こさせ、インスピレーションを与えるようにします。そして、コンテンツを見直し、再確認します。学んだということを祝い、喜び、達成できたことを誇りに思うチャンスでもあります(P.101)

 

 

  オンライン研修におけるスライドの重要性

 

▷人々は、聞くことと読むことを同時にできない(P.79)…経営学者 ガー・レイノルズ

↓↓↓

▷パワーポイントは、(中略)オンラインで研修をする場合、このツールは参加者を巻き込むツールとしても使います(P.79)

▷パワーポイントのスライドに長い文章を載せる必要はありません。スライドは講師ではありません、講師を支援するツールです(P.286)

↓↓↓
▷優れたスライドは、メッセージをすばやく伝え、コンテンツを的確かつシンプルに表示します(P.79)
▷1枚のスライドに多くの情報を掲載せず、オンライン研修では1枚のスライドに1つのメッセージにしましょう(P.79)

▷文字のテキストと少ない単語で表現する(P.85)

▷スライドには関連のある画像を表示し、メッセージは声で伝える(P.80)・・・アイコンが最適かも!

▷視覚情報であるスライドで使用する単語は少なくしますが、意味は減らさずに維持します(P.85)

▷画像を使用する場合、伝えたいメッセージを端的に伝えることができる画像を使います。(中略)話の内容と画像が関連していることは、その情報を記憶に留めるためのサポートにもなります(P.91-92)

スライドの背景色は暗く文字は明るくする(P.84)
↓↓↓
▷目の筋肉の疲労は頭痛を引き起こし、それが緊張につながり、首、肩、背中の筋肉を引き締める(P.84)
▷参加者の緊張を軽減するために、オンライン研修では明るい光の量を制限します。適切な背景色は、青、緑、黒、濃い紫(ほぼ黒)、濃い赤、灰色です。テキストの色は、濃い背景とはっきりと対照的である必要があります。通常、テキストには白、黄色、黄褐色、およびもっとも明るい色を使います。ハイライトに適した色は、オレンジ、黄色、およにほとんどのパステルカラーです(P.85)

 

 

  オンライン研修でのスライド・配布資料作成のコツ

 

スライドを作成するときには以下に注意する。

↓↓↓

(1)「2×2ルール」…スライドごとに2つの種類のフォント、2つのサイズのフォントを使用
(2)スライドのページ番号を挿入する…配布物のページ番号を表示するようにする

(3)タイトルを資料と合わせる…スライドで表示するタイトルと配布資料にあるものと同じタイトルにする
(4)研修中、ウェブカメラはオフにするべき…講師のカメラをオフにして、参加者にコンテンツ、ホワイトボード、およびアクティビティに集中してもらう

 


 

  今日のちょいよし

 

オンライン研修は、「対面での集合研修ができないから、仕方なく行うもの」ではありません

 

 

 

本書は配布資料について、「パワーポイントのスライドを配布資料として使用しない」と明言していて、これにはとても共感。

 

私の講師経験からも研修レジュメは、

 ①Wordでつくる

 ②穴埋めにする

 ③図はスライドと同じものを使う

のが最も参加者が主体的に受講し学習効果も高いですし、復習割合も高いです。

 

最期に、第3章に、すぐに使えるアクティビティ(体の動きをともなう遊び)が41種類も紹介されています。

オンライン研修の質を上げたい人に、とてもおすすめの本です。

 

 

 

ちょいよしNO.3003
若い両親が難病の子供を長期間にわたって支えていくには、それ相応の経済基盤や周囲からのサポートが必要

 

 

  今日のちょいよし本

 

 

 

  Amazon紹介

 

余命少ない子供たちが辛い治療から離れ、やりたいことをのびのびとやり、家族と生涯忘れえぬ思い出をつくる。そんな、短くとも深く生きるための場所があったら―。医師や親たち関係者の希望をたずさえ、「こどもホスピス」が大阪、鶴見に誕生した。実現に向けて立ち上がった人たちのこれまで、そしてこれから。貧困やネグレクトなど子供の問題を描いてきた著者が、あらたに問いかける一冊

 

 

  目次

 

第一章 小児科病棟の暗黒時代
第二章 英国のヘレンハウス
第三章 大阪市中央公会堂
第四章 小児病棟
第五章 プロジェクト始動
第六章 TSURUMIこどもホスピス
第七章 短い人生を飾る
第八章 友のいる家

 

 

  こどもの療養環境のことを知りたくて…

 

仕事で「子供の療養環境」についての学習を深めようと思っている。

療養中の子どもたちの気持ち看病するお父さんお母さんの気持ちそれを見守る兄弟の気持ちなどを知り、自分たちの商品(共済・保険)がどのように役立てるのかを考え、仕事のモチベーションに繋げていくためだ。
 

 

その過程で「こどもホスピス」の存在を知った。
「ホスピス」とは、最期のときを穏やかに過ごすために行われる、苦痛を和らげる治療やケアのことを指す言葉で、日本ではそこから、そのような治療・ケアを行う施設のことを指ようになった。

「こどもホスピス」とは、こども専用の施設ということ。

 

難病の子どもたちは、亡くなる時に何を思うのでしょうか。
また、難病を克服して社会に復帰したとしても、ケアが行き届いていないとその後どういう状態に陥ってしまうのか
ホスピスがあるのとないのとで、その差は大きいということを、改めて本書によって知った。

 

 

  ごく普通の子どもとして時間を生きたい

 

亡くなる子供たちが、最期まで抱く願いは〝ごく普通の子供としての時間を生きたい〟ということだそう。
一日、半日でもいいから、普通の園児や小学生としてすごしたいと切望するという。

 

本書にある医師の苦悩が紹介されている。

↓↓↓

治療に励めば励むほど、何か大切なことを置き去りにしているのではないか(P.16)

 

少し前まで、難病の子供に対しては病名や進行具合を伏せることが常識だった。
しかし、それは〝ウソの連鎖〟につながっていく。

↓↓↓

患者の年齢にもよりますが、理解できる年頃の子には病気の説明はするべきなんです。(中略)ちゃんとこどもと向き合って、「この病気は命にかかわるもんやから、しんどいけど今ちゃんと治療せなあかんねん。先生も全力でやるから君も一緒にがんばろうな」と言うだけでわかってくれるし、納得して闘う覚悟を決めてくれる(P.18)

 

ちゃんとした説明を受けていない子供は、耐えがたい治療の苦しみの中で、医師や親から聞いている病気に納得できずに、本当はどうなのかと尋ねてくる。
そして、病状が悪化すればするほど「なんでこんなことしないといけないのか、もう嫌だ!」と治療を拒絶することにつながっていく
すると、お父さんお母さんは、子供に治療を受けさせたい一心で子どもをなだめ、また嘘を重ねて説き伏せる
その結果、病気の本人も、看病する両親も、見守る兄弟も、医師も、誰も納得のいく最期にはならない。

こんな負の連鎖が起きてしまっていた。

 

 

  立派な患者を演じる子どもたち

 

同じ病室には他の子供も入院していて、その親も寝泊まりしている。
我が子が駄々をこねると、まわりに迷惑がかかるってしまうから自分の子どもを叱ってしまう。
子どもにしてみたら、しんどい治療に辛抱しているのに、親にまで叩かれる羽目になる。

 

子どもは、医師や看護師のことを治療を強いる恐ろしい人間だと思っている。
その上、味方になってほしい親までが自分を叱るのだから、いたたまれない。

 

最初のうちは、子供も必死に抵抗するが、次第に体力が衰えてくると、言うだけムダと悟って諦めてしまう
それを見て、医師は子供が治療を受け入れたと都合よく解釈して勘違い…
こうして、医師とも家族とも信頼関係が崩れていく。

↓↓↓

子供って病気になって入院すると、子供らしさを捨てて、急に良い子を演じるようになるんです。(中略)「病気になっちゃってごめんね。私のせいで迷惑をかけちゃってるね」なんて言ってきた。自分が病気になったせいで家族を不安と心配に陥れてしまったと考えるようになったのでしょう(P.113)

 

 

  経済面でも…

 

難病の子供を抱える親の多くは、二十代から三十代と若く、心に余裕がないばかりか、家庭の経済基盤も脆弱なことが多い
↓↓↓
医者が患者のためを思って治療に取り組めば取り組むほど、家庭が疲弊していくという状況が当たり前でした。(中略)周りに難のサポートもなかったせいで、家庭は子供が難病になった途端、あらゆる負担を自分たちで背負わなければならなかった(P.26)
↓↓↓
▷若い両親が難病の子供を長期間にわたって支えていくには、それ相応の経済基盤や周囲からのサポートが必要(P.23)

 

 

初めのうちは、夫婦は手を取り合って全力尽くすが、三か月、半年と経つごとにその絆に亀裂が入りだす。
また、健康な兄弟の方も、放っておかれることが多くなって愛情飢餓に陥ってしまう
放っておかれる方の兄弟が幼ければ幼いほど、病気の兄弟の状況を理解できない。
小児病棟は子どもの出入りが禁止されていることもあって、会って目で見て感じることも叶わない。
↓↓↓
数年かけて治療が終わり、ようやく家族全員が一緒に暮らせるようになった時には、子供の気持ちが家庭から離れて家族関係が壊れていることがある(P.23)
↓↓↓
▷類似のことは両親の間でも起こりうる。両親が手を取り合って子供の治療を支えているうちはいいが、一年、二年と経つうちに、無理が高じてだんだんと衝突することが増えてくる(P.23)
↓↓↓
夫婦間にひびが入った最初のきっかけは金銭問題だった。一般的に小児の難病治療にかかる費用は、「小児慢性特定疾病医療費助成制度」によって大半を助成金で賄えるが、家族の生活費まで補償するものではない。妻が二十四時間付き添いのために仕事をつづけられず家計が窮し、長女と次女の面倒をみるのも難しくなった(P.24)

 

24時間の付き添い、治療費を補うための借金、数年に渡る看病による精神的な負担。
これは、治療中だけに限ったことではないため、子供の存命中から深い関係性を構築してケアを行う必要があると本書は指摘する。
↓↓↓
▷日本では緩和ケアで誤解されていることがあります。緩和ケアって患者さんが亡くなれば終わりだと思われているんですが、実は家族の心の痛みのケアも含まれているんです(P.217)
↓↓↓
小児の難病治療を考える際に、もう一つ忘れてはならないことがある。病気が治った子供たちのその後の人生だ(P.36)
↓↓↓
▷退院後のケアの手厚さが子供のQOLにつながる(中略)病院は治療のための場所なので、治療が終わったら家に帰らせようとします。家族は日常のことを任されますが、素人なのでどうしていいかわかりません(P.161)

 

ケアには、「肉体的なもの」と「環境的なもの」がある。
「肉体的」には、病気や治療による障害(後遺症)、病気のリスクをいう。
「環境的」には、家庭関係にヒビが入っていることによる家庭崩壊、闘病による学業中断で留年や退学を余儀なくされるといった社会的孤立が当てはまる。
↓↓↓
▷「病院に入院していた時は、将来のことより、その日一日のことしか考えられませんでした。退院してからも、学校には友達がおらんかったし、遊ぶことも勉強についていくこともできませんでした、免疫力が低いので出かける場所もなかった。私だけじゃなく、病棟であった友達はみんなそんな思いを抱いていました」(P.3-4)

 

 

  勉強が生きる力に…

 
 ▷難病の子どもたちはちがう。狭い病室のベッドに何年も横たわり、手術でメスを入れられ、抗ガン剤という「猛毒」を体内に流し込まれる。薬の副作用でもだえ苦しんでいても、1人で歯を食いしばって耐えるしかなく、将来像どころか、明日生きている自分の姿さえ想像できない(P.4)
↓↓↓
▷子供は病室でつらい治療を受けているうちに、子供ではなく「立派な患者」として振る舞うようになる。そんな彼らにとって、勉強は自分に未来があることを思い出させてくれるという。計算式を一つ覚えるごとに自らの成長を感じ取る。問題を解いていて褒められて自信をつける。友達や教師との語り合いの中で将来の夢を抱く。真っ暗な闘病生活の中で、勉強はその先の人生を照らす光なのだ(P.193)

 

 

少し、違った視点からは、勉強することで子どもたちが自分の気持ちを明確に表現できるようになるという効果も考えられる。
↓↓↓
▷子供たちって、大人のように意思をうまくつたえられませんよね。大人であれば「こう思う」って言えますが、子供はなかなか言葉にできない(P.256)
▷子供とて、自分の感情をしっかり理解できていないことも少なくない。闘病中ともなればなおさらだ(P.257)
 

TSURUMIこどもホスピスでは、その課題を進展に導いた、自分の感情を明確な言葉で表せる女の子の存在があったという。
↓↓↓
▷大半の子供はボキャブラリーが乏しいので、自分の思っていることを口に出して表すのが苦手ですよね。でも、歩乃果ちゃんは自分の気持ちを踏まえた上で、こういう風に考えているとか、こうしたいということをつたえてくる。だから、彼女と話をしていると、他の難病の子供たちもこう考えているんだろうなとか、こんなふうにしてほしかったんだってわかるんです。歩乃果ちゃんの要求に耳を傾けることが、他の子供の思いをくみ取ることにもなる(P.259)
↓↓↓
▷こうした言葉の一つひとつが、スタッフの子どもに対する洞察力を育てていくのだろう。それが大勢の難病の子供たちを支えることにつながるのだ(P.262)

 

 

  今日のちょいよし

 

若い両親が難病の子供を長期間にわたって支えていくには、それ相応の経済基盤や周囲からのサポートが必要

 

 

最初に、自分たちの商品(共済・保険)がどのように役立てるのかを考え、仕事のモチベーションに繋げていくためと書いた。
まさにこの言葉がそう。

 

 

 

 

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ちょいよしNO.3002
マネジャーは、設定した行動ルールに対しては、きわめてドライに評価をくださなくてはなりません

 

 

今日のちょいよし本

 

2018年5月18日

 

Amazon紹介

 

「受講者の9割が設定した問題を解決する」という圧倒的な成果を出す超人気の講座の書籍化!あますところなく、その「ノウハウ」を伝えます!

 

 

目次

 

第I章 「壁マネジメント」とは何か?
第II章 「壁マネジメント」のルールを知る
第III章 失敗しない「壁マネジメント」の取り組み方
第IV章 「壁マネジメント」を実践する
第V章 壁マネジメントの調整法

 

 

壁マネジメント?

 

本書は、職場で回覧でまわっていたのものをナナメ読みしたものです爆  笑

 

 

「壁マネジメント」とは、

部下の「成果が出ない望ましくない行動」をマネジャーがみずから「壁」となって防ぎ、「成果の出る望ましい行動」へと向かわせ、「やりきるチーム」を作るマネジメント術(P.5)

のことで、

▷「部下に実行させる」と決めた行動に関して、「望ましくない行動」へと流れないように介入すること(P.26)

をいいます。

本書はそのイメージを〝分岐する川の流れ〟に例えていて、望ましくない方の流れを堰き止めるのが上司の役目だとしています。

だったら「堰(せき)マネジメントじゃないか…」と思ったのは私だけでしょうかえー

 

 

成果の出る望ましい行動?

 

さて、「成果の出る望ましい行動」とは何なのでしょうか?

 

本書はそれには3つの重要なポイントがあるとしています。

――――――――――――――――――――

①必ず成果に結びつくこと

②部下が100%やりきれること

③数字という具体的で間違いようのない共通言語によって示さること

――――――――――――――――――――

な~んだ、至って当たり前と言われていること…

 

だから本書で大切なのはここではないのだろう…

これらは前提条件で、大切なのは部下が、

「行動ルール」がやりきれているか、行動した結果がどうなっているか(P.51)

に介入することだそう。

要するに「良質なフォローを行え」ということでしょうか。

 

 

3つの介入

 

その介入の種類には3つのタイプがありました。

――――――――――――――――――――

①リマインド型介入…毎日、行動の予定を確認

②アフター型介入…毎日、行動の結果を確認

③累積型介入…週に一度、行動の結果からまとめて確認。必要に応じて翌日からの計画を立て直す

――――――――――――――――――――

 

このような「介入」によって、「望ましくない行動」を消し、「望ましい行動」が続くようにすることで、部下は成果を上げ始めます。

 

さらに重要なのは、

マネジャーは、設定した行動ルールに対しては、きわめてドライに評価をくださなくてはなりません(P.115)

というくだり。

 

部下に、かならずやりきらせるという意思を強く持つことで、その壁は強度を増し、「壁マネジメント」が実現するのです。

ブレブレなマネジャーっていますものね…えー

 

 

今日のちょいよし

 

マネジャーは、設定した行動ルールに対しては、きわめてドライに評価をくださなくてはなりません

 

 

決めたことをやらない部下って結構多い…

また、決めたことをやりきらせるのも案外難しい…

その突破口が「介入」なんですねびっくり

 

 

 
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ちょいよしNO.3001
わしが彼らをほおっておけば、病人たちはみな死ぬだろう。情けは人のためにかけるものではない。必ず自分に返ってくる。生きられる者は生かし、死すべき者は安らかに死なせてやりたい

 

 

今日のちょいよし本

 

1996年10月15日第1版第1刷発行

 

Amazon紹介

 

「新九郎(早雲)どの、京でも立派に頭角を現わせるものを、なぜ駿河に恋々となさるのか?」「京には夢がない。あるのは過去の形骸だけ。関東は未開の地。わしの入り込める余地は十分にある。血がうずくのだ」。―将軍の申次衆という要職にありながら、突如野に下り、東国に新天地を目指した北条早雲。訪れた転機に人生のすべてを賭し、己れの夢を実現させた戦国武将の生涯。

 

 

目次

 

第1章 動乱の目

第2章 貞親失脚

第3章 神宮の誓い

第4章 幼君擁立

第5章 興国寺城

第6章 茶々丸の乱

第7章 伊豆平定

第8章 火牛落とし

第9章 三浦道寸

第10章 奇道・正道

第11章 三浦一族の滅亡

第12章 時をえし者

 

 

久しぶりのブログ

 

読者のみなさん、お久しぶりです。

12月11日に連続3000日を達成して、少しだけお休みするつもりが気がつくと3ヵ月経っていましたびっくり

この3か月、年末に買ったAmazonのテレビスティックgyaoのアニメやyoutubeの動画を楽しみ、前から読みたかった漫画も一気読み爆  笑

 

でも、こういった生活はなんとなくだらだら感があるんですよね~。

だから、少しずつブログも再開していこうと思います。

 

 

少なすぎ…

 

この3ヵ月で読んだ本は9冊。

我ながらその少なさに驚きびっくり

(マンガを40冊読んでいるので、49冊とも言えますが…)

 

さて、今日の紹介本は「北条早雲」です。

 

 

室町時代に小田原地方を統一して治めた名君ですね。

秀吉の小笠原征伐で最期まで抵抗した北条氏政・氏直親子は早雲の子孫で4代目・5代目です。

結果としては5代で滅んだことになりますが、北条氏は関東の覇者であり、民に慕われた名君家計には違いがありません。

 

中でも始祖の早雲のエピソードはピカイチ。

本書のくだりを用いて以下にメモしますね。

 

 

ほおっておけない!

 

早雲が西伊豆の松崎の浜を訪れたとき、そこは妙に閑散とした状態でした。

漁の時期を外れたせいかと思ったが、そうでもない様子。

そこで、供の者に村落に確認に行かせると、どの家にも3~4人の病人がいることが分かりました。

どうやら風病(流行性の感冒)が流行って、村の8~9割の人が死に、感染を恐れた家族は、子を捨て、親を捨て、近くの山に避難してる様子。

 

早雲は言いました。

↓↓↓

わしが彼らをほおっておけば、病人たちはみな死ぬだろう。情けは人のためにかけるものではない。必ず自分に返ってくる。生きられる者は生かし、死すべき者は安らかに死なせてやりたい(P.181-182)

 

そして、急使を走らせて医者を呼び寄せました。

その後、救護活動が5日間にわたって行われ、風病の感染は治まっていきました。

助かった者たちは、山に避難していた家族を呼び戻します。

死に別れを覚悟していた家族たちは、再会を互いに喜び合いました。

同時に「早雲様に助けられた」と多大な恩義を感じるようになり、心から慕うようになったのです。

 

 

今日のちょいよし

 

わしが彼らをほおっておけば、病人たちはみな死ぬだろう。情けは人のためにかけるものではない。必ず自分に返ってくる。生きられる者は生かし、死すべき者は安らかに死なせてやりたい

 

 

祝!連続3000日!!

一日も欠かさず続けることができました照れ

明日からは、毎日の更新をやめて、本を読んだ時だけにしますウインク

 

 

ちょいよしNO.3000
まず、面白いアイデアを考え、そして実現できるものを選ぶ。そうすれば想像していたものよりも、はるかに面白く、オリジナリティ溢れたアイデアが生まれる

 

 

今日のちょいよし本

 

図解すごいメモ。 図解すごいメモ。
1,210円
Amazon

 

 

Amazon紹介

 

手帳、ノート、打ち合わせ、企画書、プレゼン、こんな使い方があったんだ!ベストセラー『すごいメモ。』に、ここでしか見られない全15実例を載せて図解化!

 

 

目次

 

序章 未来メモをはじめよう
第1章 まとメモ
└ぐちゃぐちゃな情報を驚くほどスッキリ整理する5つのメモ術
第2章 つくメモ
└メモからアイデアをつくり出し、仕事をドライブさせる7つのメソッド
第3章 つたメモ
└もっと伝わる、もっと考えやすくなる。メモを使って人を動かす3つのメソッド

 

 

いい本だ!

 

この本は良かったです!照れ

何が良かったかというと、自分のノート術に生かせるものがいくつかあったからです。

 

だからストック本(本棚入り)にしようと思いますグラサン

 

Amazonのレビュー評価もかなりいいです。

でも、みやちゃんはあまり参考にしませんが…

なぜなら、自分がどう感じるか、自分が何を学び取るかが大事だからです。

あまり、他人の評価は関係ないのです。

電化製品とかならレビューは参考にしますけどね。

本には関係ないですねウインク

 

 

未来メモ

 

メモはいい仕事をする上で「整理」「設定」「考察」「発見」「指示」の5つに密接に関わるという。

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▷「メモ」は、いわゆる情報を書き留めるだけではなく、頭を整理したり、アイデアを出したり、資料の下書きを作ったり・・・・・と、仕事の中の大切な行動に関係しています(P.4)

 

 

何の技術もなく取られたメモは、時間がたつと、自分で見ても意味が分からないものになります。そのうえ、内容を思いだすために時間を奪われ、仕事が遅れ、ストレスになる(P.10)

 

それは、「メモが腐るから」だと本書は指摘します。

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メモには、自分がメモを取ったときの「記憶」が残っています。だから、多少、文字が読めなくても、どういう意図で書いたか、どういう内容だったかを、記憶が補ってくれる。つまり「記憶+メモ」で、十分に役立つ情報になる(P.11)

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ところが、時間がたつと、書いた時の記憶が薄れます。だからメモを見ても、どういう意図で書いたかわからなくなる(P.11)

 

メモの最大の狙いは、

メモを見るだけでそのときの発言やポイントが思い出せて、何を考えるべきか、すぐにわかるメモ。未来の自分に、考えるきっかけを残すメモ(P.12)

 

今聞いている情報や考えを書き残す「過去メモ」ではなく、この先考えるべきことを申し送りする「未来メモ」を書くべきだと本書は言います。

 

 

14のメソッド

 

仕事を滞らせているのは「情報過多」と「頭の切り替えの難しさ」の2つだそう。

本書には、未来に考えるとっかかりをを示す、14のメソッドが紹介されています。

 

「○」の使いから、「→」の使い方、「記号」の活用のしかた、「吹き出し」の使い方などなど。

 

吹き出しは、

未来の自分に「こう考えてね」「ここを解決してね」という「調理法」を残しておく(P.81)

ために使うものだという。

また、名前と吹き出しをセットするか、似顔絵と吹き出しをセットにすると、より効果が高まるという。

 

そして、デジタルの使い方。

デジタルは「検索機能」として最大活用すべき。

デジタル形式で残したメモは、タイトルを工夫する、タグを工夫するなどで速やかに検索できるようにしておきます。

 

また、アイデアを出すときは、

ハードルを設けて、それを超えることをルールにすると、アイデアの質は確実に向上する(P.106)

といいます。

 

自由に絵を描けというと困ってしまうが、3色だけ使って素敵な絵を描けというと、人間の脳は活性化してアイデアが飛躍的に向上するのだそう。

その時に、使えるフレーズが、

▷それは本当に、○○○するか?

で、この問いを自分に投げ掛け続けといいのです。

 

 

今日のちょいよし

 

まず、面白いアイデアを考え、そして実現できるものを選ぶ。そうすれば想像していたものよりも、はるかに面白く、オリジナリティ溢れたアイデアが生まれる(P.156)

 

 

アイデアは真面目に考えているだけでは決して生まれない(P.156)

と本書はいいます。

遊び心も必要ですね。

 

 

 

ちょいよしNO.2999
理想が「こうあるべき」という〝べき論〟から生まれたものであると、しだいに現実の姿から乖離して、絵空事になってしまいます。理念はグーグルのように、自分がやってきたことを振り返って、「どうして成功できたのか」という分析を行い、そこから抽出するものなのです

 

 

今日のちょいよし本

 

2014年8月15日第1刷発行

 

Amazon紹介(要約)

 

「グーグルグラス」や「グーグルドライバーレスカー」など、常に注目を集め、世界に影響を与え続ける企業・グーグル。その根底にある圧倒的すぎる考え方の謎を明らかに!

・シンプルに「正しいこと」をし続ける

・すべての「伝統的なやり方」を疑う

・「自分がほしいと思うもの」をつくる

など、その考えや行動を、私たちは学ばなければならない―。

 

 

目次

 

第1章 世界を変える働き方
第2章 他を圧倒する「グーグル式思考法」
第3章 「新しい価値」を生むイノベーション術
第4章 グーグルはこうして世界に君臨し続けている
第5章 グーグルがつくりだす「未来」

 

 

買い!の本です

 

出張のお供に買いました。

本を選ぶ時間が5分しかなかったのでタイトル買いグラサン

結果は当たり!でした。

とても面白い本です。

 

人はみな、Googleというと「成功した後の話」を聞きたがって、Googleが「成功するまでの話」、「Googleが成功するために何をしたのか」はあまり聞きたがらないと本書はいいます。

本当に大切なのは、工夫をした話に耳を傾けることだといいます。
 
そのため、本書はGoogleが上場するまでの話を中心に、何を考え、何を工夫してきたのかを紹介しています。
内容の中心となっているのは、Googleについての報道や書籍などの既存の公開情報で、公開されていない情報はいっさいありません
その意味を本書は次のようにいいます。
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公開情報であっても、それを論理的に読んでいき、グーグルが何を考えてそのような行動をしたのかを追っていけば、必ず読者の仕事のヒントになるような考え方にたどりつける(P.5)
 
そして、この熟考しながら読むという姿勢は、今後の仕事や人生に大きな宝物になるという。
その訓練を本書で出来るというのですから〝買い〟の本ですね!
 

 

アクセスを増やすことが目的

 

Googleが何を考え、どんな工夫をするのかの前に、大前提として知っておくべきことことがあります。

これを知らないと、巷のゴシップな報道に惑わされてしまうことになります。

 

それはGoogleの掲げている企業ミッションです。

――――――――――――――――――

①世界中の情報を整理する

②世界中の人々がその情報にアクセスできるようにする

――――――――――――――――――

 

この2つを知らないと、Googleが「ドライバーレスカー」(無人自動車)のプロジェクトを始めたとき、「Googleが自動車業界に参入」という報道を無条件に信じてしまうことになります。

Googleのミッションを知っていれば「そんなことないだろう!」とツッコめるわけです。

 

なぜなら、Googleのミッションに照らし合わせてみると、Googleが問題としているのは人々が費やしている車を運転する時間の膨大さであって、車を売って利益をだそうとは思っていないことにすぐに気づくことができます。

Googleが狙うのは、この時間を開放して、インターネットのアクセス時間を増やすこと。

Googleの利益は、インターネットのアクセスの増加に比例して伸びる構造となっています。

ドライバ―が車の運転から解放されれば、その時間を自分が必要とする情報(レストランや観光ガイドなどなど)の検索時間に使うことができるのです。

 

 

 

事実から

 

本書の面白かったところのひとつは、Googleのミッションにツッコミを入れているところ。

 

ミッションの1つ目に「世界中の情報を整理する」とありますが、本書はこれを誤訳だと指摘します。

正しくは「世界中の情報を〝整頓〟する」であるべきだと。

 

「整理」の意味は、乱れているものを必要なものと必要でないものに仕分けることで、「整頓」とは乱れているものを使うために便利なように配置することだからです。

 

なるほど!ですよね。

 

また、Googleには「10の理念」があるのだそう。

本当は「10の事実」というそうで、それらはGoogleが「自分たちはこうあるべき」といっているものではなくて、Googleがこれまでビジネスを展開してきた中で「こうやったらうまくいった」「こうやったら自分たちらしく事業を創造できた」という経験の中から抽出したものだからだそう。

 

―――――――――――――――――――

1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番
3. 遅いより速いほうがいい
4. ウェブ上の民主主義は機能する
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている
8. 情報のニーズはすべての国境を越える
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる
10. 「すばらしい」では足りない

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(こちらが詳しいです)

 

 

理想が「こうあるべき」という〝べき論〟から生まれたものであると、しだいに現実の姿から乖離して、絵空事になってしまいます。理念はグーグルのように、自分がやってきたことを振り返って、「どうして成功できたのか」という分析を行い、そこから抽出するものなのです(P.124)

 

みやちゃんが務める会社に、商材の販促を成功させるためのフレームワークで「準備5項目実践5課題」というものがあるのですが、同じように過去の工夫から生まれてきたものなので「準備5の事実、実践5の事実」にした方がインパクトがあるのかもしれません。

 

 

今日のちょいよし

 

理想が「こうあるべき」という〝べき論〟から生まれたものであると、しだいに現実の姿から乖離して、絵空事になってしまいます。理念はグーグルのように、自分がやってきたことを振り返って、「どうして成功できたのか」という分析を行い、そこから抽出するものなのです