Googleの哲学 (だいわ文庫) 770円 Amazon |
2014年8月15日第1刷発行
「グーグルグラス」や「グーグルドライバーレスカー」など、常に注目を集め、世界に影響を与え続ける企業・グーグル。その根底にある圧倒的すぎる考え方の謎を明らかに!
・シンプルに「正しいこと」をし続ける
・すべての「伝統的なやり方」を疑う
・「自分がほしいと思うもの」をつくる
など、その考えや行動を、私たちは学ばなければならない―。
第1章 世界を変える働き方
第2章 他を圧倒する「グーグル式思考法」
第3章 「新しい価値」を生むイノベーション術
第4章 グーグルはこうして世界に君臨し続けている
第5章 グーグルがつくりだす「未来」
出張のお供に買いました。
本を選ぶ時間が5分しかなかったのでタイトル買い
結果は当たり!でした。
とても面白い本です。
人はみな、Googleというと「成功した後の話」を聞きたがって、Googleが「成功するまでの話」、「Googleが成功するために何をしたのか」はあまり聞きたがらないと本書はいいます。
Googleが何を考え、どんな工夫をするのかの前に、大前提として知っておくべきことことがあります。
これを知らないと、巷のゴシップな報道に惑わされてしまうことになります。
それはGoogleの掲げている企業ミッションです。
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①世界中の情報を整理する
②世界中の人々がその情報にアクセスできるようにする
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この2つを知らないと、Googleが「ドライバーレスカー」(無人自動車)のプロジェクトを始めたとき、「Googleが自動車業界に参入」という報道を無条件に信じてしまうことになります。
Googleのミッションを知っていれば「そんなことないだろう!」とツッコめるわけです。
なぜなら、Googleのミッションに照らし合わせてみると、Googleが問題としているのは人々が費やしている車を運転する時間の膨大さであって、車を売って利益をだそうとは思っていないことにすぐに気づくことができます。
Googleが狙うのは、この時間を開放して、インターネットのアクセス時間を増やすこと。
Googleの利益は、インターネットのアクセスの増加に比例して伸びる構造となっています。
ドライバ―が車の運転から解放されれば、その時間を自分が必要とする情報(レストランや観光ガイドなどなど)の検索時間に使うことができるのです。
本書の面白かったところのひとつは、Googleのミッションにツッコミを入れているところ。
ミッションの1つ目に「世界中の情報を整理する」とありますが、本書はこれを誤訳だと指摘します。
正しくは「世界中の情報を〝整頓〟する」であるべきだと。
「整理」の意味は、乱れているものを必要なものと必要でないものに仕分けることで、「整頓」とは乱れているものを使うために便利なように配置することだからです。
なるほど!ですよね。
また、Googleには「10の理念」があるのだそう。
本当は「10の事実」というそうで、それらはGoogleが「自分たちはこうあるべき」といっているものではなくて、Googleがこれまでビジネスを展開してきた中で「こうやったらうまくいった」「こうやったら自分たちらしく事業を創造できた」という経験の中から抽出したものだからだそう。
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1. ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる
2. 1 つのことをとことん極めてうまくやるのが一番
3. 遅いより速いほうがいい
4. ウェブ上の民主主義は機能する
5. 情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない
6. 悪事を働かなくてもお金は稼げる
7. 世の中にはまだまだ情報があふれている
8. 情報のニーズはすべての国境を越える
9. スーツがなくても真剣に仕事はできる
10. 「すばらしい」では足りない
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▷理想が「こうあるべき」という〝べき論〟から生まれたものであると、しだいに現実の姿から乖離して、絵空事になってしまいます。理念はグーグルのように、自分がやってきたことを振り返って、「どうして成功できたのか」という分析を行い、そこから抽出するものなのです(P.124)
みやちゃんが務める会社に、商材の販促を成功させるためのフレームワークで「準備5項目実践5課題」というものがあるのですが、同じように過去の工夫から生まれてきたものなので「準備5の事実、実践5の事実」にした方がインパクトがあるのかもしれません。
理想が「こうあるべき」という〝べき論〟から生まれたものであると、しだいに現実の姿から乖離して、絵空事になってしまいます。理念はグーグルのように、自分がやってきたことを振り返って、「どうして成功できたのか」という分析を行い、そこから抽出するものなのです
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