ADHD注意欠陥多動症と知的障害のない高機能自閉症と診断されている5歳の子。
初めて会った時は3分と座っていられず、部屋を出てあちこちのドアを開けて冒険してしまう子でした。
・常に動き回っていて興味を引くものがあると走っていってしまう
・いつも興奮気味で昼寝などはしない
・手にしたものをすぐに口に入れてしまう傾向がある
・こだわりが強く予定外のことにはパニックを起こしてしまう
・音にとても敏感でパニックを起こすこともある
・パニックを起こすと手が出たりして、なかなか冷静になるまでに時間がかかってしまう
などのことでお困りでした。
「小学校に上がる頃までには薬物治療を開始します」と医師に言われていて、
お母さんは薬物治療はなるべく避けたい、何とかできないか、とソレンセン式を探してこられたのでした。
お母さんが忙しく毎日のホームトレーニングが難しいということで、定期的にセラピーに通ってきてもらい、おうちではできる範囲でのホームケアをしていくという形でのトレーニングをスタートしました。
ソレンセン式神経反射療法では、診断名については参考にしますが、基本的にその子自身の体質と弱まり、そして困っている症状に注目してトレーニングプランを組み立てます。
この子の場合は
多動傾向と衝動性があるので、運動のエリア前頭葉に弱まりがあるのと、
音に敏感だったり、すぐ口に入れて確認してしまうというので、感覚のエリア頭頂葉に弱まりがあると予想します。
聞き取りから引き出した予想と共に、
お子さん本人の顔、手、足の反射区を念入りに指で探り、脳を含める体全体の反射区をスキャンニングをします。
弱まりがあるエリアにはその反射区に必ずサインが出ているからです。
そして、その結果を基に、その子だけのオリジナルのトレーニングプランを導き出すのです。
ADHDにはこのやり方。
自閉症ならこのやり方。
というマニュアルではなく、その子自身の体質と弱まりから導き出されたやり方なので、着実に変化に向かうことができるのです。
この子の場合、
1番困っていた多動と衝動性がコントロールできるようになってきたので、薬物治療をすることなく、学校へと進むことができました。
・45分間の授業を座って、集中することができるようになりました。
・人の話が聞けるようになったので、予定外のことにも説明をすれば冷静に対応できるようになりました。
・感覚への敏感さはあるものの、パニックを起こすことは極端に減りました。
そして、元々記憶力や計算力が高い傾向にあるので、算数などの個別授業では在籍している学年よりも先の単元まで進んでいるという才能を発揮しています。
発達障害は、脳の神経発達の凸凹によって起こります。
脳の発達上、どこかが著しく発達をすると、その分どこかの発達が遅れるというルールがあります。
つまり、発達障害は才能の裏返しでもあるのです。
困った症状が大きいとどうしても
凸凹のできない面にフォーカスしてしまいがちですが、
困った症状がある程度落ち着けば、
その分、持ち合わせているはずの凸凹の突出した面にフォーカスして伸ばしていくことができますね!
ADHDの薬物治療はADHD自体を治すものではなく、薬の作用によって症状を抑えて日常生活を送りやすくするというものです。
コンサータやストラテラ、インチュニブが処方されるお薬かと思います。
これら精神薬は依存性や副作用などの問題も大きいので、特にお子さんには最終的な手段として使われるべき治療法かと思います。
ソレンセン式神経反射療法は、副作用もなく安全性の高いトレーニングです。
そして、症状を抑えるのではなく、根本の解決法として、弱まりのある脳のエリアの発達を促すことを目的とします。
反射区への刺激により、脳神経システムにダイレクトに電気信号を伝えることで発達を促します。
ペアトレやソーシャルスキルトレーニングなどとの併用ももちろん可能です。
より良い働きが出るのではないかと思います。
ソレンセン式神経反射療法テンプラーナホームトレーニングはやれば必ず体が応えてくれます。
諦めずにトライして欲しいです。