2021年11月28日(日)、久しぶりにシナモンガーデンの「しあわせプレート」をいただきに南林間へ。「しあわせプレート」というのは、月一回のペースで日曜日のランチ・タイムにのみ登場する限定料理のこと。今回はスリランカ料理の中でも北部のジャフナ周辺のタミル料理が提供された。普段のシンハラ人の料理との違いやインドのタミル・ナードゥ州との共通点を見つけるのも楽しみ。
この日の厨房にはヘルプでタミル・スリランカンのシェフが入っていた。今回の料理はこのシェフのアイディアなども入っているという。1990年代には中央林間でスリランカ料理店を営んでいた(←全く知らなかった)お方で、日本語も通じるので、食後に色々教えていただいた。
nandu masala / nandu kuzhambu (蟹のスパイス煮込み)。蟹の可食部は少ないものの、スパイス汁がエキスを全部受け止めて濃厚な味わいに。まあ、そりゃ美味いよな。
eral thakkali varuval (海老のトマトとスパイス揚げ炒め)。衣をつけて軽く揚げてからマサラと絡めて仕上げたような感じかな。海老好きなのでこれも美味いに決まっているのよ。
pachai payaru masoor paruppu masala (緑豆とヒラマメのスパイス煮込み)。南インドのミールスによくあるようなシャバシャバの薄味タイプとは対照的。味付けも割としっかりしている。
ulundu vadai / medu vadai (ケツル小豆ペイスト生地の揚げドーナツ) と thengai chutney (ココナッツのツケダレ)。南インドのタミル人が作るものと共通している。ただ、南インドだとプレインな vadai もポピュラーだが、スリランカだとたいていは玉葱などが入るらしい。で、今回はその説明通り、玉葱入り。アッツアツではなくほんのり温かいくらいでサーヴされ、スリランカ料理店で食べた中では群を抜いて好みだった。付属の thengai chutney も美味しい。
左は eral paruppu vadai (桜海老入り豆スナック) と vengayam chutney (玉葱とココナッツのツケダレ)。豆は kadalai paruppu (挽き割りのひよこ豆) が中心で、これも食感が抜群で言うことなし。めちゃ好み。chutney のオレンジ色はパプリカや赤唐辛子に由来。
安心していたのはこの辺りまでで、その後、頭が混乱しまくることになる(笑)。
ちょっと驚いたのが、右の pasalai keerai masiyal (ほうれん草の炒め和え)。masiyal という料理名は、今まで認識していたものと全く違っていた(インドとスリランカの違いかも)。一口食べて分かるが、この料理には、タミル・インディアンはフツー使わないのではないかと思われる umbalakada (モルディヴ・フィッシュ) がゴリゴリに使われていた。そんなこともあって、シンハラの thel dala (油炒め) に近い印象。
kathirikkai gothsu (揚げ茄子のマスタード・ソース添え)。この画像だと分かりにくいが、揚げ茄子にマスタードのソースがかかっている。好きなものの組み合わせなので、美味しくならないはずがない。それにしてもこの gothsu という料理名もイメージしていたものと全く違って混乱した。これもインド人とスリランカ人の違いなのだろうか。 ↑
muttaikose sundal / muttaikose poriyal (キャベツのココナッツ蒸し炒め) と parangikkai pachadi / poosanikkai pachadi (南瓜のココナッツ煮込み)。
sundal という料理は、基本的にひよこ豆などの豆を使った料理だという認識だったため、訳が分からなくてシェフに質問。もちろんひよこ豆などが入ったものもあるけど、そもそも sundal だとか masiyal といった呼称もそれほど差がない感覚らしく、混ぜるジェスチャーをしていた(笑)。まあ、タミル・インディアンならこの料理は多分 poriyal だと思う。興味深いことに、今回は玉子も使われているらしい。
甘くて美味しい pachadi は思ったよりも thick な仕上がりだったな。使用素材はフツーの黒皮栗カボチャなので、名称的には poosanikkai よりも parangikkai だと思うが、どうなんだろう。
basmati の nei sadham (精製バターを使ったライス) を含めた全景画像もご査収下さいまし。nei sadham は予想を大きく裏切るあっさり味で、むしろ助かった(笑)。
別アングルからも。
食後のデザートは rava kesari (粗挽きセモリナ粉のスウィーツ)、ドリンクは、タミル人に人気の sukku kaapi (ジンジャー・コーヒー)。
↑
rava kesari をひっくり返すと見事なフード・カラーの赤が(笑)。
美味しかったのはもちろんのこと、同じタミルでも南インドとスリランカでは恐ろしく違いがある(←もちろんシェフの個人差もあるだろうが)のだという認識が持てたのはラッキーだったし、色々教えて下さった2人の素晴らしきシェフにも感謝したい。タミル料理、またやって欲しいな。
ごちそうさま。
----------
※参照過去ログ