(その1からの続き)
○運動をするなら朝食前が良い
4時台に自転車で走っていると、年間を通してランニングをしている人を見かけます。
私の場合、多摩川を丸子橋で渡るせいか、冬場など、寒くて暗い中でも、右岸、左岸ともに河川敷や土手の道を走っている人をたくさん見かけます。
(さすがに3時台に走っている人を見るのは稀で、その時間帯は歩いているお年寄りを見かけます)
もちろん、多摩川に向って走る人を追い抜いたり、逆にすれ違ったりと、これから走りに行くのだろうなと思う人も目につきます。
同じ時間帯に走ると、ほぼ同じ地点で見かけたりすれ違ったりするので、おそらく彼らは自分同様に、毎日走ることを日課にしていると思います。
私はさすがに雨の中をブロンプトンで走ったりはしませんが、雨が上がったばかりの道を彼らが走っている姿をみかけると、こちらとは違ってちゃんと防水対策をしているので、おそらく降雨の中も走っているのだと思います。
本で読みましたが、トップランナーと呼ばれる人たちは、毎朝食事前に走っているのだそうです。
人によっては30㎞もの距離を走るそうで、それでは私の通勤時に走る距離の倍をランニングしていることになります。
マラソンの世界記録で平均時速を割り出すと約21㎞/hにもなり、選手になるようなひとは15㎞/h以上、一般ランナーを入れた平均でも8~10㎞/hくらいといいます。
これで42.195㎞を走るというのですから、持久走とはよく言ったものだと思います。
走らない身からすれば、一瞬その速度は出せても、2時間半~4時間以上もの間その速度でその距離を走り続けるなんて、空想もできません。
冬季のマラソンや駅伝などで、並走している自転車が、一時的には一緒に走れても、すぐにみるみる後方へとおいていかれるのも納得です。
そのランナーたちにしてみれば、1時間半から2時間のトレーニングでそれくらいの距離は走れてしまうほど速度がはやいわけで、それなら4時台に練習するのもよくわかります。
朝食が6時でも7時でも、その前にそれだけの距離を走ろうと思えば、おのずとその時間帯になりますから。
空腹時の長時間運動は体に毒じゃないかと思う人もいらっしゃるとおもいますが、運動生理学の観点からいうとそうでもないらしいのです。
本で読んだのですが、食事などをすると血糖値が高くなり、インスリンという膵臓から分泌されるホルモンによって糖の利用が促進されるわけですが、インスリンには脂肪の分解を抑制する作用があります。
空腹時はインスリンが低濃度であり、脂肪の分解が促進される状態にくわえ、運動することで血中のアドレナリンが増加し、これがさらに脂肪分解を促進することで、運動エネルギーとして燃焼されるということです。
いわば、下り坂でブレーキのかかっていない状態の自転車を、さらに追い風が後押ししてくれているようなもので、脂肪の種類が皮下であれ内臓であれ、落ちにくいそれらを落とす目的で運動するのなら、一日の内でもっとも空腹が心地よい朝食前にするのがもっとも相応しいということになります。
そのことを知ってから、この早朝自転車通勤は、やり方さえ間違えなければ、痩せるためにはもっとも効率が良く、効果的ではないかと考えるようになりました。
私は以前、仕事などの場合は、自転車通勤で走り出す前、或いは途中、雨が降った日などは一番電車に乗る前に朝食を食べていました。
旧街道の旅なども、お店がある場所と開店時間の関係から、ブロンプトンに乗る前に食事を済ませていました。
峠越えなどの場合は、いったん走り出してしまえば次にどこで食べ物を口にできるか分かりませんので。
仕事や旅の場合、いったんそれに没頭してしまうと、途中で切り上げて食事をするということがなかなかできません。
サラリーマン時代も、外回りが多いときでも、内勤中心になっても、夜が遅いせいか、朝食を食べる気にならず、お昼まで何も口にせず、それでお昼になってたくさん食べるということをしていました。
だから午後は血糖値があがって眠くなり、短い時間でも昼寝をしないともちませんでしたし、昼夜の暴飲暴食につながって太っていったのだと思います。
この年齢になって思うのは、そんな生活を続けていたら、確実に病気になる、否、もうなりかけているということです。
そこで、通勤であろうと、トレーニング方々のお散歩や旅の場合であろうと、食事前に運動をするようにシフトするようになりました。
仕事やトレーニングの場合、都内に行けばだいたい24時間営業のファストフード店があり、午前4時ないし5時から朝食の提供をしています。
旧街道旅の場合は、電車に乗る前、或いは下車直後にコンビニで飲み物と一緒に、おにぎりや調理パンなどを購入しておきます。
街道沿いにあるベンチのある場所で食べるのですが、山登りと違って往来する人から奇妙な目で見られることはあるものの、健康的だからと気にしていません。
○メディアに生活を支配されずに済む
これは私の個人的な側面が強いのですが、こんなに朝早くまとまった時間を自転車で走るということは、その時間に余計なことをせずに済みます。
具体的に言うと、朝にテレビだのインターネットだのにとらわれずに済むのです。
朝だけではありません、午前2時半に起きようと思ったら、21時前には寝ないと6時間以上の睡眠時間はとれません。
自分の間隔では、睡眠時間は7~8時間が理想ではありますが、歳をとってきてトイレなどで夜中に目が覚め、二度寝をするような場合でも、最低でも6時間は確保したいところです。
巷では「ショートスリーパー」なる言葉もあり、量よりも質だと主張する人たちもおりますが、それでも睡眠時間が短い人は、その分覚醒している時間を有効に使えるかといえばそうでもなく、また関係ないとは言いつつも、健康上のリスクは抱えていると思います。
夜にはやく寝なければならないということは、寝入りもよくしなければなりませんから、寝る寸前までダラダラと発光体メディアを観ていたら、当然よろしくないのです。
その内容が渇望を煽るようなものなら尚更です。
小学生の頃は、ごく常識的にテレビを観るのは21時迄といわれていました。
テレビだけではありません。
勉強だって、遅くまでしたから良いというものではないと、ごく一部の、受験熱を煽るような人たちを除き、良識的な大人なら子どもに諭していました。
そして、眠る前には枕辺で本を音読してくれました。
思えば、あれが私の読書の原点です。
だから私は今でも、寝る前に最後に目にするのは良質な本にしたいと思っています。
だいたい、子どものころから夜遅くまでテレビを観ていた日に限って変な夢を見ることが多く、その分眠りも浅くなっていたと思っています。
さらに、胃袋のことを考えたら、16時くらいには量を控え目にした夕食をとって、すぐに歯を磨いてしまい、後は何も口にしないというのが理想です。
こうすれば、メディアによるフードポルノ(いわゆる夜食テロ)から身を守るためにも、テレビやインターネットとは距離を取ろうということになります。
摂食障害の人たちは、そこまでして「食べたい誘惑」から距離をとるということを聴いて、肥満のまま全然痩せることのできない自分も、他人事ではないと感じました。
朝もそうです。
テレビはないし、起きて身支度をしてすぐ家を出る関係で、パソコンのスイッチなど入れている暇も、スマホを確認して返事を認めている時間も無いので、朝から聴くのも嫌なニュースに接したり、誰かのメッセージに反応したりすることもありません。
だいたい午前2時台にSNSやメールに返信したら、相手に迷惑がられるだけでなく、どんな生活サイクルをしているのか、或いは海外に居るのかと不思議がられてしまいます。
むかし、インターネットも携帯電話も無かった時代の方がずっと幸せだったと認識している自分は、これらメディアと距離をとるためにも、自転車で走って運動していた方がよいのです。
だから、いくら朝の道路が空いているからといって、走りながら、或いは信号待ちのさなかに何かを確認するためにスマホを覗くということもありません。
不思議なもので、その時間に携帯電話で喋りながら、あるいはスマホをいじりながら、視線を落としたまま歩く人たちを少なからず見かけて、あのようになりたかった自分がいたからこそ、いまこうして朝につとめて運動をしている自分が居ると思っています。
(その3に続く)