「しも」のお世話
自分で寝返りも打てない程 終わりは近づいていた
それなのに、、「しも」の世話 だけは家族にさせることを拒んだ
リハビリパンツ(紙おむつのパンツタイプ)を着用しており、
早朝家族が起き出す前に自分で穿き替えるという。
「この状態で、そのエネルギーが残ってるのかしら?」
それでも、最後の力を振り絞って自分の「しも」の始末をする
それが、この方の 【プライド】 なのだ
それでも、どうしてもシーツが汚れてしまうことがある
それを取り替えることすら拒否し、「ご本人 vs 家族」のバトルとなる
声を振り絞って「やめてくれ」 と手を合わせる本人
そんな訳にはいかない、ビショビショのシーツは取り替えさせてもらう、と家族
「それ、手を摑まえてて!横向きにさせて!」 と結局は家族が力で勝利
訪問看護に行くと、そんな話をご家族と笑ってできるようになっていた
大変だけど、本人のプライドを大事にしながら、家族の生活に溶け込んでいる
これが在宅の醍醐味だ
食べられなくなる
(わたしたちの)在宅ターミナルケアは、原則として点滴を行わない。
口から食べられる間は、少しずつでよいから患者さんの食べたいものを
選んで用意するようにご家族にお話する。
どんな患者さんでも亡くなる前には食欲が落ちてきて、まず形のあるものが
食べられなくなり、そのうち水も飲めなくなる。そのことを訪問の度にご家族
に説明し、十分理解できるようにサポートする。在宅で看取るということは、
この状態を家族が受け入れ、気持ちを落ち着けて見守るということだ。
とてもシビアな局面だけれど、初め戸惑っていた娘さんも訪問を重ねる毎
に 「自信と覚悟」 の表情に変わってきた。
食事が摂れなくなって1週間目、訪問すると娘さんが笑いながら話した。
「今朝おじいちゃんが、バナナを刻んで牛乳かけて持ってきて、って言ったの。
そんなの食べられないと思ったけど、バナナ買ってきて小さく刻んで、さとうと
牛乳をかけてベッドの横に置いたのよ。そしたらやっぱり食べられなくて、ひ
と口までいかないちょっと舐めたくらいでダメだった」
と少し残念そうに、少し笑った。
私 「すごい!少し口から入れられたんですね。食べたいと思う気持ちがある
ことがスゴイです。それにそのリクエストに娘さんがちゃんと応えて、言った
通りのものを用意したんですね。それでいいんです。それで満足なんです。
お腹いっぱいの満足じゃなくて、そうしてくれたことに(おじいちゃんは)満足
してるんですよ」 在宅ならではの良さを実感する。
そのうち水分も摂れなくなる。こうしたこの先予測される症状や状態を
先回りしてご家族に伝えるのが看護師の役割だと思っている。
とても重いけれど、患者さんとご家族の笑顔に私も支えられている。














