~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~ -102ページ目

~100年企業を目指して~理念浸透と人材育成の教科書~

100年続く会社の生存率を考えると奇跡に近い。1代の経営者で終わらず4~5代の経営者がバトンを繋ぎ続ける。そこに何かロマンを感じますね。どんな秘密があるのか。経営の量ではなく、経営の質に拘ったコンテンツをお送りします。

『オイシックスから学ぶ理念浸透 その2』
 
前回は「創業者の原体験を体感する」というお話でした。
今回はオイシックスから学ぶ経営理念浸透、第2弾です。
 
 
ご存知の通り、オイシックスは食品を扱うeコマース事業です。
eコマースのeは「electronic」ですね。
 
楽天をはじめとして、証券や旅行など
様々な分野でeコマース事業が広がっています。
 
 
オイシックスのお二人から話を聞いていると、
eコマースのeは「electronic」ではない気がしてきました。
 
 
オイシックスのeは「emotion」なんです。
 
生産者がどのような思いで、
こだわりの食材を作っているかを知る。
 
安全で安心な食材を作ろうとすれば、
それだけコストもかかりますし、
リスクも伴いますし、手間暇もかかるでしょう。
 
生産者の気持ち(=emotion)を汲み取った上での販売を
心がけていると思うんです。
 
 
さらにはユーザーの「emotion」。
ユーザーに直接インタビューをしに行き、
ご要望をお聞きしたり、
ユーザーに集まってもらい、
ユーザー目線で率直なフィードバックを貰う。
 
売って終わりが多い商売である中、
勇気をもって真摯にユーザーの声に耳を傾けています。
 
 
eコマースというと、どのように賢くやるか、
知恵の競争のようなイメージを持っていました。
 
でもオイシックスからは、ヒト対ヒトの「泥臭さ」を感じたのです。
 
生産者とユーザーの「emotion」に寄り添っているからでしょう。
 
 
eコマースだからこそ「emotion」を大切に。
それを教えて戴きました。
 
 
インタビューをご覧になりたい方はこちら
⇒https://asp.jcity.co.jp/FORM/?userid=czero&formid=109
 
『オイシックスから学ぶ理念浸透 その1』
 
食品流通に大きな変革を起こし、
成長し続けているオイシックス。
 
私はリピーターの一人ですが、
皆さんは利用されたことはありますか?
 
オイシックスのように急成長を遂げる中、
経営理念を風化させないことは至上命題であり、
非常に難しいことですね。
 
どのように理念を浸透させているのでしょうか?
インタビューはこちら。
⇒http://cst-zero.com/interview/
 
 
面白い!と感じたことは、
創業者の「原体験」を社員は必ず毎年体験するということ。
 
厳選された農家から仕入れを行っていますが、
その農家と同じような体験をしてみる。
その過程で生産者の苦労やこだわりを五感で理解する。
 
配送されてきた食材だけを見ていても、
そこには何もストーリーが見えてきません。
生産者の顔も見えないし、生産者の思いも見えづらい。
 
生産者の現場で、五感で感じたことは、
お客様にリアルなストーリーとして伝えられます。
 
恐らく自信と誇りを持って、
お客様へ提供されているのではないでしょうか。
 
 
理念を浸透させるために、
多くの企業は「言葉」で伝えますね。
どのような「言葉」で解説すれば理解するかと試行錯誤する。
 
でもオイシックスのように「言葉」ではなく、
「体験」で伝えるということもできます。
 
企業研修等でも「言葉」で理解するよりも、
「体験」から理解した方が、
抵抗感がなく、腹落ちして、記憶に残りやすい
という傾向があります。
 
 
あなたの会社の経営理念。
これを「体験」から学ぶことができないか。
 
この視点で見直してみましょう。
 
伊那食品工業の塚越会長と
人と経営研究所の大久保所長の対談。
 
お二人の会話から中小企業経営における
理念と実践のエッセンスを抽出します。
 
パート2です。
 
 
・会社はスタート時点では小さくて貧乏でもいい。
 少しずつゆっくり常に上がっていったら、みんなが
 希望に満ちている。「末広がり」を大切にしている。
 
・芯を中心にすべての方向にバランス良く伸びている木は、
 最高の建築用材となる。良い木ほど目が詰まっている。
 毎年少しずつ、ほんのわずかでも成長し続ければ、
 目が詰まっている良木になれる。
 
・「忘己利他」こそが永遠の真理。
 「我利」だから70%の中小企業が赤字。
 とはいっても、お人よしの「忘己利他」では困る。
 社是にあるように「たくましく」が必要。
 経営はビジネスだから。
 
・人件費は経費ではなく経営の目的。
 
・憲法に27条に「すべて国民は勤労の権利を有し義務を負う」
 と書いてある。働かないことは憲法違反。
 学校では「権利」しか教えない。本当は権利と義務は同じ。
 「自由」と責任も同じこと。「社員としての義務がある」と
 社員たちに教えている。
 
・「苔むす会社にしたい」と言っている。
 永続する会社にするという意味を含んでいる。
 
 
※引用:映像本『いい会社をつくりましょう』
伊那食品工業の塚越会長と
人と経営研究所の大久保所長の対談。
 
お二人の会話から中小企業経営における
理念と実践のエッセンスを抽出します。
 
パート1です。
 
 
・伊那食品工業の社是は「たくましく そして やさしく」
  たくましさは経済。やさしさは道徳。
 二宮尊徳は「経済なき道徳は寝言である、
 道徳なき経済は犯罪である」と言っている。
  いい会社の定義は、経営者だけにいい会社ではなく、
 「会社を取り巻くすべての人々が日常会話でいい会社だね」
 と言ってくださるような会社。
 
・商いの基本はファンづくり。その会社が好きだ、あの会社が
 やっていることが好きだ、あの会社の方針が好きだ、という人が
 増えたら急成長などしなくても、確実に商品が売れていく。
 
・最初に伊那食品工業を引き継いだ時は、
 機械も技術も人もいない。あるのは借金だけ。あるのは従業員。
 彼・彼女らがどうしたらモチベーションが上がるか、
 それがずっとテーマだった。
 
・17歳から3年間の闘病生活。
 その時に人生とは何かを真面目に考えた。
 働けること、太陽の下を歩けること、
 がどれだけ幸せかと思った。
 20歳の時に「どんな職業でもいい。何でもいい。
 働けるだけ幸せだ」と思った。
 
・遠きをはかる経営。目先の損得ばかり考えていると上手くいかない。
 長期的な視野で見なければいけない。
 二宮尊徳は「遠きをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す。
 それ遠きをはかる者は100年のために杉苗を植う」と言った。
 私はこれを座右の銘にしている。
 
 
※引用:映像本『いい会社をつくりましょう』

前回に引き続き、大久保先生の著書
『月曜日の朝からやる気になる働き方』
からご紹介します。

■伊那食品工業での話。ここは年功序列を維持している。
 会社見学に来た経営幹部が質問をした。

 「この会社で年を取らないと偉くならないでしょう。
 悔しくないですか?昇進意欲・競争心はないですか?

 その質問にある社員はこう答えた。
 「昇進意欲はありません。競争心もありません。
  でも成長意欲は誰に負けないくらいあります」

 競争がなくても成長意欲を維持できていることを
 この会社の社員は見事に証明してくれた。

■私は学校の先生の研修会でお話をする時に、
 「子供たちに『夢を持ちなさい』と言うのは止めてほしい」と
 言っている。
 それを聞いて、はいそうですか、と
 夢を持つようになることはない。
 
 そうではなく夢を持てるような話をしてほしい。
 そのためには夢に向かって邁進している人たちの
 話をたくさん聞かせてほしい。

■顧客満足というが、
 顧客「が」満足する、顧客「に」満足を与えるか、
 それとも顧客「を」満足させるか。
 どうもしっくりこない。
 
 伊那食品工業もBAGZYも「人」を見ている。
 顧客「も」満足するが最も正しいのではないか。
 
 社員「も」満足、お客様「も」満足、
 地域「も」満足、企業「も」満足。
 すべての満足が「も」で結ばれている。

※参考・引用 : 『月曜日の朝からやる気になる働き方』