フリッツ・ヴンダーリッヒ モーツァルト 歌劇「魔笛」 今後現れるかどうか分からない理想のタミーノ | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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3日続けて、ヴンダーリッヒ、と言うより3日続けてのYouTubeチャンネル「オペラ対訳プロジェクト」からのご紹介です。今日は、ついにオペラ(笑)カール・ベーム指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるモーツァルト歌劇「魔笛」です。1964年録音。

 

配役や演奏者、録音データは下記。

モーツァルト:歌劇『魔笛』 K.620 全曲


 ザラストロ:フランツ・クラス(バス)
 夜の女王:ロバータ・ピーターズ(ソプラノ)
 パミーナ:イヴリン・リアー(ソプラノ)
 タミーノ:フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
 パパゲーノ:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
 パパゲーナ:リーザ・オットー(ソプラノ)
 弁者:ハンス・ホッター(バス)
 モノスタトス:フリードリヒ・レンツ(テノール)
 第1の武者:ジェイムズ・キング(テノール)
 第2の武者:マルッティ・タルヴェラ(バス)
 第1の侍女:ヒルデガルト・ヒレブレヒト(ソプラノ)
 第2の侍女:ツヴェトカ・アーリン(ソプラノ)
 第3の侍女:ジークリンデ・ヴァーグナー(メゾ・ソプラノ)
 RIAS室内合唱団
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 カール・ベーム(指揮)
 録音時期:1964年6月18-25日
 録音場所:ベルリン、イエス・キリスト教会

 

フリッツ・ヴンダーリッヒの声や歌唱の素晴らしさは昨日も一昨日も書きましたが、もう少し乏しい語彙を捻り出しながら言ってみると…

 

まずは伸びやかな声、高い声も苦しそうなそぶりなど少しも見せずに朗々と輝かしい響きを聴かせてくれます。そしてその声の質。まずはけっして女性的な弱さなど感じさせないビンと筋の通った響き。それでいながらどこか青年のような凜々しさを漂わせ、同時に貴公子的な気品を常に感じさせる歌唱。まさしくシューベルトの「美しき水車小屋の娘」やシューマンの「詩人の恋」がこれ以上に合う人はいないと思わせる声の質と歌唱スタイルと言って良いと思います。そして、それ以上にこの人の声、歌唱にぴったりなのが「魔笛」のタミーノではないでしょうか。

 

「魔笛」と言うオペラ、台本を真面目に読むとどう解釈して良いか分からなくなってしまうようなところがありますし、特にこのタミーノという人を台本だけからイメージすると、どうもかなり情けない人物になってしまいそうです。あちらにふらふらこちらにふらふら、心も態度も定まらず、お人好しなのかバカなのか…(笑)

 

しかし、これをヴンダーリッヒの声で聴くと、そんな情けなさのようなものは微塵も感じられなくなります。そしてパミーナが命をかけて守ろうとするのが納得できてしまうのです。そうすると…、台本のわけのわからなさが聴き終わる頃には何の問題でも無いように思えてしまいます。それがモーツァルトの音楽の力、なのですが、そのモーツァルトの音楽が求めた、このオペラでの理想のタミーノ。たぶん今後現れるかどうか分からない理想のタミーノこそ、フリッツ・ヴンダーリッヒだったと私は思いました。この録音もまた、ヴンダーリッヒの遺した大切な遺産の一つだと思います。

 

「魔笛」については以前にも記事投稿したことがあります。その時ご紹介したのはクレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏。夜の女王を歌っていたのが、ルチア・ポップでした。

 

 

 

 

 

モーツァルト 歌劇≪魔笛≫(SHM-CD) カールベーム(cond)

この歌劇《魔笛》はベームにとって2度目の録音(第1回録音はDECCAレーベルにウィーン・フィルと録音。
1955年)。
若きヴンダーリヒのタミーノをはじめ、フィッシャー=ディースカウのパパゲーノなど、素晴らしい布陣による《魔笛》です。
ベルリン・フィルの格調高く豊かな響きが作品全体を包み込み、唯一無二の名演を確固たるものにしています。

 

 

 

モーツァルト:歌劇「魔笛」全曲

オットー・クレンペラー指揮が生み出す線の太い流れ、このオペラの魅力が充分に聴ける。端役まで豪華キャストで固めた決定盤。

 

 

 

 

 

 

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