ヘルムート・リリング「ブルックナー:ミサ第2番/詩篇第150番/テ・デウム」より詩篇第150番 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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ブルックナーの合唱曲を聴こうと思い引っ張り出したのはヘルムート・リリング指揮シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウムの演奏による「ブルックナー:ミサ第2番ホ短調/詩篇第150番/テ・デウム」というアルバムでした。今日は「詩篇第150番」を。ソプラノ独唱はパメル・コバーン。

 

「詩篇第150番」については以前にも記事投稿しています。その時はマリア・シュターダのソプラノ、ヨッフム指揮ベルリン・ドイツオペラ合唱団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をご紹介しています。

 

前のブログ記事にも作曲された事情などは少し書いていますが、作曲されたのが1892年ですからブルックナーの最晩年の曲の一つと言えるかも知れません。(1892年というと交響曲第8番も5年前に完成させていた時期なのです。)

 

「『詩篇第150番』ハ長調(WAB38)は、アントン・ブルックナーが作曲した合唱曲。
1892年、ウィーン国際音楽演劇博覧会が催されることになり、ブラームスのもとに祝祭のためのカンタータ作曲の依頼が届いた。しかしブラームスは、依頼を持ち込んだリヒャルト・ホイベルガーに対してこう返答した。
「    身にあまる光栄で感謝しておりますと、失礼のないようにお伝えください。イベント関係には関わりたくないんだ。ブルックナーに頼むよう取りはからってよ。    」
ホイベルガーはブラームスに言われた通り、ブルックナーに博覧会の開会式のために作曲するよう打診した。1891年12月23日のことである。開会式は1892年5月7日だったが、ブルックナーはこの日に作品を間に合わせることができなかった。5月21日、ブルックナーはヴィルヘルム・ゲーリケへの手紙にこう書いている。
「    ホイベルガー氏が私に送ってきた詩篇第150番は、まだ完成していません。というのも私は足の痛みに悩まされており、それがしばしば障害となっているのです。    」
そもそも作曲のために与えられた期間が短かったことに加えて、当時ブルックナーは健康上の問題を抱えていた。医師たちの診察によれば、動脈硬化、心不全、下肢水腫、静脈瘤、肝硬変、真性糖尿病などを抱えており、いずれも治癒不能と判断されていたのである。おまけに、4月29日まで『ドイツの歌』(WAB63)の作曲に取り組んでいたことも、『詩篇第150番』の作曲が進まなかった理由のひとつと考えられる。
6月29日、『詩篇第150番』はようやく完成された。10月9日の閉会式で演奏されることに決まり、今度は披露するまで時間的余裕ができた。7月7日と11日、ブルックナーは『詩篇第150番』に修正を施している。
10月9日の閉会式で演奏される予定だったが、しかし博覧会に多額の赤字が生じたこともあって、閉会式における演奏は取りやめとなってしまった。11月13日、ヴィルヘルム・ゲーリケの指揮によりウィーン楽友協会の第1回演奏会において初演された。」(Wikipedia 詩篇第150番 (ブルックナー) より)

 

演奏時間は9分前後の曲ですが交響曲作家としての地位を確立した時期のブルックナーの作品らしく充実した管弦楽、ソプラノ独唱を伴う聴き応えのある作品になっています。イベントのセレモニーで歌われるにふさわしい華やかさと内容の深さを兼ね備えたロマン派合唱作品の傑作の一つと言って過言では無いと思います。

 

今日聴いたリリング/シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊もそうした曲の性格にふさわしいスケール感と華やかさを感じさせてくれる好演でした。

 

ちょっと今日は疲れているので、テ・デウムとミサ曲第2番は後で聴くことに(笑)

 

それでは、また。

 

 

「ヘルムート・リリング(ドイツ語: Helmuth Rilling, 1933年5月29日 - )は、ドイツの合唱指揮者・音楽教育者。
(中略)
まだ在学中の1954年に、最初の自前の合唱団ゲッヒンガー・カントライ(Gächinger Kantorei)を設立する。1957年に、シュトゥットガルト記念教会(Stuttgart Gedächtniskirche)オルガニストならびに楽長として1998年に教会音楽家を定年退職するまで活動開始。1963年から1966年まで、オルガンや合唱指揮を指導する傍ら、シュパンダウ合唱団を育成した。

1967年にニューヨークでレナード・バーンスタインに師事。同年フランクフルト州立音楽大学の合唱指揮の教授に任命され、1985年まで同校で教鞭を執る。1969年にフランクフルト合唱団の指揮者に就任。1965年からシュトゥットガルト・バッハ・コレギウムを設立。同団体は必ずゲッヒンガー・カントライとも共演しており、リリングは両団体と幅広く演奏旅行を行なっていて、日本にも数回以上来日し、講習会などを通じて多くの教え子を持つ。

リリングはバッハの専門家として世界的に知られる。リリングはバッハの合唱曲を全曲録音した最初の人物であり、170点以上にのぼるCDに1000曲以上が収録されている。古典派やロマン派の、管弦楽伴奏つき合唱曲の専門家としても評価が高く、ブラームス作品などのレパートリーがある。1988年には、再発見されたばかりの《ロッシーニのためのレクイエム》を世界初演し、録音した。長らく現代楽器による現代奏法による素朴でオーソドックスな音楽作りであったが、2000年代になってからはガーディナーやノリントンの古楽の奏法をようやく受け入れ、以後それに従って演奏解釈を実践している。」(Wikipedia ヘルムート・リリング より)

 

Bruckner:Te Deum/Psalm 150/

ブルックナー テ・デウム WAB 45
パメラ・コバーン (ソプラノ)
インゲボルク・ダンツ (アルト)
クリスティアン・エルスナー (テノール)
フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ (バス)
シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム 
ヘルムート・リリング  (指揮)
 
ブルックナー 詩篇第150篇 WAB 386.
パメラ・コバーン (ソプラノ)
シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム 
ヘルムート・リリング (指揮)
 
ブルックナー ミサ曲第2番 ホ短調 WAB 27
シュトゥットガルト・ゲッヒンゲン聖歌隊、シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム 
ヘルムート・リリング (指揮)
 

 

 

 
 
 
 
 

 

 

 

 

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