そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」第133話「完了してみた」『収納』の威力! | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」、3月29日「133 完了してみた」が公開されています。

 

酔っ払いのふりをして大声を上げたハックとトーシャに気付いたレオナの声が…

 

『 すぐに、頭の中に声が響いた。

『ハックパイセンっすか?』

「おう。トーシャも一緒だ」

『今の声、耳に布巻かれてても聞こえたしい。通話もすぐ通じたから、二十メートル以内ってとこっすね。助かったあ、プリーズ、ヘルプっす』

「ということはやっぱり、目の前の蔵の地下だな」』

 

地下牢はどうやら塀を越えてすぐの所らしく…

『塀越しに覗いて、ほぼ闇の中を観察すると。

 裏壁の下部ほとんど地面すれすれに、かすかな明るみが見えた。

 当然煌々とした照明があるはずもなく、牢の前辺りにわずかな明かりを灯しているのだろう。

 トーシャと二人、塀を越えてそこに近づく。』

 

部屋の数や見張りの数など色々と状況を質問したハックは軽く言います。

「なら君は、勝手にさっさと出てこい」

助けてくれるんじゃないの、と言うレオナにさらに軽く、面倒だ、というハック。

 

手足の拘束も目隠しも、さらには牢屋の錠もすべて『収納』で取り除くことができるだろう、と。目と耳と口を塞がれていた物が無くなれば自分たちの魔法で見張りなど簡単に倒せてしまいます。

 

『蔵の陰から覗いていると、間もなく、二人が庭に駆け出してきた。

 一直線に門に向かいながら、口に呟いている。それぞれの詠唱だろう。

 外を向いていた見張りが、気がついて振り向く。

 その顔に、いきなり火と水が炸裂した。

 うが、とくぐもった悲鳴が漏れる。

 そのまま三発ずつの連続攻撃で、見張りはそれ以上声もなく倒れていた。

 住居の方に騒ぎの気配がないのを確認して、こちら二人、門の方に歩いていった。

「無事完了、だな」』

 

いざこざに巻き込まれる前に、このまま、今夜の内にこの地を出よう、と言うハック、トーシャにレオナは言います。

「こんな目に遭ってあいつらをこのままにしてるの、悔しいじゃないっすかあ。一発でも仕返ししたいしい」

『「いや、でも」ジョウが首を傾げた。「確かあいつら、言ってた。この屋敷、商会長とかのものらしいすけどその会長に協力させて、自分らはこっちの兵に見つからないように中の隠し部屋に潜んでいるみたいなこと」

「ああ。じゃあ殴り込んでもすぐにターゲット見つけられないかもしんない、と」

「そうだな」トーシャも頷く。「まあ腕に覚えのある奴らなら、騒ぎになったら勝手に出てきそうだが。その辺ややこしくなって時間がかかったら、こっちが強盗扱いにされて面倒になるかもしれない」

「そうすねえ」』

 

そんな会話をしている三人にハックはまた軽く言います。

「さっさと済ましてしまおう。もしこっちに向かってくる奴がいたら、トーシャに任せた。逃げる奴らは二人、火と風で脳天を削って足止めしろ」

「え、え?」

「一瞬で騒ぎになるから、準備しておけよ」

 

「地面より上にあってこの壁から連続して接している固体を、すべて『収納』――ただし人間が身につけている猿股パンツだけ除外」

以前の男爵邸の再現(86 派手にやってみた)、でした。(教育的配慮のため一部修正したのだそうです(笑))

 

建物が消え裸の男たちが叫び蠢く中、トーシャたち三人によってその場はあっという間に制圧されてしまいました。

 

『「完了でーーす」

「三つの牢屋に分けて、全員収監してきたす」

 まあ『収納』を使えば鍵を必要とせず錠前の掛け外しができるのだから、手間もかからない。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

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不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

 

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