今日はチャイコフスキーの交響曲第3番「ポーランド」をヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で。(1979年録音)
チャイコフスキーの交響曲というと第4番~第6番の後期の3作は人気曲でコンサートなどでも取り上げられる機会が多いのですが第1番~第3番はそれに比べると圧倒的に演奏機会が少なくなります。特に第3番はなかなか聴く機会のない曲の一つかも知れません。
カラヤンはチャイコフスキーを得意としていましたし第6番「悲愴」などはかなり多くの録音を遺しているのですが、その彼にしても初期の3作は実演では演奏記録が無いらしく、チャイコフスキー交響曲全集として録音された物が唯一の演奏記録らしいとのこと。
演奏はさすがにカラヤン/ベルリン・フィル。素晴らしいアンサンブルと艶やかな響きを聞かせてくれます。確かに後期3作と比べると地味かも知れませんが、ピアノ協奏曲第1番や白鳥の湖など名作を続けて生み出していた頃のチャイコフスキーの作品ですから魅力的な旋律も多く、活きの良さなど後期3作には無い魅力も感じられる音楽が聴けました。
こちらは東京都交響楽団音楽監督大野和士さんによるチャイコフスキー交響曲第3番の楽曲解説です。
当代一流の指揮者がどのように音楽に接しどのように分析していくか、とても興味深い動画でした。
「交響曲第3番 ニ長調(ロシア語:Симфония No.3)作品29は、ピョートル・チャイコフスキーが1875年に作曲した作品。『ポーランド』の愛称で知られている。
今や名曲の誉れ高い『ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作品23』を書き上げてから数ヶ月経過した1875年6月17日に作曲を開始、同年7月2日にはほぼ書き上げており、作曲開始から約2ヶ月経った同年8月13日にはオーケストレーションまで完了させている。当時、チャイコフスキーはモスクワ音楽院に於いて教鞭を執っており、そこで教えていた学生の一人で才能を高く評価していたウラジーミル・シロフスキーと親友関係を築き上げていた。そのためか、1870年代、チャイコフスキーはウクライナのウーソヴォにあったシロフスキーの住まいをしばしば訪れており、当交響曲の作曲を開始した時にもウーソヴォに滞在していた。当交響曲はシロフスキーに献呈されている。オーケストレーションを終えてから約3ヶ月経過した1875年11月19日、モスクワで開催された第1回ロシア音楽協会演奏会に於いて、ニコライ・ルビンシテインの指揮により初演され、好評を博した。」(Wikipedia 交響曲第3番 (チャイコフスキー) より)
チャイコフスキー:交響曲第3番「ポーランド」、イタリア奇想曲
実演ではまったく演奏していないチャイコフスキーの初期交響曲。終楽章のポロネーズのリズムから《ポーランド》と呼ばれている第3番も録音はこの1種類だけで、独特のリズムを巧みに取り入れ、洗練された音楽に仕上げています。余白には1966年録音のイタリア奇想曲を収録しています。
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