今日はバルトークの「管弦楽のための協奏曲」を、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏で聴きました。(1965年1月録音)
さすがに同郷の作曲家の作品だけ有って、セルも気合いが入っているようです。磨き抜かれたアンサンブル、熱く厳しい表現。
聴き応えのある演奏、なのですが最終楽章の終盤、今まで聴いていたこの曲とはちょっと違っています。かなり大幅な、カットと改変がなされているのです。
パブリックドメイン音源を取り扱っているサイト、「クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~」の記事によると、セルはこの曲が初演されてからあまり間がない持期にコンサートで取り上げているのですが、その時にすでに同様のカット(アレンジ)が行われていたのだとか。
「426小節から555小節までをバッサリとカットし、それでは飽きたらずに、カット前の418小節のフレーズを4回繰り返すというセル独自の改変(暴挙?)を行っているのです。
そして、友人からカットの理由を聞かれたセルは、明確に「弱点の改善」だと答えています。それも、バルトークが本当は改善したかったように改めてやったので、それこそが正しいというスタンスをとっていたようです。」(クラシック音楽へのおさそい~Blue Sky Label~ | バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116 より)
このカット(アレンジ)をどう受け止めるかも含め、これはとても聴く価値のある演奏では無いかと思います。
現代音楽に対する演奏家と作曲家のあり方も考えさせられますし、またかつては神童と呼ばれた作曲家でもあったセルの音楽的感性もここに表れているのかも知れません。演奏の完成度も高く、とても聴き応えのある演奏でした。
「管弦楽のための協奏曲(かんげんがくのためのきょうそうきょく)は、バルトーク・ベーラが1943年に作曲した5つの楽章からなる管弦楽曲である。バルトークの晩年の代表作であり、最高傑作のひとつにも数えられる。
原語曲名:Concerto for Orchestra(英語)
演奏時間:約38分
なお作曲者の総譜上の指示は「第1楽章9分48秒、第2楽章6分17秒、第3楽章7分11秒、第4楽章4分8秒、第5楽章8分52秒(改訂前の結尾[1])で、全曲はおおよそ37分。」
作曲時期:総譜のバルトーク自身の書き込みによれば、1943年の8月15日から10月8日にかけて作曲。
初演:1944年12月1日にボストン市にてセルゲイ・クーセヴィツキー指揮のボストン交響楽団による。
この曲は1943年当時ボストン交響楽団の音楽監督だったクーセヴィツキーが、自身の音楽監督就任20周年を記念する作品として、また亡くなったナターリヤ夫人の追憶のための作品として、彼女と共に設立した現代音楽の普及を目的としたクーセヴィツキー財団からの委嘱としてバルトークに作曲を依頼したことにより作曲された。
アメリカへ移住したバルトークは環境の変化になじめず、創作の意欲を失っていた。アイディアを全く持っていなかったわけではなかったが、この委嘱が無かったら、弦楽四重奏曲第6番がバルトークの最後の作品になっていたであろうと考えられている。更に1943年の2月に健康状態の悪化で病院に入院してしまい、ライフワークである民俗音楽の研究すら思うように出来ず、ピアニストとしての活動も難しくなり、戦争による印税収入などのストップによる経済的な困窮も相まって強いうつ状態にあった。
バルトークがハンガリーから移住する手助けをしたヨーゼフ・シゲティやフリッツ・ライナーは、バルトークが労働の対価以外の援助を受け付けないことをよく知っており、支援のために、周囲の音楽家にバルトークの作品を演奏してもらうことを提案していた。その中の一人が20世紀音楽の紹介者でもあったクーセヴィツキーだった。シゲティから1943年の4月に『弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽』を演奏してもらえないかとの手紙をもらったクーセヴィツキーは、シゲティに「今からプログラムを変更するのは難しいが、他の方法で彼を助けることができると思う」と手紙を送った。
それから数週間後、クーセヴィツキー財団がバルトークのもとに作品委嘱の依頼状を送り、クーセヴィツキーも見舞いとしてバルトークの病室を訪問した。ブージー・アンド・ホークス社の現在の版の前書きによると、クーセヴィツキーは委嘱代として当時破格の1000ドルの小切手を持参。バルトークは委嘱はうれしいが体力的に作曲できるかわからないと渋っていたが、クーセヴィツキーは「財団が決めたことで(断るといわれても)私には選択権がない」「この委嘱には期限がない」と説得し、バルトークは病院を退院した後の5月26日に、クーセヴィツキー財団に委嘱を承諾するという返信を送った。
この委嘱はバルトークに創作意欲を取り戻させただけでなく、周囲の人には生命力さえ呼び起こしたように見えたようだったという。結果的には「作曲者・著作者・出版者のためのアメリカ協会 (the American Society for Composers, Authors, and Publishers) 」の世話で滞在したニューヨーク郊外のリゾート地・サラナックレイクで作曲に着手すると、たった2ヶ月でこの作品を仕上げる。その後1945年に死去するまでこの曲以外にも『無伴奏ヴァイオリンソナタ』や『ピアノ協奏曲第3番』などの作品を残している。」(Wikipedia 管弦楽のための協奏曲 (バルトーク) より)
バルトーク:オーケストラのための協奏曲/ヤナーチェク:シンフォニエッタ
豊かな音楽性を実現するためのアンサンブル能力の徹底的な向上──。セルとクリーヴランド管弦楽団が目指した高邁な哲学が最高度に発揮されるバルトークの「管弦楽のための協奏曲」。今なお色あせない独特の色彩感が魅力的な録音です。また、2009年に社会的大ベストセラーとなった小説でもこの演奏が取り上げられ、人気が急上昇したヤナーチェクの「シンフォニエッタ」も、きわめて説得力の高い迫真の演奏が展開されています。セルが祖国ハンガリーはじめ東欧の作曲家の作品にも深い共感をもって取り組んでいたことが分かります。
The Complete Columbia Album Collection
20世紀オーケストラ演奏史の頂点を極めた、セル+クリーヴランド管の全録音をソニー・クラシカル史上初めてCD106枚に集成したメガ・コレクション。■カップリングは基本的にコロンビアおよびエピック初出アメリカ盤LPに基づき、紙ジャケットには初出盤のジャケット・デザインを使用しており、それぞれの時代を反映したアメリカらしいアートワーク(かる審美眼の厳しいセルがオーソライズしたデザイン)を手にとって見られるのもこのボックスセットのポイントの一つです。特に1960年代のCBSのアートワークはハンリエッタ・コンダックなど同社のデザイン部門の優秀なデザイナーによる優れたものが多く、それだけでも大きな価値があるといえるでしょう。 ■リマスターについては、個々の音源で最新のリマスターが使用されています。 ■大判の別冊解説書には詳細な録音データを記載したトラックリストのほか、セルのさまざまな写真が数多く掲載。解説書とディスクは美麗ボックスに収納。コレクターズ・アイテムとしての存在感も十分です。 ■初回生産限定盤 ■仕様: ・各CDはアメリカ盤オリジナルLPジャケット ・デザインによる紙ジャケットに収納 ・写真をふんだんに使ったハードカヴァー&オールカラー別冊解説書付き 「ソニー・ミュージック」
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