フランシスコ・ゲレーロ ミサ曲『偉大なる祭司を見よ』 ラテンアメリカにも響き渡ったスペインの音楽 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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続きはこちらから。(下記リンクからスティーヴン・ライス/ブラバント・アンサンブルによるアルバム「Guerrero: Missa Ecce sacerdos magnus, Magnificat & Motets」全曲お聴きいただけます。)

 

今日聴いたのはルネサンス期スペインの音楽家フランシスコ・ゲレーロのミサ曲『偉大なる祭司を見よ』(Missa Ecce sacerdos magnus)と言う曲です。

 

ルネサンス時代のスペインで活躍した音楽家として以前このブログではモラーレスとヴィクトリアを取り上げています。

 

 

 

フランシスコ・ゲレーロはスペインで初めて国際的な名声を得た音楽家モラーレスとスペイン最大の作曲家と言われるヴィクトリアのちょうど間を埋める世代の音楽家と言えます。

 

「フランシスコ・ゲレーロ(Francisco Guerrero, 1528年10月4日? – 1599年11月8日)はルネサンス時代に活躍した、スペインの作曲家。セビリャに生まれ、没した。
ゲレーロは、兄のペドロとともに音楽教育を受けた。彼は早熟の天才だったに違いなく、17歳ですでにハエン(Jaén)の聖堂の楽長(maestro de capilla)に任命されている。数年後、かれはセビリャで職を得た。彼は歌手としても作曲家としても高い人気を誇り、30歳を迎える前にすでに大きな名声を勝ち得ていた。この時期にすでに国外でいくつか作品集を出版していることも、彼の名声の高さを物語っている。
(中略)
その後再びスペインで数年を過ごした後、彼は聖地パレスチナを訪れることを決意し、ついに1589年にその念願を果たした。この旅で彼はダマスカス、ベツレヘムそしてエルサレムを訪れている。また帰途の船上では二度にわたり海賊の襲撃を受け、生命の危機にさらされ、財産を盗られた上に、身代金目的で拘束された。その後スペインに帰還を果たしたところをみると、身代金は払われたのであろう。しかし、一文無しとなってしまった彼は、負債者監獄に一時期収監されるといった憂き目をみることとなってしまった。最後にはようやく、セビリャの大聖堂でのかつての雇い主が彼を救出し、ゲレーロはそこで再び働くこととなった。彼の聖地への冒険の顛末は1590年に出版され、人気を博した(セルバンテスが読んでいたことも十分あり得る)。1590年代末に、ゲレーロは再び聖地への旅行を計画したが、その夢を果たすことなく、1599年にペストによりセビリャで没した。
(中略)
ゲレーロは、同時代のビクトリアやモラーレスとは異なり、宗教音楽、世俗音楽の双方にわたり、多くの世俗歌曲や器楽作品、ミサ曲、モテット、受難曲を作曲している。また音楽に多様な表情を与えることに長け、恍惚から絶望、あこがれ、よろこび、宗教的静寂などをすばらしく表現している。彼の作品は死後数百年にわたり人気を保ち、特にラテンアメリカの教会でよく演奏されていた。様式からみると、彼は同時代のスペインで流行していたホモフォニーを好み、印象に残る、歌いやすい旋律を作曲している。彼の様式で特筆すべき点は、機能和声的な作曲法を先取りしている点である。彼の先進性は、ペルーのリマで発見され、18世紀の作品であると考えられていた作曲者不詳のマニフィカトが、後に彼の作品であることが判明したということからも示されているだろう。」(Wikipedia フランシスコ・ゲレーロ より)
 

Wikipediaの記述を読んだだけでも冒険心や野心に溢れ波乱の生涯を送った人のようですが、その音楽もヴィクトリアに繋がるような色彩感や陰影の強さを感じさせながらも自在に拡がっていく生命力、自然な勢いを感じさせる魅力があると思いました。先日投稿したドイツの音楽家ルートヴィヒ・ダーザーとほぼ同じ時代の人なのですがその音楽の響きや趣はずいぶん違って感じられます。大航海時代の勢いがまだ残るスペインと宗教改革の傷跡が癒えないドイツの違い、なのでしょうか。

 

今日聴いたのは、スティーヴン・ライス/ブラバント・アンサンブルによる「Guerrero: Missa Ecce sacerdos magnus, Magnificat & Motets」というアルバムでした。ミサ曲『偉大なる祭司を見よ』(Missa Ecce sacerdos magnus)の他、マニィフィカートやモテットなど多数の曲が収められています。自然で温かみのあるコーラスがとても魅力的でした。

 

 

Guerrero: Missa Ecce sacerdos magnus, Magnificat & Motets

ネーデルラント、フランドル楽派を中心に未知なる音楽、ポリフォニーの発掘、研究に情熱を注ぐブラバント・アンサンブルとスティーヴン・ライス。これまでグラモフォン賞に3度ノミネートされているほか、ジョスカン・デ・プレの没後500周年にリリースされた「ジョスカン・デ・プレ:モテットとミサの楽章」がレコード芸術特選盤に選出されるなど、今や英国でも指折りのヴォーカル・アンサンブルとして日本でも認知度を高めてきた彼らが今回取り上げるのは、スペイン・ルネサンスの巨匠、フランシスコ・ゲレーロのミサ曲『偉大なる祭司を見よ』を中心とした作品集。
 モラレスなどに師事し若くして成功を掴んだアンダルシア楽派のフランシスコ・ゲレーロは、スペイン・ポリフォニーの黄金時代の歴史においてビクトリアと並び重要視されている作曲家のひとり。今回のアルバムではミサ曲『偉大なる祭司を見よ』をメインに様々なマニフィカトやモテットを収録しています。

 

 

 

 

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赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2

 

画像が公開されました。お兄ちゃん、カッコいい。そして、ザム。とても良い仕上がりになっていますね!! イラストは一作目と同じ、フェルネモさんです。

「赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録2」そえだ信 [MFブックス] - KADOKAWA

 

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ルートルフがようやく1歳に!! 兄弟コンビの領地復興ストーリー第2弾!

貧乏男爵家次男のルートルフは、別世界の『記憶』を持った頭脳派0歳児。やがて困窮する領民の状況を知った彼は、兄のウォルフにだけ自身の正体を明かして、領地救済に乗り出していく。ふたりは黒パンやコロッケなどを次々と発明し、おかげで領地は危機を脱しつつあった。
そんなある満月の夜、ルートルフとウォルフはオオカミのザムの背に乗せられて、隣のディミタル男爵領へ連れていかれる。森の中に着いたふたりが見たのは、柵に捕われたザムの仲間たちだった! 領地困窮の大きな原因となった害獣大繁殖のカラクリを知ったふたりは、オオカミ解放作戦を開始するが……。
さらに、1歳を迎えたルートルフの前に見知らぬ赤ちゃんが現れて!? 赤ちゃん度MAXでお届けする、領地立て直しストーリー第2弾。

 

可愛いたくさんの赤ちゃん!? 幸せな気分になれます!

 

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不作による飢餓、害獣の大繁殖。大ピンチの領地を救うのは、赤ちゃん!?

ルートルフ・ベルシュマンは生後6か月で突然大人並みの意識に目覚め、別世界の『記憶』に何かを告げられるのを感じる。焦らず周りの状況認識と言語習得から始めると、間もなく自分が男爵家の次男であり、領地が困窮していることを知る。領民たちが冬を越せないほどの深刻さに、自分が大人になるまでじっとしていられないと感じたルートルフは、兄のウォルフに自身の正体を明かし、ふたりで領地救済に乗り出そうと決意する。
「ぼく、のこと、ひみちゅ」
ふたりは別世界の『記憶』と『加護』という不思議な力を頼りに、領地に襲い来る問題への対処法を考えていくが……。
秘密を共有した兄弟コンビは無事に男爵領を救うことができるのか?
頭脳派0歳児の活躍とかわいらしさに目が離せない、本格異世界ファンタジー。

 

 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

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