ドヴォルザーク 交響曲第7番 ドヴォルザークの演奏で定評のあったセルが唯一残したスタジオ録音 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日はドヴォルザークの交響曲、それも第9番や第8番と比べ聴く機会がわりと少ない第7番を聴いてみようと思いました。

 

演奏はジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団による1960年に録音された演奏、です。(HMVのサイトには、録音時期:1960年3月18,19日 と記載されていました。)

 

久し振りに聴くこの曲、やはり完成度が高く魅力的な曲です。たしかに第9番や第8番ほど、どこを切り取ってもドヴォルザーク以外の人が作曲したとは思えない、ほど個性的な曲では無いかも知れません。しかし、やはり随所にメロディーメーカードヴォルザークの面目躍如と言えるくらい魅力的な旋律は聞こえてきますし、構成感や作品全体の仕上がりは第9番や第8番より優れているのでは無いかと思えるほどです。

 

演奏もいかにも全盛期のセル/クリーヴランド。ドヴォルザークの演奏で定評のあったセルが唯一残した第7番の録音。スタジオでのセッション録音ながらライヴさながらの熱さと、セル/クリーヴランドにしかなしえなかった見事なアンサンブルが両立した素晴らしい演奏だと思いました。

 

「交響曲第7番 ニ短調 作品70, B. 141 は、アントニン・ドヴォルザークが1884年から1885年にかけて作曲した交響曲。かつては出版順により『交響曲第2番』と呼ばれていた。
それまで発表されてきた交響曲とはやや趣が異なり、スラヴ的な雰囲気を残しつつも内省的で普遍的な音楽として仕立てることに成功しており、作曲者自身この曲を「本格的なもの」と呼んでいる。『第9番 ホ短調《新世界より》』(作品95, B. 178)ほどではないが、『第8番 ト長調』(作品88, B. 163)と共にドヴォルザークの交響曲では良く取り上げられる楽曲である。

ドヴォルザークは1884年3月に、ロンドン・フィルハーモニック協会の招きで初めてロンドンを訪れたが、ロンドンではすでに『第6番 ニ長調』(作品60, B. 112)が好評を博しており、ドヴォルザークは熱狂的な大歓迎を受けた。帰国後ほどなくして、フィルハーモニック協会の名誉会員に選ばれたとの知らせと新作交響曲の依頼を受けた。前年の1883年にヨハネス・ブラームスの『交響曲第3番 ヘ長調』の初演を聴いて新たな交響曲の作曲に意欲を抱いていたドヴォルザークは、ロンドンからの申し出をただちに承諾した。9月に再度渡英し、帰国後の12月13日から交響曲に着手し、1885年3月17日に完成した。同年4月に三たび渡英し、4月22日にセント・ジェームズ・ホールで初演の指揮を執っている。この演奏会は大成功で、ウィーンでハンス・リヒターが、ドイツではハンス・フォン・ビューローが相次いでこの曲を採り上げた。」(Wikipedia 交響曲第7番 (ドヴォルザーク) より)

 

 

 

ドヴォルザーク:交響曲第7番~第9番、スメタナ:モルダウ他

LP時代から黄金の定番だったセルのドヴォルザーク・後期三大交響曲。
セルがクリーヴランド管と1958年~1960年にかけてソニー・クラシカルに残したドヴォルザークの三大交響曲を軸に、スメタナの管弦楽曲をカップリング。セルはSP時代にチェコ・フィルと「新世界」やカザルスとのチェロ協奏曲を録音するなど、ドヴォルザーク演奏のエキスパートとして知られ、緊密なアンサンブルによる精緻な演奏は、ロマンティックな感傷やベタついた情緒を排除し、作品の純音楽的な構成美とシンフォニックな充実度をくっきりと浮び上がらせ、歯切れのよい前進性のあるリズムが途方もない躍動感をもたらしている。随所に聴かれる見事な管のソロも、「セルの黄金の楽器」と称された全盛期のクリーヴランド管のヴィルトゥオーゾぶりを反映した見事なもの。なお交響曲第7番はセル唯一の録音である。

 

 

 

 

 

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