そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」第98話「契約してみた」侯爵家の家宰からの・・・ | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」、5月12日「98 契約してみた」が公開されています。

 

『 ということで翌日は午過ぎまで作業場を監督し、その後商会に出向く心積もりをしていたのだが。

 日が傾き出した頃、戸口に詰めていたサスキアが「牛車が入ってきた」と告げてきた。』

 

イザーク商会の会長ジョルジョが自ら長期熟成を予定していたミソの樽を牛車に積んで運んで来たのでした。

 

「やあハックくん、久しぶり」

「どうも。わざわざ来て下さったんですか」

「こいつを運ぶ都合があったのでね」

 

 

「とにかくも、君の無事を確認して安心したよ」と言うジョルジョにここまでのいきさつを(外聞用?・・・つまり人に説明する時のバージョンで(笑))説明するハック。

そんなことを話しているうちにイザーク商会の職員が領の役人を案内して現れました。

 

ジョルジョ会長とハックに明朝領の役所まで足を運んでほしいという侯爵家の家宰からの伝言。

 

『一応納得して、会長とともに了承の返事をする。

 役人が引きとった後、会長に確認してみた。

「家宰というのは、領のかなり偉い人なわけですか」

「事実上、領主様のいちばん格上の家臣ということのようだね」』

『 聞いていくと、どうも戦国や江戸時代の大名だいみょう家での「家老」に当たる役職と考えていいようだ。

 歴史などの知識があまりないので「家宰」という名称は初耳の気がするが、日本語に自動翻訳しているはずの結果でこれになっているのだから、実際に存在していた単語なのかと思われる。

 とにかくも「家老」に該当するのだとしたら、かなりのお偉方と思っていいのだろう。

 会長の話では、以前の男爵家では気軽に当主が商人などと会っていたが、当然侯爵となると格が違う。こういう会見は家宰やその下の役職の者が担当するのがふつうらしい。

 そもそも侯爵家の家宰ともなると、男爵よりも格上であって不思議はなさそうだという。』

 

「というわけで、この変革にはハックくんの協力が不可欠だ。よろしくお願いします」

ハックはイザーク商会と契約を結びます。

 

『イーストの製産を商会に委譲した後は、開発者に相応の利益が支払われる。

 具体的には今後十年間、売り上げの約一割から、二分の一をハックに、四分の一をニールに、残り四分の一を共同生活している孤児全員宛に供与される。その後二十年間はこの半額となる。

 そういうとり決めを会長と交わし、契約書を作る。さらにこれを領に届け、言わば証人のような形になってもらう。』

 

 

上機嫌で、会長は帰って行きました。

 

 

 

 

 

 

 

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刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)

 

タイの次は、台湾、でした。