そえだ信「赤ん坊の起死回生」第三章第161話「赤ん坊、加勢する」眩しい光の点滅 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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そえだ信「赤ん坊の起死回生」、1月27日夜第三章第161話が公開されています。

 

『抜刀した黒い服装の男たちが、六人か。

 思っていると、後ろにいたディーターとシャームエルが急ぎ左手に進み出た。

 そちら、王宮方向の手前の小路からも、同様の男たちが現れたのだ。四人、か。

 右手の六人には、テティスとウィクトルが立ち向かう。

 しかし僕の側をしっかり防御した分脇が空き、黒い二人が門の中に駆け込んでいた。

 すぐ中には従業員一同が、僕を送るため立っている。戦闘力があるのは、護衛役の二人だけだ。』

 

『護衛二人が剣を抜き、残る者たちは小屋の入口へ走る。

 門の外では、剣戟が始まっていた。

 右も左も、こちらの護衛が二人ずつ、賊が四人ずつ、ということになる。

 何処も、予断を許さない情勢だ。

 相手の人数は味方の二倍近く。剣の腕は分からないが、楽観のしようがない。

 門の中は二対二だが、護衛たちの腕は正規の兵より劣る。ちらり見える表情は必死で、向かう攻撃を躱して時間を稼ぐのが精一杯なのではないかと思える。』

 

ルートルフはテティスとウィクトルに(手段を選ばず)手早く片をつけるように指示し、自らは反対側の賊に「光」を浴びせディーターとシャームエルを援護します。

 

門の中でもまぶしい光がきらめきました。

『見ると、護衛の背後に離れてグイードと東孤児院の少年が立っていた。この二人が僕と同様、加護の『光』で加勢したらしい。』

 

「こんな王宮の目と鼻の先で、暴挙に及ぼうとは。それも、これほどの人数を揃えて。――調べてみなければ分かりませんが、どうも向こうとこちらの小路、それぞれ両側に分けて少人数ずつ、なるべく人目につかないように潜んでいたと思われます」

「ん、だろね」

「狙いはルートルフ様のお命か、身柄を攫うつもりだったか、でしょうか」

「たぶん。こちらのこどもをねらう、つもりもあったかも」

「まだ確かなことは言えませんが、奴らの所持していた剣、どうもダンスク製のように思えます」

 

 

●「赤ん坊の起死回生」第一章目次リンク

 

●「赤ん坊の起死回生」第二章目次リンク

 

●「赤ん坊の起死回生」第三章目次リンク

 

 

そえだ信のもう一つの連載小説「君に、最大公約数のテンプレを ――『鑑定』と『収納』だけで異世界を生き抜く!――」。こちらも注目!

 

 

 

そえだ信「臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい」

「掃除機探偵の推理と冒険」に続きこちらもよろしくお願いします。

4編の倒叙ミステリーからなる連作中短編集。ユニークなキャラクターが魅力的です!

 

ツイッターに感想がよせられています!

 

「昨日の予告通り、そえだ信 さんの『臼月トウコは援護りたい』の感想を、ブログにアップしました。 もうちょっと素直に読んでも良かったかも、という気もしないでも無いですが、私のようなヒネクレ者にも楽しめる、良い作品です。」

 

 

「そえだ信「臼月トウコは援護りたい」面白かった。 被疑者の無実を証明しようと証言を剃ればするほど、被疑者のアリバイを崩していくキャラクターにまつわる、すっきりするミステリ短編集!」

 

「掃除機探偵面白かったので購入。 完璧なアリバイを用意して犯行に及んだ犯人たち。雇ったばかりの臼月トウコの援護によって追い込まれていく連作倒叙ミステリ。 風変わりのキャラと独創的なトリックの面白さが際立っていて、楽しめました。」

 

「「臼月トウコは擁護りたい」、読了!倒叙モノの醍醐味の一つに犯人の焦燥感があると思うのですが、本作はこれが思う存分に楽しめて良いですね。使えないバイトとして犯人の目の前に出現する上に、自分の犯罪の弱点はきっちり刺してきて、クビだ!!!にいたる様式美が好き。ドラマにも向くのでは?」

 

「『臼月トウコは擁護りたい』読んだぜ。 北海道(主に札幌)を舞台にした連作倒叙。犯人が上手く警察の追及を避けられたかな、ってところにふらりと「そうですよーこの人が犯人なワケないじゃないですかー」と加勢しに来たかと思ったらスーパー余計なことを言って急転直下事件を解決しちゃう臼月さんは」

 

 

こちらで第一話全文無料で読めます。

 

 

 

 

 

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

 

 

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掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)

 

タイの次は、台湾、でした。