そえだ信「赤ん坊の起死回生」、1月6日夜第三章第158話が公開されています。
『部屋の主が出ていったところで、宰相室の集いは解散することになった。
父と昼食をとった後午後は後宮の部屋に戻っていると、夕方、王太子から呼び出しがあった。』
「リゲティ自治領境界の戦について、続報が来た。宰相や陛下やで一通り検証し、喜ばしい内容、ここの部署の目覚ましい成果だというお言葉があったので、二人に伝えたいと思ってな」
「そ」
「凄いぞおい、結局リゲティの奪還まで果たしたんだってよ」
ダンスク軍は結局自国に向け撤退し、それを追走したシェーンベルク公爵領兵は長くンスクに奪われたままになっていたリゲティ自治領からダンスク兵を掃討したとのこと。
喜ぶ、王太子やゲーオルク、ヴァルターに対し今一反応の鈍いルートルフ。
『「この結果が公表されれば、明日にも王都中がお祭り騒ぎになるだろうよ」
「そうなんだ」
「何だお前、反応が薄いぞ」
「ルートルフには実感がないかもしれんな」王太子が苦笑した。「二十四年にもわたって煮え湯を飲まされていた、領地の奪還なのだ。大喜びしない国民はいないだろう。しかもこの領有についてはただちに五カ国の間に宣言されることになるが、今回は例の古文書で我が国の最古の領有を主張できる。どの国も表立って反論することはできないはずだ」
「なるほろ」』
すぐに国民に知らせようという王太子。
でも、その方法は?
ルートルフが提案したのは、文書を印刷して張り出す、言ってみれば壁新聞。
『「画期的な発想だな!」
「殿下」ヴァルターが声をかけた。「画期的、斬新な発想ですが、すぐにも実現可能と思われます」
「そうか?」
「ん。いますぐここで、ぶんをかんがえて、なでぃねにせいしょさせる。はじめてのこころみだから、へいかやさいしょかっかに、まずみてもらう? そのあと、うちのしょうかいでいんさつさせる」
「明日の朝から印刷を始めても、午前中にはでき上がりますね。あらかじめ警備兵の準備をさせておけば、午後には王都内に出回らせます。各領主に配付して、明日中には領地へ送ることができそうです」
「何と――」』
印刷はすべてヴィンクラー商会の仕事になるわけですから商会の経営から見るとルートルフの見事な営業活動(笑)
その上、新聞社やら通信社やらの創設者にもなっちゃいそうですね(笑)
●「赤ん坊の起死回生」第一章目次リンク
●「赤ん坊の起死回生」第二章目次リンク
●「赤ん坊の起死回生」第三章目次リンク
そえだ信のもう一つの連載小説「君に、最大公約数のテンプレを ――『鑑定』と『収納』だけで異世界を生き抜く!――」。こちらも注目!
そえだ信「臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい」
「掃除機探偵の推理と冒険」に続きこちらもよろしくお願いします。
4編の倒叙ミステリーからなる連作中短編集。ユニークなキャラクターが魅力的です!
ツイッターに感想がよせられています!
「昨日の予告通り、そえだ信 さんの『臼月トウコは援護りたい』の感想を、ブログにアップしました。 もうちょっと素直に読んでも良かったかも、という気もしないでも無いですが、私のようなヒネクレ者にも楽しめる、良い作品です。」
昨日の予告通り、そえだ信 さんの『臼月トウコは援護りたい』の感想を、ブログにアップしました。
— tap (@tap48647575) July 1, 2022
もうちょっと素直に読んでも良かったかも、という気もしないでも無いですが、私のようなヒネクレ者にも楽しめる、良い作品です。https://t.co/FSgVzXuqi3
https://t.co/ZaH6nfqFwY
そえだ信「臼月トウコは援護りたい」面白かった。
— Kenji Kimura/木村憲司 (@Kenji_Kimura_) June 28, 2022
被疑者の無実を証明しようと証言を剃ればするほど、被疑者のアリバイを崩していくキャラクターにまつわる、すっきりするミステリ短編集! pic.twitter.com/wnz6zKrsLq
「掃除機探偵面白かったので購入。 完璧なアリバイを用意して犯行に及んだ犯人たち。雇ったばかりの臼月トウコの援護によって追い込まれていく連作倒叙ミステリ。 風変わりのキャラと独創的なトリックの面白さが際立っていて、楽しめました。」
臼月トウコは援護りたい/そえだ信
— 濃緑ノ茶@読書垢 (@bookkk_7902) June 25, 2022
掃除機探偵面白かったので購入。
完璧なアリバイを用意して犯行に及んだ犯人たち。雇ったばかりの臼月トウコの援護によって追い込まれていく連作倒叙ミステリ。
風変わりのキャラと独創的なトリックの面白さが際立っていて、楽しめました。#読了 pic.twitter.com/onhd2OxvLh
「「臼月トウコは擁護りたい」、読了!倒叙モノの醍醐味の一つに犯人の焦燥感があると思うのですが、本作はこれが思う存分に楽しめて良いですね。使えないバイトとして犯人の目の前に出現する上に、自分の犯罪の弱点はきっちり刺してきて、クビだ!!!にいたる様式美が好き。ドラマにも向くのでは?」
「臼月トウコは擁護りたい」、読了!倒叙モノの醍醐味の一つに犯人の焦燥感があると思うのですが、本作はこれが思う存分に楽しめて良いですね。使えないバイトとして犯人の目の前に出現する上に、自分の犯罪の弱点はきっちり刺してきて、クビだ!!!にいたる様式美が好き。ドラマにも向くのでは?
— えぬびい/ n.bringer (@nightmareb) June 25, 2022
「『臼月トウコは擁護りたい』読んだぜ。 北海道(主に札幌)を舞台にした連作倒叙。犯人が上手く警察の追及を避けられたかな、ってところにふらりと「そうですよーこの人が犯人なワケないじゃないですかー」と加勢しに来たかと思ったらスーパー余計なことを言って急転直下事件を解決しちゃう臼月さんは」
『臼月トウコは擁護りたい』読んだぜ。
— 白樺香澄 (@kasumishirakaba) June 24, 2022
北海道(主に札幌)を舞台にした連作倒叙。犯人が上手く警察の追及を避けられたかな、ってところにふらりと「そうですよーこの人が犯人なワケないじゃないですかー」と加勢しに来たかと思ったらスーパー余計なことを言って急転直下事件を解決しちゃう臼月さんは
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二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ
文庫版「掃除機探偵の推理と冒険」発売中
今朝のCBCラジオ「朝PON」で紹介したのは、そえだ信『掃除機探偵の推理と冒険』(ハヤカワ文庫JA)でした。目が覚めると円盤型お掃除ロボットになっていた、しかも部屋には死体が...というカフカもびっくりの設定。そして彼は札幌から小樽まで30kmの旅に出る。充電は?人目は?とにかく素っ頓狂で爽快!
? 大矢博子 (@ohyeah1101) June 9, 2022
本書は『地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険』というタイトルで2020年に刊行されたアガサ・クリスティー賞受賞作の改題文庫化。AI搭載お掃除ロボットのロードノベルってだけで斬新じゃん? 決死の覚悟で階段を降りたり側溝にハマったりという冒険がいちいち楽しい。あと肉じゃが食べたい。
? 大矢博子 (@ohyeah1101) June 9, 2022
刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先
解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。
クリスティー賞受賞作が文庫化されて、どうやらぼくに作者からお声がかかったらしい。解説を書かせていただきました。カフカじゃないが、なぜか主人公は掃除機になったのです。そこからはじまる汗と涙のロードミステリ。このじれったくてスリリングな奇想にハラハラして、最後はスカッとしてください。 pic.twitter.com/yvc2qgZVFm
? 辻 真先 (@mtsujiji) May 15, 2022
そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)
クリスタルウインド 添田@cwind7065
「地べたを旅立つ」タイで出版されたようです。 https://t.co/3z50OBCvBc
2022年03月16日 18:32
タイの次は、台湾、でした。