ちょっと前、ジュゼッペ・マレットと言う人が指揮するカンティカ・シンフォニア と言うグループのルネサンス音楽の音源をいくつか入手しました。今日はそのうちののひとつ「Isaac: Missa "Misericordias Domini" & Motets」を聴きました。
これはルネサンスの音楽家ハインリッヒ・イザークのミサ曲「主の御憐れみを」とモテットが収録されたアルバムです。
ハインリッヒ・イザークはジョスカン・デ・プレとほぼ同年代のフランドル出身の音楽家です。
(このブログでも何度か記事投稿したことがあります。
「ハインリヒ・イザークはルネサンス盛期のフランドル楽派の作曲家で、ジョスカン・デ・プレと同世代。バッハの『マタイ受難曲』や『ヨハネ受難曲』のコラールにも使われている『インスブルックよ、さようなら』。今ではこの一曲だけがイザークの最も有名な旋律として知られていますが、当時はジョスカン・デ・プレと同様に重要な作曲家の一人としてみなされていました。1484年頃インスブルックの宮廷作曲家として仕え、その後すぐにロレンツォ・デ・メディチの招きによりメディチ家の宮廷音楽家となり、オルガン奏者、宮廷楽長ならびにロレンツォの子供たちの家庭教師を務めました。メディチ家がフィレンツェから追放されたあとは、神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン1世に仕官し、ヨーロッパ諸国、ドイツ各地を歴訪。当時のドイツ作曲界に多大な影響を及
ぼしたと言われています。」(メディチ家に仕えたハインリヒ・イザークのミサ曲|HMV&BOOKS onlineニュース))
アルバムは、この音楽が演奏されていた時代をリアルに感じさせるような声楽の響きと、時折交わる器楽の音がとても魅力的でした。ルネサンス音楽、特に宗教音楽でどの程度器楽が使われることがあったのかはよく分かりませんが、このアルバムの器楽の音はとても自然に感じられました。
同じ時代のジョスカン・デ・プレの音楽が多彩な楽想が外に向かって拡がっていくようなイメージだとするとハインリッヒ・イザークの音楽は少しシンプルな旋律が内に向かうひたむきな祈りを歌っているような気がしました。静かにじっくりと心に沁みてくる音楽でした。
こちらからアルバム全曲聴くことができます。
2017年に没後500周年を迎えるハインリヒ・イザーク(c.1450-1517)のミサ曲とモテットを次なるプログラムに選んだカンティカ・シンフォニアは、メイン・プログラムの「ミサ曲《主の憐みを》」を筆頭に、世界初録音となる貴重な作品を収録。カンティカ・シンフォニアの定評あるハーモニーと、共演の実力派器楽奏者たちのサウンドのブレンドは古楽ファン必聴。