カール・シューリヒト J.S.バッハ ブランデンブルク協奏曲 大指揮者が最晩年に遺した録音 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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今日はカール・シューリヒトがコンサートホールレーベルに録音したバッハのブランデンブルグ協奏曲を聴きました。

 

この音源が録音されたのは1966年5月。シューリヒトは1965年のザルツブルク音楽祭が最後のコンサートだったそうですから、実演の舞台を離れてから暫くしての録音だったことになります。翌1967年の1月に86歳で亡くなっていますから、本当に人生最晩年の録音という事になるでしょう。

 

しかしこの演奏を聴くと80代半ばを迎え実質的には隠退した老音楽家の演奏、と言うイメージはまったく感じられません。比較的落ち着いたテンポの演奏ではありますがシューリヒトらしい軽いリズムの刻み、よどみなく流れる音楽。現代的なバッハ解釈から見れば古いスタイルの演奏ということになるのかも知れませんが、音楽は決して古くさいとか黴の生えたような、などと感じられるところは寸分も無く、そして老齢の指揮者のよぼよぼした演奏などと感じさせるところも一瞬も無く、生き生きと気持ちの良い音楽を伝えてくれます。

 

いかにもシューリヒトらしいさりげないインテンポの中に様々な思いが刻み込まれているようです。聴き返すほどにじわりとした深い味わいを感じる、とても素晴らしい音楽でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

Carl Schuricht: The Concert Hall Recordings

1960年から1966年にかけてシューリヒトのセッション録音をおこなっていたレーベル「コンサート・ホール・ソサエティ」のステレオ音源からのコレクション。
 1960年代といえばシューリヒト80歳代、最晩年にあたりますが、何歳になってもテンポが遅くなったり、アンサンブルが弛緩したりすることがないどころか、決めどころでのえぐり方や、強調パートの選択など、逆にどんどん深化していったのがシューリヒトの凄いところで、改めてその特別な芸風に驚かされます。

収録情報】
Disc1
●ブルックナー:交響曲第7番[60:31]
ハーグ・フィルハーモニー管弦楽団
1964年9月

Disc2
●ワーグナー:『リエンツィ』序曲[10:55]
●ワーグナー:ジークフリート牧歌[16:32]
●ワーグナー:『ローエングリン』第1幕への前奏曲[7:32]
●ワーグナー:『マイスタージンガー』第3幕への前奏曲/徒弟たちの踊り/第1幕への前奏曲[17:33]
バイエルン放送交響楽団
1961年9月

Disc3
●シューマン:交響曲第3番『ライン』[29:02]
●シューマン:『マンフレッド』序曲[11:21]
シュトゥットガルト放送交響楽団
1960年12月

●J.シュトラウス:『シャンペン・ポルカ』[2:02]
●J.シュトラウス:『常動曲』[2:57]
●J.シュトラウス:『ジプシー男爵』序曲[7:01]
●J.シュトラウス:『ウィーン気質』[8:28]
●J.シュトラウス:『南国のばら』[8:35]
●J.シュトラウス:『酒・女・歌』[5:03]
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
1963年9月

Disc4
●シューベルト:交響曲第9番『グレイト』[52:07]
シュトゥットガルト放送交響楽団
1960年9月

Disc5
●ヘンデル:合奏協奏曲Op.3-第4番[10:26]
●ヘンデル:合奏協奏曲Op.6-第10番[16:04]
●ヘンデル:アレクサンダーの饗宴[12:58]
●ヘンデル:合奏協奏曲Op.6-第4番[12:04]
バイエルン放送交響楽団
1961年9月

Disc6
●ブラームス:交響曲第4番[39:34]
●ブラームス:悲劇的序曲[11:04]
バイエルン放送交響楽団
1961年9月

●ブラームス:ハイドン変奏曲[18:06]
南西ドイツ放送交響楽団
1962年9月

Disc7
●モーツァルト:交響曲第38番『プラハ』[23:28]
パリ・オペラ座管弦楽団
1963年6月

●モーツァルト:交響曲第40番[23:33]
パリ・オペラ座管弦楽団
1964年11月

●モーツァルト:交響曲第41番『ジュピター』[26:43]
パリ・オペラ座管弦楽団
1963年6月

Disc8
●バッハ:ブランデンブルク協奏曲第1番[22:04]
●バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番[12:28]
●バッハ:ブランデンブルク協奏曲第3番[10:02]
●バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番[16:00]
チューリヒ・バロック・アンサンブル
1966年5月

Disc9
●バッハ:ブランデンブルク協奏曲第5番[21:05]
●バッハ:ブランデンブルク協奏曲第6番[19:10]
チューリヒ・バロック・アンサンブル
1966年5月

●ウェーバー:『オベロン』序曲[7:54]
●ニコライ:『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲[8:30]
南西ドイツ放送交響楽団
1962年9月

Disc10
●メンデルスゾーン:劇音楽『真夏の夜の夢』抜粋 [35:01]
●メンデルスゾーン:序曲『フィンガルの洞窟』[10:18]
●メンデルスゾーン:序曲『美しきメルジーネの物語』[11:25]
●メンデルスゾーン:序曲『ルイ・ブラス』[8:55]
南西ドイツ放送交響楽団
1962年9月

カール・シューリヒト(指揮)

 

 

 

 

そえだ信「臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい」

「掃除機探偵の推理と冒険」に続きこちらもよろしくお願いします。

4編の倒叙ミステリーからなる連作中短編集。ユニークなキャラクターが魅力的です!

 

ツイッターに感想がよせられています!

 

「昨日の予告通り、そえだ信 さんの『臼月トウコは援護りたい』の感想を、ブログにアップしました。 もうちょっと素直に読んでも良かったかも、という気もしないでも無いですが、私のようなヒネクレ者にも楽しめる、良い作品です。」

 

 

「そえだ信「臼月トウコは援護りたい」面白かった。 被疑者の無実を証明しようと証言を剃ればするほど、被疑者のアリバイを崩していくキャラクターにまつわる、すっきりするミステリ短編集!」

 

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「『臼月トウコは擁護りたい』読んだぜ。 北海道(主に札幌)を舞台にした連作倒叙。犯人が上手く警察の追及を避けられたかな、ってところにふらりと「そうですよーこの人が犯人なワケないじゃないですかー」と加勢しに来たかと思ったらスーパー余計なことを言って急転直下事件を解決しちゃう臼月さんは」

 

 

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臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

 

 

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掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)

 

タイの次は、台湾、でした。