そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」第62話「転居してみた」意趣返し、しちゃいました! | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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そえだ信「君に、最大公約数のテンプレを」、5月30日「62 転居してみた」が公開されています。

 

ご機嫌で確認を進めていたヘラー商会のツェーザルの表情が次第に変わってきました。

 

「新しく作ったという日保ちのするイーストがない。それに、イーストと麹とかいうやつの元があるはずじゃないのか。何処にあるんだ?」

「さて」

 

商会の男達は必死に家捜しをしますが何も見つけられません。さては、と孤児達の持ち出した荷物を見ると・・・、そこに片手に乗るほどの蓋付きの枡が四個ありました。

 

『仲間たちにとっては見慣れた、イーストと麹のいちばんの元が入ったものだ。

 それを掴み上げようとする男の眼前に、ぬっとサスキアが鞘ごとの剣を差し出し遮った。

「触るな。これは、持ち出しが認められた荷物だ」』

 

「ここにあるものは持っていけ、ということだ。俺も聞いたぞ」

「あたしもだよ」

近所の住人達からそう言われ、さらには「法に則っている」と言う事の証明のためにあえて同行させた衛兵からも、

「私も、確かに聞いたな」

と言われるに及び、ツェーザルらはその場はそれ以上の行動はできませんでした。

 

ハック達はすぐにイザーク商会の会長と面談し事態を説明、そのまま紹介してもらった転居先に移動しました。

 

『これまでより改善された一応まともな建物内なのだが、年長三人の不寝番は継続することにする。

「これ以上乱暴な行為をしかけてくるとは考えたくないが、向こうのいちばんの狙いはイーストの元で、それを手に入れるのに失敗したことになるんだからな。なりふり構わず強盗紛いを強行してくることも、絶対ないとは言えないと思う」

「うむ。小さい子たちもねぐらが変わって落ち着かないだろうしな」

「ああ、万全を期していこうぜ」』

 

翌日は朝早くから新しい生活とミソやイーストの生産開始のために孤児達は動き始めました。

 

『イザーク商会のジョルジョは今回の件について、ヘラー商会に探りを入れて事実調査をしたり、領主やアイディレク商会と連絡をとったりしているらしい。』

 

これからどのように展開していくのか。

楽しみです。

 

 

 

 

文庫版「掃除機探偵の推理と冒険」発売されました

 

未来屋書店発寒店さんの店頭展示です。ツイッターで公開された写真が凄い感じだったので実際どうか興味津々だったのですが、たしかに「大々的に展開」でした!!! 柱の部分のスペースを有効に使った3次元的(?)展示なかなか感動的な眺めです!

 

 

 

我が家からJRで一駅、手稲駅に繋がっている西友手稲店内のくまざわ書店にも行ってみました。

 

 

こちらは「コーチャンフォー新川通り店」。

文庫新刊コーナー、出入り口側からは反対側の真ん中あたりの一番上、「札幌市在住作家そえだ信の卓越したアイデアによる驚愕の掃除機ミステリ」ありました!

 

 

こちら、紀伊國屋書店オーロラタウン店さんの店頭展示。「驚愕の掃除機ミステリ」!!!(ツイッターの画像借用しました。)


オーロラタウン店 | 紀伊國屋書店 - 本の「今」に会いに行こう


 

 

掃除機探偵の推理と冒険 (ハヤカワ文庫JA)

刑事の鈴木は、目覚めるとロボット掃除機になっていた! しかも眼前には男の死体が……。『地べたを旅立つ』改題。解説/辻真先

 

 

 

解説者は、辻真先さん。とても素敵な解説でした。ぜひご一読下さい。

 

 

 

 

 

そして、もう一つ。デビュー作の文庫化に続き6月22日に新作が出版されます。

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

二月の苫小牧。完全犯罪をもくろむ男が用意した完璧なはずのアリバイは、意外な人物によって崩される。人を【援護/まも】るつもりが、いつも必ず容疑者にしてしまう――史上最も不器用な「探偵」が活躍する、デビュー作『掃除機探偵の推理と冒険』に続く新感覚ミステリ

 

臼月【うすづき】トウコは援護【まも】りたい

 

 

 

こちらもよろしくお願いします。

 

 

第10回アガサ・クリスティー賞、大賞受賞作

地べたを旅立つ 掃除機探偵の推理と冒険

鈴木勢太、性別男、33歳。未婚だが小学5年生の子持ち。北海道札幌方面西方警察署刑事課勤務…のはずが、暴走車に撥ねられ、次に気づいたときには…「スマートスピーカー機能付きロボット掃除機」になっていた!しかもすぐ隣の部屋には何故か中年男性の死体が。どんなに信じられない状況でも、勢太にはあきらめられない理由があった。亡き姉の忘れ形見として引き取った姪・朱麗のことだ。朱麗の義父だった賀治野は、姉と朱麗に暴力を働き接近禁止命令が出ていたが、勢太がそばを離れたとわかったら朱麗を取り戻しにやってくる。勢太の目覚めた札幌から朱麗のいる小樽まで約30キロ。掃除機の機能を駆使した勢太の大いなる旅が始まる。だが、行く手にたちはだかる壁、ドア、段差!自転車、子ども、老人!そして見つけた死体と、賀治野と、姉の死の謎!次々に襲い掛かる難問を解決して小樽に辿り着き、勢太は朱麗を守ることができるのか?第10回アガサ・クリスティー賞、大賞受賞作。

 

 

 

そえだ信、いよいよ国際的作家に?(笑)

 

タイの次は、台湾、でした。