「小澤征爾 覇者の法則」小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラが作る日本音楽の新しい伝統 | クラシック音楽と読書の日記 クリスタルウインド

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先日、山本直純さんの動画を見てから今度は小澤征爾さんの動画を見てみたくなり色々と見まくっています。

 

これは、もう随分前のテレビ番組だと思いますが、小澤さんとサイトウ・キネン・オーケストラを扱ったなかなか見応えのあるドキュメンタリーです。

 

斎藤秀雄の事は以前に記事に書きました(「嬉遊曲、鳴りやまず―斎藤秀雄の生涯 」 斎藤秀雄の生涯とサイトウ・キネン・オーケストラ )が、その斎藤に指導された演奏家達が集まり実現したサイトウ・キネン・オーケストラと小澤征爾がこれまで残してきた物もまた日本の音楽に大きな足跡を残してきたと言えるでしょう。それは歴史の短かい日本の西洋音楽に新しい伝統を作る試みと言えるかも知れません。

 

それから、また以前読んだ本を本棚から取り出し読み返しています。

小澤征爾 覇者の法則 (文春新書)

 

著者は中野雄さん。名曲名盤のガイドブックとしてベストセラーになっている「クラシックCDの名盤」の共著者です。「クラシックCDの名盤」ではかなり極端な宇野功芳氏や若いけれど意外とはっきりと意見を言う福島章恭氏の間で一番中庸というか常識的(笑)な選曲をされていた印象の方です。幅広い交友や博識で裏付けられた文章は読み応えがありました。

 

この本も読みやすい文章で小澤征爾さんの生い立ちから辿り世界の一流指揮者になるまでを丹念に追いかけた読み応えのある本です。西洋音楽の伝統は全くない東洋の片隅からヨーロッパに一人旅だった青年がアメリカのメジャーオーケストラのトップに立ち、さらにはウィーンの国立歌劇場の音楽監督にまで上り詰めるのは簡単なことでは無かったはず。そこにいたるまでいったいどんな事ががあったか。

 

「なぜ彼だけが「世界のオザワ」となり得たのか。構想十数年、カリスマの秘密を徹底解明。
ラグビーに夢中だった子供時代、無鉄砲な海外武者修行に飛び出した青年時代。カラヤン、バーンスタインといった巨匠からの絶賛。N響との対立という試練。数多の浮沈を経て、音楽界の最高峰・ウィーン国立歌劇場音楽監督に登りつめた世界のマエストロ・小澤征爾。その知られざるエピソードを辿りながら、「説得力という不可解なオーラ」「文法的に正しい正確で論理的な思考法」「動物的な意志」など、指揮者としての成功を生んだ秘密に迫ります。小澤流「逆境を味方にする力」の方法論です。」(Amazon 商品の説明 より)

 

 

 

 

 

下の動画はサイトウ・キネン・オーケストラとマルタ・アルゲリッチのピアノによる合唱幻想曲

あの小澤さんが座って指揮している姿は感慨深い物がありますが、音楽は一段と深みを増していると思います。見事な演奏です。

 

 

昨年5月、水戸室内管弦楽団第103回定期演奏会 でマルタ・アルゲリッチのソロで演奏されたベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番がCDでリリースされます。(5月8日発売予定) これも聴き逃せない演奏記録ですね。