鴉ノ眼 -260ページ目

筑前・博多織

久留米を後にして、福岡博多へ移動してきました。
博多といえば博多織。
織元の工房見学したいところですが、さすがにそこまでの時間はありません。

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前から一度見てみたかった千年工房さんの直営ショップ「博多一十」さんへ寄ってきました。
ちょうどこの日は男物展を開催しており、博多織の角帯以外にも男物着尺や額裏、小物などかなり豊富に揃ってました。

↓「絽献上」/「献上の着尺反物」
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紗献上はよく見かけますが、絽献上を作っているのは千年工房さんだけとのことです。
着尺の献上もいろいろ見せていただけました。

元々博多織というのは着尺だったそうです。
江戸時代黒田藩の献上品(着尺反物・帯反物)だったから献上柄として有名になり、帯の締め心地の良さが武士に愛され今日の博多織へと引き継がれています。

↓「羅角帯」
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千年工房さんで織られた羅の角帯は表裏色違いで素朴な風合いの素敵な角帯でした。
お持ち帰りしたい帯でしたが、私の懐具合では・・・(^^ゞ

店長さんは気さくな方で、ついつい長居をしてしまいました。

いつかまた訪れる事があるなら博多織の工房見学もさせてもらいたいものです。(^^)

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筑後・地場産くるめ

資料館を見た後は筑後地方の特産品が買える展示即売コーナーへ立ち寄りました。
ここは地場産業振興センター久留米絣共同組合(いわゆる産地問屋さん)の関連施設ですから、各工房で織られた久留米絣の反物も沢山置いてありましたよ。^^

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自動織機(動力)で織られた比較的安価なものから、伝統的工芸品認定の高価なものまで様々工房のものが置いてありますから、まとめてみて選ぶにはよい場所ではないでしょうか。

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ひとことに久留米絣といっても機械括り+化学染料+自動織機の量産品(動力)と手括り+本藍染め+手織りをされた伝統的工芸品のものではやはり風合いもずいぶん違いますね。
さらに、伝統的工芸品の中でも重要無形文化財保持者のものは絣の精緻さを見ただけでも只者ではない絣だというのが伝わってきます。

↓「名水 流」重要無形文化財保持者 田中きよ子さん作
とても精緻で大変美しい絵絣です。
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証紙を見比べてみると、銀色地のものが伝統的工芸品、動力のものは薄い黄色地の証紙が貼られているようです。
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私が興味をひかれたのは「筑後もめん」という坂田織物さんの久留米絣オリジナルブランド商品です。
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糸には紬糸を使っており、仮織りして二度染めの後緯糸をほどいて、経糸に括りをして染色または脱色して再度織るという手間のかかったものです。
自動織機ですが紬糸のため少し厚手で風合いも柔らかく、夏以外フルシーズンで使える普段着きものには最適なのではないかとおもいます。
紫外線を99.3%遮断するようですから日傘にも使われているようです。

散々見倒して、もう少しでお持ち帰りしそうになりましたが、またゆっくり久留米に来たいと自分に言い聞かせ地場産くるめを後にしました。



地場産くるめ
http://www.jibasankurume.jp/portal/

筑後・久留米絣資料館その2

↓「日比の雷風」 大正時代
力士の丹前としてつくられたものとのことです。
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久留米絣創始者の井上伝女遺品一式も展示されてます。
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↓井上伝十八模様の絣柄(復元)
井上伝が十八歳の時に考案・製作したものを昭和58年に翔藍会発足記念事業として復元製作されたものです。
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明治20年頃までは「いざり機」が使われていたようです。
この地域では普通に嫁入り道具の一つだったみたいです。
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他にも沢山の貴重な絣が展示されてます。
久留米インター降りてすぐの所です。
興味のある方は是非行かれてみてください。(^^)