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テープ起こしに必要なものは?その1(ハードウェア)

今回のテーマは、テープ起こしの作業に必要な道具についてです。


マーケティング担当の私(安田)が、テープ起こし作業者の作業室(狭くて静かなところです)をチラ見するたびにいつも気になっていた、「あの道具はなんだ??」という素朴な疑問に答えるべく、実際に英語テープ起こし作業者の一人に解説してもらいました。


このテーマは1回分のトピックでは語りきれないので、前編(ハードウェア)後編(ソフトウェア)の2回に分けて連載します。今回はハードウェアに注目しました!


■テープ起こし作業のプロセス


(1) 音声を録音する(または映像を録画する)
(2) 録音した元データを、転送(インポート・エクスポート)する
(3) データフォーマットを適宜、再生可能なファイル形式に変換する
(4) 音声を聞き(または映像を再生し)、スピーチ内容をタイピングする
(5) 一通りタイピングした原稿をプルーフリードし、必要に応じてリライトする
(6) 完成した原稿をお客様に納品する


このプロセスを見るとよく分かりますが、今日のテープ起こし作業は非常にデジタル化しています。クリプトンの作業者も必然的に、パソコンの効率的な使い方や各種ソフト(メディアプレーヤーやMSワードなど)の取り扱いに熟知していなければなりません。それでは、テープ起こしを効率的に作業するために必要なものを列記しましょう。


英語テープ起こしクリプトンのブログ ←クリプトンのテープ起こし作業室のひとつ



(1)パソコン


スピード命のテープ起こし作業にとって、高性能のパソコンパソコンで作業する環境は必須です。高性能とは、プロセッサ(IntelやAMD)が最新のバージョンであるということです。またRAM(Random Access Memory)が大容量であればあるほど、文書ファイルを開く・閉じる・保存する・コピー・貼り付けするといった動作も速くなります。このほか、テープ起こしには大容量の音声・映像ファイルを取り扱うこともあるため、十分なディスク保存スペースがあることも大事です。持ち運び可能な大容量ハードディスクも現在は非常にリーズナブルに入手できるので、在宅ワークでテープ起こしをする場合には利用価値があります。


他にも、もっと投資が可能であれば、作業場所を問わないノート型パソコンや、USB接続型のキーボードや外付けマウスなどが便利でしょう。


(2)インターネット環境


音声・映像ファイルをサーバーからダウンロード・アップロードしたり、Googleなどで調べ物をしながらタイピング作業を進めるには高速インターネット環境への投資が非常に重要です。


(3)フットペダル


フットスイッチとも呼びます。USBポートから接続し(古いフットペダルの場合はシリアルポート接続)、音声を再生・早送り・巻き戻しする際に使用しています。ただしクリプトンの作業者のように、タイピングスピードが速くショートカットキーを使いこなしている場合は特に必須という訳でもなさそうです(多くの場合はショートカットキーで音声の巻き戻し等をしています)。



英語テープ起こしクリプトンのブログ ←フットペダルです。


(4)ヘッドホンとスピーカー


最後のポイントになりましたが、実はこれがテープ起こし環境を整備するうえで一番の要所です。特にヘッドホンについては、音のクリアさや耳に当てた時の居心地のよさを必ずチェックしなければなりません。「ヘッドホンヘッドフォンに投資を惜しまないことが肝心(テープ起こし作業者からの言葉)」。


また、お客様から頂くテープ起こし音源の録音クオリティはピンキリで、中には非常に音量の小さい音源から聞きおこし作業をしなければならないこともあります。そこでクリプトンで利用しているのが、外部接続(3.5 mm端子)のスピーカーアンプです。パソコンに内蔵のスピーカーだけでは、音量をほとんど上げることができません。ヘッドホンを直接パソコンに繋ぐ代わりにスピーカーアンプを中間につなぐことで、ケーブルは煩わしくなりますが大いに作業の助けとなります。


英語テープ起こしクリプトンのブログ ←モニターの左右に置いているのが、スピーカーアンプ



以上4点、テープ起こしの作業に必要なハードウェアを、クリプトンの作業風景写真を交えて紹介しました。クリプトンはテープ起こしの作業効率が命なので、このどれにも投資を惜しみません。もし、テープ起こしを自力でやってしまおうと考えている方がいらっしゃったら、その作業文量、書き起こしの際の必要フォーマット、録音データの音質、内容の専門性などさまざまな要素を天秤にかけ、専門業者に依頼する・自力でやってしまう、どちらが賢い判断となるかを見極める必要があります。


本トピックの後編(ソフトウェア)については、空白があいてしまいますが再来週の回にUpします。次回はカスタマーサービス電話の千田さんよりお届けします。どうぞよろしく!

個人情報保護とデータセキュリティに対する取り組み

クリプトンに初めてお尋ねいただくお客様から、弊社でのお客様データの管理方法についてよく聞かれることがあります。極秘の社内会議や出版公開前の取材インタビュー、最先端の研究内容が含まれる企業の研究開発部門の会議など、英語テープ起こしには厳重なデータの取り扱いを求められるケースもよくあります。録音データはもちろんのこと、作業の参考となる資料(発表に使用したパワーポイント、講演者プロフィールなど)をご提供いただく際にも、データ保護の懸念があるためにご提出をはばかられるお客様もいらっしゃるかもしれません。


そこで今回は、クリプトンでのお客様情報保護・およびデータのセキュリティ管理に対する取り組みをご紹介したいと思います。



(1)クリプトンのファイル転送サーバーについて


 クリプトンがお客さまのデータ提出用として利用しているのは、ShareFile 社のHTTPサーバーです(クリプトン専用アカウントを開設しています)。サーバーは最新アップデート版のファイアウォールで守られ、ユーザーによるサーバーを介したファイルの授受はSSL通信により暗号化されているため、データ転送中に外部にデータが読み取られることはありません。


 サーバーはクリプトンチームの中でもプロセスマネジャー(前回のトピックで紹介したアミット のことです!)にのみアクセス権限があり、スタッフの全員が無制限にサーバーにアクセスできるわけではありません。
 お客様から転送していただいたデータはクリプトンのオフィスのサーバー内に30日間保管され、その後消去されます。



英語テープ起こしクリプトンのブログ-ShareFile top ←クリプトンのファイル転送サーバートップ画面


(2)秘密保持契約書の締結について


 クリプトンでは、お客様からのご希望に応じて秘密保持契約書を締結しています。特に指定がない場合、弊社が用意する契約書フォーマットにて書面を準備いたします(クリプトンの秘密保持契約書 を見る)。


(3)テープ起こし作業者のデータアクセスについて


 クリプトンには現在、社内に約20名の正社員スタッフと社外に約70名の契約テープ起こし作業者が在籍しています。社内スタッフのパソコンには各種制限(持ち出しハードディスクの接続無効設定や、各種サイトへのアクセス制限、スタンバイ時のパスワード設定など)がかけられており、作業に取り扱うデータを第三者に流出したり外部者が作業者のパソコンのデータにアクセスすることのないよう厳重なセキュリティ措置を行っています。

 社外のスタッフとは在宅勤務のフリーランス作業者を指します。クリプトンが社外スタッフと業務委託契約を交わす際は必ず秘密保持契約書を締結します。お客様から特に指定があった場合は、テープ起こし作業の全プロセスを社内のスタッフに限定し作業するケースもあります。通常は1段階目のテープ起こし作業を社外作業者が行い、2段階目のプルーフリード作業および最終的な品質チェックを社内のスタッフで行っています。


 なお、お客様に関する情報(社名や連絡先など)にアクセスできるのはカスタマーサービスをはじめとするごく一部のスタッフに限定され、テープ起こし作業者にはその情報は共有されません。



英語テープ起こしクリプトンのブログ-data security


(4)ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)取得に向けた取り組み


 クリプトン(正確に言うと、運営会社であるカクタス・コミュニケーションズ)では現在、ISO 9001:2008およびISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)取得に向けて今年頭から取り組んでいます。


 ISOとは国際的に認知された品質水準で、すでにクリプトンの姉妹ブランドである英文校正エディテージは取得済み(詳しくはこちら )ですが、現在はグループ全体で取得準備を進めています。


 一方ISMS=Information Security Management System(情報セキュリティマネジメントシステム)は、企業が取り扱う個人情報や各種秘密事項を適切に処置するためのガイドラインを定めた規格です。情報を適切に取り扱うための指標を具体化し、それに応じてリスク評価をすることで、お客様情報やお客様のデータを処置するルールを組織として定めています。


 いずれの国際認証も、クリプトンは来年春を認証取得の目標スケジュールとして着々と準備を進めています。




上記4点、クリプトンの個人情報保護およびデータセキュリティに対するよくある質問はてなマークに対する回答をまとめました。コンプライアンスに対する弊社での取り組みがちょっとでも理解いただければ幸いです。他にもセキュリティの面で気になることがあれば、いつでもご質問ください!可能な限り、クリプトンでのプロセスを情報開示していきたいと思います。


次回ブログは、「テープ起こし作業者ってどんな道具を使っているの?」という素朴な疑問に答えます!コンテンツがたっぷりあるので、2回連載記事となります。お楽しみに!


クリプトンの人々(2):アミット(万能スーパーマン)

クリプトンで働くスタッフを毎回取り上げ、インタビュー取材する企画「クリプトンの人々」第2回目の今日は、通称スーパーマンことアミット(Amit)を取り上げます!!

彼が担当するのは、プロセスマネジャーという仕事。テープ起こし作業者(トランスクライバー)や品質管理チームなどに比べると、確かに役割を聞いただけでは何をしているのかピンと来ない、けれども非常に重要な、縁の下の力持ち的存在です。

今回のトピックでは、実際にアミットがどんなことをしているのか、どのように個々の案件を「プロセス」しているのかを取り上げ、またこの仕事をしていて感じることを率直に語ってもらいました。

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ナゾの人スタッフプロフィール
名前:アミット(Amit)
役職:プロセスマネジャー
どんな人:クリプトンチームの中でも、最も仕事熱心で信頼できるメンバーの一人。困ったことがあった時はアミットに助けを求めれば必ず手を差し伸べてくれる。どんなに張り詰めた状況下でも常に冷静沈着、周囲のパニックに流されない彼を人はMr.Coolの異名で呼ぶ。また、医療系テープ起こしからパソコンのトラブルシューティング、外部関係者(業者やフリーランサー)とのスピーディーなやり取りまで、あらゆるタスクを同時にそつなくこなす万能スーパーマンでもある。
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インタビュー内容はこちらから。原文は英語版ブログでも読めます。
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(1)クリプトンのスタッフの間では、アミットがマルチタスクが得意なことで有名です。具体的に毎日どんな仕事をしているのか教えてください。

 自分の立場は、クリプトンのフロント業務とバックオフィス業務のちょうど真ん中にあります。つまりカスタマーサービスとテープ起こし作業者(トランスクライバー)を橋渡しするところです。プロセスを一つ一つ説明するとこうなります。

1. カスタマーサービスがテープ起こしの問い合わせがあったことを伝えてきます。特別な原稿形式や技術的な質問など、問い合わせ内容が複雑な場合は、私が答えをカスタマーサービスに伝えます。
2. お客様がサーバーにデジタルデータを提出すると、私がそれをダウンロード・保存します。音声ファイルの収録時間を確認し、カスタマーサービスに詳細と納品予定日を伝えます。
3. 案件の正式発注が決まると、すぐに私が担当作業者に仕事を割り振ります。
4. 作業者による第1段階のテープ起こし作業が終わると、私が2段階目の作業者に原稿を割り振ります。場合によっては3段階目が入ることもあります。
5. 2段階目の作業が終わり、テープ起こし原稿が完成すると、それを今度はカスタマーサービスに渡します。お客様はカスタマーサービスからその原稿を受け取ります。

※お客様からの注文の流れは、お問合せからテープ起こし原稿納品までのプロセスのページを参照

 クリプトンでは、あらゆる形式のデジタル音声ファイル・映像ファイルを引き受けています。多くの場合はMP3ですが、映像ファイルの場合でも書き起こし作業時にスムーズに再生ができるソフトを使っています。オンラインストリーミング形式の音声の書き起こしを注文してくる場合は、音声ファイルをまずパソコン上で録音するところから私の仕事が始まります(本音では、サーバー経由で提出してくれるとありがたいんですが・・・汗)。日本語の宅ふぁいる便などのサーバーから送ってこられる場合は、カスタマーサービスの日本人(千田さんのことです!)の助けを借りて何とかファイルを入手します。

 あまりにも仕事の量が多かったので、アシスタントのマーウィンを5ヶ月前からメンバーに加え、ファイルのダウンロード・分配を助けてもらってます。現在50人以上いる社外のフリーランサーとのやりとりも一人で担当するには手一杯だったので、今は二人で報酬の支払いなどの仕事は分担しています。

 テープ起こし関連の仕事以外にも、実は英語ナレーションの仕事のコーディネーションも担当しています。プロセスは基本的に同じですが、ナレーションの作業は米国・英国にいるフリーランスのプロナレーターに割り振っています。ナレーターが収録した音声ファイルを受け取り、一通り音声を自分のところで聞いてチェックします。ミスがないことを確認してから、カスタマーサービスに完成ファイルを渡します。

 このほか、新規サービス開発にも積極的に関わっています。

(2)確かに、かなり多くの仕事に関わっていますね!日本のお客様には知られていないけど、これだけ見ていても、アミットはチームの中でも特に重要なコミュニケーションの中継地点にいることが分かります。大変じゃないですか?

 確かに、メッセージを正確にバトンリレーしていくのは大変です。自分が一方から受け取ったメッセージを他方に伝えるときに混乱させてしまうリスクもあります。情報はいったん自分の中で消化し、メッセージは必要最低限にとどめルことを心がけています。テープ起こしのフリーランサーやナレーターなど、世界中の関係者とやり取りするときには、どこの国がどれだけの時差があったかを覚えているのが大変です(もちろん、日本との時間差はここインドオフィスから+3時間半と頭に入っていますが!)。

(3)特に一番やり取りが多いのは誰ですか?

 カスタマーサービス(千田さん)と、2段階のテープ起こしをする作業者を束ねるもう一人のプロセスマネジャー(チャンドル)、それからアシスタントのマーウィンです。

(4)たくさんのタスクを毎日、同時並行でこなすのって大変じゃないですか?何かコツはあるんですか?

 これといってコツはないです(即答)。ただ、自分に回ってきた仕事はできるだけすぐに終わらせ、さっさと次の仕事にとりかかることを心がけています。まだまだ、自分はマルチタスカーにはほど遠いので・・・。スピードが求められることが多い役割なだけに、個々の案件の緊急性によって調節していますが、正確さももちろんおろそかにしないよう気をつけています。

(5)クリプトンにいて一番記憶に残っている出来事はありますか?パッと思い浮かぶことは?

 今年11月にあった、オフィスのデコレーションコンペ(過去スレ参照)がすごく楽しかったです。チームワークが一番発揮できたイベントでしたから。クリプトンチーム全員が積極的に参加しました。

(6)最近、会社からソニーVAIOのノートパソコンを支給されましたね。これでもっと仕事に専念(拘束?)されたりして・・・。

おかげで、仕事へのモチベーションが高まりました。パソコン・IT系のこととなると、つい没頭してしまうんです・・・(笑)。

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勤勉で冷静なアミットらしい回答でした!

クリプトンのお客さまに見えない存在でありながら、影で主要な役割を担っているアミットの存在が皆さんにも知っていただけたらうれしいです。コメントなど大歓迎です。

次のスタッフ紹介は誰にしよう??と今からデスク周囲を見渡しているインタビュアー・安田でした。

次回ブログテーマは、データセキュリティに対する取り組みをご紹介します!来週までお待ちください!