Crier cries... -8ページ目

Crier cries...

誰にもいえない、心の叫び。

答えを見つけてしまうのが怖くて、


あたしはすぐに立ち止まろうとしてしまう。


分からないから。考えてるから。


理由をつけて、先延ばしにしようとする。


見えるはずのものから、目を逸らそうとする。


でも、ダメ。


立ち止まってはいけない。


たとえば、あのひとのことでほんの少しでも心が動いたことに


気づかない振りなんかしては、いけない。


自己中心的な思いも、被害妄想的な考えも、


瞬間瞬間に感じたことはきっと一番真実に近い。


醜いあたし自身を見つめたその先に、本当の答えがある気がする。

幸せなオンナノコの話を聞いて、


「自分は不幸だ」と嘆くことのなかったあたしは、


きっとそれほど不幸じゃない。


結局のところ、あたしが何を優先させるかということなんだ。


ただ誰かに愛してほしいのか。


あのひとの心の全てを手に入れたいのか。


自分の時間がほしいのか。


今は仕事に没頭したいのか。


それを決めれば、このもやもやとした曖昧な気持ちにも自ずと答えが出るはずなんだ。


大丈夫、あたしは不幸じゃない。


悲劇のヒロインなんか気取ることなく、あたし自身の答えを探せるはず。


たとえそれに、取り返しのつかないくらい時間がかかってしまったとしても、


あたしはあたしの答えを見つけよう。


今までたくさんのものから逃げ回ってきたあたしがそこへ辿りつく、


そのことに意味があると思うから。

幸せなオンナノコの話を聞く。


新しい恋人とのこと。


端から見たらバカみたいに幸せそうで、あたしは頷いて「よかったね」って言う。


・・・そうしている間中、泣きそうだった。


自分が不幸だからじゃない。


「あたしとあのひとも昔はそうだったんだよ」って、


何度も言ってしまいそうになるから。


たとえば、たった5分のために往復3時間かけて会いに行ったりとか。


黙ったまま何分も見詰め合って、幸せだねって微笑みあったりとか。


他人が見たら「バカみたい」って思うことを平気でしていた。


それが、あたしの幸せだった。


あの頃のあのひとが、あたしは大好きだった。


今のあのひとは、過去のあのひとを越えられない。


比べても栓のないことだって、分かってる。


それでも・・・過去はとても美しい。

日曜日に、あのひとと会った。


1ヶ月半以上の時間を置いた再会だった。


結果的に言えば、それは何事もなく無難に終わった。


そう、とても無難に。


帰り際、あたしは訊ねた。


「久しぶりに会ってどう思った?」


あのひとは言った。


「難しいね」


それきり、困ったように黙ってしまった。


あたしは、さよならを言うしかできなかった。



ねぇ、何の為に今日会ったか分かってる?

ただ、フツーに遊ぶだけだと、本気で思ってたの?

今までのこと、これからのこと、何ひとつ話さないでいいの?

あたしが何を望んでいるか、考えたことは?



気づきたくなかった。


それでも、気づいてしまったのだから、もう知らない振りは出来ない。


あたしにとってあのひとが、完全に「友人」になってしまったということを。

「毎日でも会いたい」


あのひとと付き合っていた頃のあたしが思っていたこと。


1日でも会えない日があると寂しくて、


早く明日になればいいのになんて本気で思ってた。



「夜、毎日彼と電話してる」


普段はクールな友人が言っていたこと。


あたしは電話が苦手だったけど、


そんな繋がりを持っている二人を羨ましく思ってた。



「お互い1日に何回もメールするんだ」


15年来の幼馴染が言っていたこと。


以前はあたしもあのひととたくさんメールをしていた。


他愛のない遣り取りを何度も繰り返すことが楽しかった。




そんな自分を懐かしく思う。


あの頃と同じような気持ちをもう一度取り戻せたなら、


あたしはあのひとと幸せになれる気がする。