R5入学者選抜状況報告書を読む_国語 | ガクシンのブログ~札幌市西区の学習塾

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🐕R5入学者選抜状況報告書を読む_国語

 

先日道教委が公開した、今春受験の報告書を読んでみるコーナー。今回は国語です📒

 

他の科目は↑のテーマにあります。

 

🍞平均点が下がった原因は大問2なのか

国語は前年(現高2世代)から平均点が16点下がったのですが、

これは大問2の長文読解が、物語文から論説文に変わったことが影響しているんじゃないかと思い、ちょっと計算してみました。

 

R4年度もR5年度も、各大問の配点に変更はありませんでした(大問1~28点、大問2~40点、大問3~14点、大問4~18点)

というわけで単問ごとに「配点×正答率」を計算してみましょうと。

 

大問1は漢字文法と簡単な実用文、大問2が長文(物語or論説)、大問3が古文、大問4が実用文(長めの作文)という作りです。

 

※小数第2位まで算出のため、四捨五入の関係でちょっと数字ズレている場合があります。

R4年度(現高2世代)56.66

・大問1~22.67点、大問2~20.24点、大問3~6.61点、大問4~7.15点

大問1+3+4=36.43点(得点率60.7%)

 

R5年度(今春・現高1世代)45.86

・大問1~19.15点、大問2~12.65点、大問3~9.52点、大問4~4.55点

大問1+3+4=33.21点(得点率55.4%)

 

大問2以外の問題を見ると差は3点くらいしかありませんが、大問2だけで7.6点の差があるっぽいです。

ただし、記述問題には中間点があり、そこが正答率には計算されていない模様です。

大問の合計は、R4年度は56.66点。平均点は70.3点だったので、13~14点は中間点だったのだろう。

R5年度は合計すると45.86点。平均点は54.3点だったので、8~9点は中間点だったのだろう。

それを中間点が発生しそうな大問1、大問2、大問4に振り分けても、大問2の差は他の大問に比べて大きいかと。

 

領域別平均点はこんな感じでした。全領域で前年より正答率は下がっています。


 

「新しい入試」になり、大問2がR4年度は物語文、R5年度は論説文だったので、

来春R6年度は物語文になるだろうと予想されそうですが、まだ2回しかやっていないのでどうなるかは分かりません。もし来春が物語なら、当面は物語と論説が交互にやってきそうな気がします。

 

🐮読解は本を読めとも言いたいけれど・・・

ところで論説文って出典はどこからだろうと気になって過去数年を調べてみたのですが、

だいたいは10年以内に刊行された本から出ているっぽいです。岩波とかちくまとか講談社とかそういうやつ。

で、ゴリゴリの中学生向け読み物というよりは、大人が通勤時に読みそうな新書が多く、

読書好きでも新書好きな中学生ってあまりいないよなあ…って思ったりします。

 

それだけに、中学生が日常で使わなさそうな表現が結構多く、それが受験生を苦しめているのは間違いなさそうです。言ってしまえば「慣れ」ですね。

 

中3なのですから、新書読んでみるのは良いんじゃないかと。

そういえば僕は中3のころは、週刊現代とかフライデーとか友だちと買ってた記憶があります。あと別冊宝島の競馬読本を毎月買っていました。昨日実家に帰ったときに本棚にあったなあと。

今は本を買わなくても、スマホでそこそこの記者ライターの文章を読むことが可能ですから、「大人の活字慣れ」ってのは実践してみても良いかもしれません。

 

とか書きつつも、一番いいのはやはり高校入試の過去問です。

適切に中3受験生が読めるレベルの文章が掲載されているので、やっぱりこれが一番かと。

 

文章に特化した、こういうのがあります。

ちなみに全国高校入試問題正解は毎年国語が売り切れますから、早めに買っておくと良いですよ。冬になったら国語だけ無くなって困る生徒も出てきます。

 

分野別と2024年度用・・・どちらか1冊でいいですよ。

 

📓トレーニングからまとめる意識を持ったほうが良いかも

古文については内容を表にまとめる生徒が問題内で発生し、その穴埋めをするという作業が出てきます。

 

よくまとめられていますね😋

 

前年はこんな感じ。

このタイプはおそらく来春もあるでしょう。古文に限らず、来春の大問2が物語文だとしたらそこでも登場人物の心情の変化をノートにまとめちゃったりする生徒が発生すると思います。

または「この文章を読んだAさんBさんCさんの議論」的な感じかもしれません。

どちらにせよ、題材文だけでなくそこにプラスされる文の読み取りも必要になってきます。

 

全国高校入試問題正解を見ても他の都府県ではなかなか無いパターンなので、

時間がある人は問題を解きつつもその内容をノートに軽くまとめてみるとか、頭の中で整理するとか、そういうトレーニングはしておいたほうが良いでしょう。

 

🎣義務教育段階の傾向や課題

義務教育段階における学力調査等から、北海道の中学生には、文章に表れているものの見方や考
え方を捉え、自分の考えを形成することに課題がみられる。

 

「自らの考えを形成する~」ってのは前年も書いていました。↑で紹介した前年(現高2世代)の古文にあった、「あなたは華歆と王朗どちらが優れていますか」の記述問題みたいな、条件はあるけど自分の考えを書く問題は今後も確実に出てくることでしょう。

 

これは中学校現場でもめっちゃ書かされていると思うけど、学校でサボっている人は力つかずに入試で失敗するかもしれませんね。

実は高校では「小論文」につながっていくので、非常に大事なスキルなのですが、書く力はもっと鍛えたほうがいいでしょう。

 

🌸横審の意見と来春の予想

最後に、「学力検査問題等研究協議会(通称:横審)における主な意見」を🐕

 

国語では、出題内容や難易度、配点のいずれも適切であり、基礎的・基本的な知識及び技能を問う問題と思考力、判断力、表現力等を問う問題がバランスよく出題されていた。

今後も、思考力、判断力、表現力等を問う記述式の問題を一層充実させるとともに、

 受検者が思考する時間と記述する時間のバランスを考慮した出題形式について工夫してほしい。

 

最後チクっと書いています🐝論説文で設問表現が難しすぎたのか、まとめばかりで生徒があっち行ったりこっち行ったりで空白解答が多かったのかもしれません。

「新しい入試」で試験時間が45分から50分になったから、もうちょっと分量多くしてもいいだろうとやってみたら、うまくいかなかったのでしょう。

これで来春はちょうどいい分量に落ち着きそうです。課題文の量が減るか、設問の形式をいじるのか、それはちょっと分からないのですが。個人的には大問4の実用文がもう少しアッサリするのではないかと予想しますが、どうでしょう。

 

ちなみに前回(現高2世代)こんな感じ。

国語では、各領域のバランスを踏まえ、基礎的・基本的な知識・技能を問う問題と思考力、判断力、表現力等を問う問題がバランスよく適切に出題されていた。

今後も、受検者が思考したり、判断したり、表現したりする力を適切にみるとともに、社会生
活における人との関わりの中で必要な国語の力を問う問題等の出題形式について一層工夫してほしい。

 

「人との関わりの中で~」ってのが、今春でいう大問1や大問4の話し合い問題なのでしょう。ディベートや会話から穴埋めしていくっていうのは残りそうです。

そういえば前回はカレーチャーハン作っていましたね。

人に説明する的な問題は今後も出題されそう。日本の文化を教えるとか、架空のスポーツを子どもたちに教えるとか。

(架空のスポーツ例)

 

個人的にはそろそろ短文メッセージやLINEスタンプ風の読み取りが出てくると思っています。スタンプから気持ちを読み取ってみよう的な。まあ出てきたら出てきたでまた問題になりそうですが(コグトレ的な意味で)

 

「準備は紙芝居、発表本番は動画」ってだけなのに、これ48.4%なのどうして。表現不足で減点食らっているってことなのかなあ。

それとも、能力高いのにコミュニケーション系で発達系だと正直キツイ内容かもしれません。

このタイプの問題は増えていくだろうから、当塾の小トレみたいな練習がもっと重要になってくるんじゃないかと思ったりしています。

 

今回は以上です。

 

短いObonでしたが、明日17(木)から第二は再開です。本校は18(金)から再開。

 

 

体験授業2週間延長中です。よろしくお願いいたします🤗