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明日香散策1


どこかで見たこと読んだこと


神戸の灘から奈良の明日香村へ約2時間を掛けて散策に出かける。
処女塚古墳のある阪神電車、魚崎から大阪湾沿いに四天王寺へ
近鉄阿倍野から橿原神宮へ、駅前のカメラ屋さんで
レンタルサイクルを借りて甘樫丘と飛鳥資料館を目指した。

このコース取りは、飛鳥時代の西国から飛鳥に帰国するルートに
ほぼ近似される。
万葉集などで歌われた敏馬神社(みぬめじんじゃ)から
難波津を経て、二上山を越え、大和盆地へ向かうルートである。

今回の目的は、明日香にある甘樫丘の展望台から六甲山系の
頂きが見えるかを確認したいというのが目的だ。

標高200メートルの丘に上って、驚く。その眺望の良さである。
大和三山が海に浮かぶ小島の様に見える。北には、遥か丹波の山並みがみえる。
そして、西に、畝傍山、二上山その奥に阪神の山並みが見える。

明日香は、背後の南側には、吉野の山並み。
東側には、伊勢に通じる宇多の山並み。



どこかで見たこと読んだこと



その明るい遥かな眺望に国家を形成するメンタリティを重ねていた様に思える
場所だった。

三輪山が東の山並みを後背地に持ち、太陽神の先祖霊として存在した。
甘樫の丘の勢力は、南を背にして、明瞭な政治活動を志したのが、感じられる。

古墳時代から纏向、明日香の地域は、北は、丹波、小浜の日本海へ注意を払い。
西は、瀬戸内海での交流に腐心し、東は、伊勢湾の交通を維持した。
そして、南は、吉野を拝して、信仰の要所として地政学的な意味を見出したと
思える。


崇峻天皇は、この甘樫の主であった蘇我馬子に暗殺される。
これは、天皇霊と政治家の権力闘争であったようだ、何故なら、この大事件に
国内が大きく乱れた様子がないからだ。各権力の有力者の談合が伺えるので
ある。つまり国家的なクーデターだったとも言える。
明日香の長閑な現在を見ていると、クーデターとは縁の無いような雰囲気だが
甘樫の丘で、六甲山系に危急を伝える狼煙などがあがっているのを想像すると
その緊張感は、国政、国際交流全ての範囲に及ぶのを実感する。

少しの油断が命取りとなる。


崇峻天皇の皇子、蜂子皇子は、馬子の迫害から逃れた。
その行き先は、出羽の羽黒山。まだその地は、蝦夷との境界であったが
明日香の近くに住まうことよりは、遥かに安全であったろうと想像する。


その羽黒山から庄内平野への眺望という点は、明日香と似ている。
蝦夷の北は、丹波山系どうように鳥海山が聳え、西は、日本海へ夕陽が沈み、
金峰山、母狩山が、金剛山、二上山に比定される。
また吉野と同様に、南には、月山がある。その神は、月読命であり、大和の
中心が太陽神だったことと陰陽を織りなしているといるのも深い関係を想像
させられた。


この想像をもう少し膨らませる為、後、何度か桜井、明日香の散策を計画したい。

飛鳥時代に

飛鳥の都〈シリーズ 日本古代史 3〉 (岩波新書)/吉川 真司
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岩波新書 シリーズ日本古代史の「飛鳥の都」吉川真司著

文献史学の7世紀古代日本に、考古学はもとより、地政学
としてのユーラシア東部の民族史、寺院建築史、美術史
からの資料を参照し、再検証した面白い本だった。


特に、飛鳥寺を中国、朝鮮からの文化開化センターとして
位置づける発想は大変、面白い分析だった。

その地政学的な見地で、倭国の権力が、律令国家へ向けた
体制の変遷を進め来たかを解説する。


聖徳太子を中心とした上宮王家と天智、天武へと繋がる
押坂王家の蘇我宗家を巡る権力闘争は、天智と天武・持統
での律令による官僚制度、公民制の起草から整備に伴う
倭国から日本への体制確立への過程と重なる。

飛鳥宮、難波宮、大津宮、飛鳥浄御原宮、藤原京への王宮の
遷宮は、東アジアの政治動向と密接な関係があった。

特に仏教の権力への取込が、この7世紀には、倭国の文明化
として捉えることで、寺院の考古学的な発掘資料から裏付け
られた。


近畿から全国の地方、郡への寺の建立からの律令の浸透と
重なっていることが、遺跡の発掘からも裏付けられていた。


この様に、7世紀を研究すると、今の日本がどの様に体制化
されていったのかが良く解る。現在の日本の将来を考える時
この7世紀の歴史としての研究は、有意な示唆を含んでいる。


明治維新が、西洋への文明開化として捉えられるように、
7世紀は、東アジアへの文明開化として再評価する必要がある。
現代の国際関係においての基礎が、ここにあると言うことだ。


また明治維新後、ミッションスクールが、日本の近代化に
大きな業績があったことを意識する現代人は少ない。
島崎藤村が活躍した明治女学校など、、津田塾、同志社、
関西学院、神戸女学院など東京、関西でのミッション系
大学の例示には事欠かない。これらの機関が効率よく、また
男女を問わず西洋文化を短期間に浸透させることに成功している。


7世紀では、同様の文化センター機能が飛鳥寺を初めとした
仏教にあったと捉えることが出来る。

特に、遣隋使、遣唐使が、交流した人材の活躍が目覚ましい。

「道昭」という僧侶が紹介されていた。
天智・天武期に活動した百済系氏族の船氏の出身であった。
初期仏教の庇護者は、蘇我氏であった。蘇我氏は、多くの渡来人を
配下に置いていたのだ。(東漢氏など
初期仏教の布教は、百済人など朝鮮半島からの渡来人が中心となっていた。

道昭は、遣唐使として長安へ行き、玄奘三蔵に師事した。
玄奘は、丁度、インドから経典の漢訳を始めたところで、道昭へは
倭国で禅を広めるように託した。道昭、帰国の折には、最新の
漢訳経典を持ち帰ることができたことは、日本にとって幸運であった。


道昭は、帰国して飛鳥寺の東南隅に禅院を建て禅を広めた。
また道昭は、全国へ行脚し、井戸を掘り、川に橋を架けた。
これは、奈良時代の行基などへの大きな影響を与えることになる。
この様な社会事業を進める「知識」という集団があった。
道昭とこの「知識」がなんらかの繋がりがあったことが伺える。
道昭の持ち帰った経典は、文字が美しいのと誤字が少ない為、
写経のお手本としても広まった。


海外と日本を繋ぎ、権力中枢と庶民を繋ぐ。
時代の文化へ開明する意欲が庶民にみなぎると、自然に、それに
応える人物が出て来るのが日本という国なのかもしれません。

SNS全盛の現代には、誰がその任を果たすのだろうか?
写経の為の紙や筆のノウハウではなく、仏教の法を伝える人物を
今の日本は、待っている状態なのだろう。
熱気を持って待つ必要がある。


愛おしい命

4月20日(金)19:30~ NHK大阪制作 かんさい熱視線 
関西の社会のルポルタージュ番組があった。
今週のテーマと内容
「いのちをめぐる決断 ~出生前診断 ある家族の記録~」
いま妊婦の超音波検診は、専門医にかかれば脳や心臓の形態異常がほぼわかり、
「ダウン症」などの可能性も胎児の段階でほぼわかるまで進歩した。
しかし、異常がわかると、夫婦そして家族は「生む」「生まない」という決断を
迫られ、多くの人たちがその選択に苦しんでいる。番組では、障害があることを
知り、苦しんだ末に「生む」ことを選択したある家族の出産までの7か月に密着。
命を巡る葛藤を見つめる。(NHK大阪 ホームページより)


出生前診断とは、妊娠した際、胎児に異常がないか診断する自由診療を意味している。

異常を早く見つけて、治療や出産後の治療を早く行う為に行うのが目的のはずだが
放送に出て来た天王寺にある専門クリニックの医師のお話では、
異常が発見された場合、約8割のケースで中絶を選択すると言う。
日本の法律では、胎児の異常での中絶は認められていない。

名目は、妊婦の体力、過去の経済的な問題として、中絶が行われている。

健康に対して異常な者は、社会で苦労するからというもっともそうな理由で
出生前診断が求められているのが、現実となっている。

また、医師は、胎児に異常があった場合、家族でしっかりと話し合ってもらいたいと
専用の部屋を用意し、会話を記録している。
これは法律的な問題が残る為の記録であり、患者、クリニック側両方に必要がある。

特に会話の記録は重要になるだろう。

家族と医師の面談の中で、「異常があっても、出産後、悲しむ母は居ないが
中絶したことで、鬱になる母は居る。」という説明、これは重要だと思う。

胎児の異常で中絶を選択するのは、現代社会の経済優先への諦観からである。
中絶したからと言って、経済優先社会が改善されるものではない。
異常胎児を中絶したという現実と共に、この経済優先社会で生きて行かねばならない。


胎児の異常のリスクと、妊婦の精神への異常へのリスクを比較する必要が
あるのだろうか?
クリニックとしては、この部分を家族で真剣にして欲しいと言う、当然だろう。
クリニックが中絶を誘導したのでは、反社会的な違法行為となる。

番組に出て来た家族は、妊婦自身が、障害を持っていて、胎児にも同じ異常が
発見されたというケースである。両親を含め、中絶の方向で話し合いが進むが
最後の最後、判断を迫られた時に、姑が、「妊婦を愛おしく思った」ことで
家族は、生むことを選択した。生命への愛おしさは、経済では測れない。

異常とは、正常と思う人間からの言説で初めて生じる。
生命は、自分自身では生きて行けない、他者からの愛おしさがなければならない。

出生前診断で、異常が出ても生むことを選択する2割の人達がいることが嬉しい。
そんな異常な他者が増える社会を、私は誇りに思う。簡単なことではない。
異常とは、困難にチャレンジをすることを強いられた人々である。
出生前診断とは、その挑戦を前に心の準備をする為に必要なことなのだ。

医学的な異常は、時代と共に変わる。
今は、医学的に異常でも、その治療に叡智を傾けるのが医学である。
今の異常を黙殺しても、医学は進歩しないし、公共哲学も進歩しない。

プレゼンス

プレゼンス
存在、または存在感。特に、軍隊の駐留軍や国家の進出での存在感を言う。

今回の北朝鮮の人工衛星の打ち上げ失敗は、世界に負の存在感を演出してしまった。

しかし、国家のプレゼンス力とは、声明の内容や報道などの言説に依存する。
今回、打ち上げ失敗を早々に報道した北朝鮮の言説に、論理的な破たんはない。

一方、日本政府の声明の言説は、非常に稚拙であった。
まず、諸外国へのプレゼンスとして、マイナスであった。


韓国の国防省の発射の発表に続いて、日本政府の発表が8時過ぎに行われた。


①「発射の発表が一部報道にあるが日本としては発射を確認していない」
であった。

言説の構造から国民に向けた発表であるが、韓国やアメリカの軍部から
すれば何を言っているのか、意味が不明となり、日本のプレゼンス評価を
下げなければならない。


まず今回の日本の体制は、アメリカの早期警戒衛星からの発射情報を
起点として、防衛省イージス艦が航跡を追尾すると言うのが、警戒体制だった。

イージス艦の警戒レーダーSPY-1の探知距離は500 kmである。
北朝鮮の発射地点は、元々探知距離外であり、韓国軍やアメリカ軍の
警戒システムの後方が防衛省の警戒範囲であった。
本来の警戒行動が、ミサイルの日本領域への到達を回避するのが
目的なのであるから警戒範囲は、これで良いのである。


①の言説の破たんは、この配置への無理解から生じる。
発射エリアは、日本の探知距離外なのである。


日本政府は、防衛大臣が記者会見し、①の約30分後に、
②「7時40分頃飛翔体が発射され、1分以上飛行して、洋上に落下した。
日本への影響はない」と発表を修正する。

①の言説に、韓国軍、アメリカ軍からすれば、日本政府のプレゼンス
能力に疑問を持つ以前の問題で、相手にならないという気分だったろう。

それに気が付いた防衛省内部では、①のプレゼンスの修正が急務となった
のが良く解る経緯である。


8時40分閣議、その後の官房長官の記者会見で、②の発表が遅れたのは
③「情報のダブルチェックをしていた為、遅れた」と話した。

先に述べた通り、今回、発射地点の情報は、アメリカの衛星からの
情報が起点である。それ以外に、何をチェックしていたのか?
イージス艦へ情報を確認していたのであろう。
おそらく、素人丸出しの「ミサイルの発射はどうなった?探知したか?」と
言うような文言が想像される。
イージス艦からの回答は、「飛翔体の機影は探知していない」である。


何度も言うが、日本のイージス艦の警戒範囲は500Kmである。

国家の機能を冷静に分析し、官僚、政府は、言説を起草しないと
プレゼンスの評価は下がる一方である。

③の経緯があるのであれば、①はプレゼンスから判断して

「発射の発表が一部報道にあるが、現在、日本としては
領海、領空に北朝鮮からの飛翔体の侵入を確認していない。
現在も注意深く警戒し、情報収集している。」

でなければならない。

警戒行動以外のことへの言及は論理的に有り得ない。


福島での原発事故でも同様の構造が、被害を拡大させた。
政府のプレゼンスが、情報の解析能力の破たんから、制御できなくなるのは、
恒常的な国家運営の哲学の欠如、人的構造的欠陥が疑われる。
1995年阪神大震災の際の政府、官僚の情報解析能力の低下が
現実として社会に顕在し始めた最初の現象と言える。


政府のプレゼンスの失敗が重なると、全ての外交交渉が。不利となる。
東アジアの政治としては、北朝鮮の打つ上げ失敗より、安全保障、
外交面で、日本政府官僚のプレゼンス力低下の方が、より深刻と言える。


国民は、内田樹さんのブログを読んで、日本という国の課題点を自省し、
再認識した方が良い。



どこかで見たこと読んだこと

春爛漫近し

2012年4月8日春めく。
六甲の桜もようやく5分咲き来週の日曜日頃には、
満開の桜が楽しめそうです。

六甲山中腹の桜は、まだ蕾状態です。
谷間には、ウグイスの鳴き声も聞こえ始めましたが
まだ、春に慣れていないのか、後半が弱く、遠慮がちなのが
微笑ましいところです。

山の斜面に黄色の花が群生しており、毎年、桜に先駆け
雪柳と共に、咲き始めていました。

連翹(れんぎょう)です。
丈夫なのか、手入れをしている様には思えないのでが
毎年咲いています。

桜並木の斜面に、連翹、雪柳が埋めて、ミドリの葉も伸びてくる頃、
桜が満開になり、華やかな景色で、春爛漫を実感する瞬間です。


桜のピンク、雪柳のミドリの葉と白い花、連翹のミドリの葉と黄色の花。
来週を楽しみにしましょう。

今回は、連翹だけの写真アップです。


今週は、白内障の手術をするので、レンズ挿入後の春爛漫を眺めるのが
楽しみです。



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