第22回「熱いのがザンザン」-快適なシャワーの条件
秋も深まり日に日に寒くなっていくこの頃、暖かいシャワーやお風呂のありがたさが身に染みますね。私事になりますが、10年以上風呂なしアパート暮らしだった筆者が引越先に求めたのは「おうちで熱いお湯がザンザン降り注ぐ快適なシャワー」でした。今回は触れて感じる「温度」に関連して給湯に関する技術を紹介しましょう。
都市部の住宅の給湯にはガス給湯器が多く使われています。快適なシャワーの第一条件は湯量です。ガス給湯器には様々なクラスのものがありますが「17℃の水を25℃昇温して42℃のお湯にして1分間に何リットル供給できるか」によって「号数」が決められています。
皆さんのご家庭にガス給湯器があったらぜひ型番をご覧になってみてください。メーカーによって型番の命名規則が違いますが、型番の中には10,16,20,24,32といった10から30くらいの2桁の数字が必ず含まれているはず。その二桁の数字がガス給湯器の号数です[1]。
例えば16号のガス給湯器の場合、夏場など水温が17℃であれば42℃のお湯を1分間に16リットル供給できるという意味です。一方で16号の場合、冬場など水温が5℃程度の時は供給できる42℃のお湯は約11リットルに減ってしまいます。
空気調和・衛生工学会によると、真に快適なシャワーは「42℃のお湯」を「1分あたり13リットル」必要とするとされています[2]。これに必要な号数を計算すると、水温17℃の夏場なら13号、水温5℃の冬場なら約19号の給湯器が必要となります。
市販の給湯器の号数は16号,20号,24号などですが、16号だと夏は充分だが冬はパワー不足気味、20号だと夏も冬も充分、24号だと台所や洗面所等で同時使用があっても、冬でも快適にシャワーが使えるということになります。
ガス給湯器の世界にも省エネルギーの技術革新が進行中で、従来はガスを燃焼させて発生した200℃以上の排気をそのまま捨てていたのですが、最近は熱い排気で水を予熱し熱効率を高めた省エネタイプがでてきました[3]。同じ号数でも使うガスの量が少なめなのでガス代も節約できます。
さて、大きなガス給湯器で熱いお湯をたくさん作れる前提が整ったら、快適なシャワーの第二の条件は安定した湯温です。隣近所や家庭内での水の使用で水道の水圧は変動します。このような変動があってもお湯の温度を一定に保つにはどうすればよいでしょうか?
健康ランドや温泉等の水栓で温度の数字が書かれたハンドルをご覧になったことがあるでしょうか?あるいは皆さんのご家庭でも同様のものをお使いかもしれませんね。これはサーモスタット混合栓と呼ばれるものです[4,5]。
お湯と水の2系統の流量をコントロールして、設定された温度のお湯を蛇口からを出すものです。このような温度調節をセンサも電気も使わずにできるというのは一体どんなしくみになっているのでしょうか?
サーモスタット混合栓は、内部の温度調節部にワックスを使った部品が入っています。この部品は温度によって伸び縮みする性質があり、これを利用してバルブの開度を調節します[6,7]。
バルブの開度を変えるためのエネルギーはお湯の熱エネルギーから供給します。制御は熱膨張という物理現象で行われるため、電気がなくても、水圧やお湯の温度変化に追随してバルブの開度を自動調節して設定温度のお湯を出すことができるというわけです。
さて筆者ですが、給湯に関するこのような知識を元に24号の給湯器がついた物件を探し当てました。以後、熱いのがザンザンの快適シャワーを毎日楽しんでおります。
快適なシャワーは充分な湯量と安定した湯温が条件。シャワーにこだわりのある方は、湯量に関しては給湯器の号数を、湯温の調節でお悩みの方はサーモスタット混合栓をチェックしてみてはいかがでしょうか?
<関連リンク等>
[1]各社製品の号数と型番の対応の例
http://www.life-u.co.jp/product/gasq/index1.html
[2]空気調和・衛生工学会編「分かりやすい住宅の設備 給湯」オーム社, p.29
[3]東京ガス エコジョーズ
http://home.tokyo-gas.co.jp/living/bathroom/onsui/merit/
[4]TOTO株式会社 サーモスタット混合栓
http://www.toto.co.jp/products/bath/b00001/04.htm
[5]日本バルブ工業会 知ってなるほどバルブと水栓 水栓の構造に関わる疑問
http://www.j-valve.or.jp/valve-faucet/index.html
[6]日本サーモスタット株式会社 サーモエレメントの特徴
http://www.ntcl.co.jp/products/thermo_element/feature.html
[7]アセイ工業株式会社 ワックスサーモエレメント
http://www.asey.co.jp/goods/wax-s/wax_method.html
○ 関連キーワード:形状記憶合金サーモユニット、混合水栓
都市部の住宅の給湯にはガス給湯器が多く使われています。快適なシャワーの第一条件は湯量です。ガス給湯器には様々なクラスのものがありますが「17℃の水を25℃昇温して42℃のお湯にして1分間に何リットル供給できるか」によって「号数」が決められています。
皆さんのご家庭にガス給湯器があったらぜひ型番をご覧になってみてください。メーカーによって型番の命名規則が違いますが、型番の中には10,16,20,24,32といった10から30くらいの2桁の数字が必ず含まれているはず。その二桁の数字がガス給湯器の号数です[1]。
例えば16号のガス給湯器の場合、夏場など水温が17℃であれば42℃のお湯を1分間に16リットル供給できるという意味です。一方で16号の場合、冬場など水温が5℃程度の時は供給できる42℃のお湯は約11リットルに減ってしまいます。
空気調和・衛生工学会によると、真に快適なシャワーは「42℃のお湯」を「1分あたり13リットル」必要とするとされています[2]。これに必要な号数を計算すると、水温17℃の夏場なら13号、水温5℃の冬場なら約19号の給湯器が必要となります。
市販の給湯器の号数は16号,20号,24号などですが、16号だと夏は充分だが冬はパワー不足気味、20号だと夏も冬も充分、24号だと台所や洗面所等で同時使用があっても、冬でも快適にシャワーが使えるということになります。
ガス給湯器の世界にも省エネルギーの技術革新が進行中で、従来はガスを燃焼させて発生した200℃以上の排気をそのまま捨てていたのですが、最近は熱い排気で水を予熱し熱効率を高めた省エネタイプがでてきました[3]。同じ号数でも使うガスの量が少なめなのでガス代も節約できます。
さて、大きなガス給湯器で熱いお湯をたくさん作れる前提が整ったら、快適なシャワーの第二の条件は安定した湯温です。隣近所や家庭内での水の使用で水道の水圧は変動します。このような変動があってもお湯の温度を一定に保つにはどうすればよいでしょうか?
健康ランドや温泉等の水栓で温度の数字が書かれたハンドルをご覧になったことがあるでしょうか?あるいは皆さんのご家庭でも同様のものをお使いかもしれませんね。これはサーモスタット混合栓と呼ばれるものです[4,5]。
お湯と水の2系統の流量をコントロールして、設定された温度のお湯を蛇口からを出すものです。このような温度調節をセンサも電気も使わずにできるというのは一体どんなしくみになっているのでしょうか?
サーモスタット混合栓は、内部の温度調節部にワックスを使った部品が入っています。この部品は温度によって伸び縮みする性質があり、これを利用してバルブの開度を調節します[6,7]。
バルブの開度を変えるためのエネルギーはお湯の熱エネルギーから供給します。制御は熱膨張という物理現象で行われるため、電気がなくても、水圧やお湯の温度変化に追随してバルブの開度を自動調節して設定温度のお湯を出すことができるというわけです。
さて筆者ですが、給湯に関するこのような知識を元に24号の給湯器がついた物件を探し当てました。以後、熱いのがザンザンの快適シャワーを毎日楽しんでおります。
快適なシャワーは充分な湯量と安定した湯温が条件。シャワーにこだわりのある方は、湯量に関しては給湯器の号数を、湯温の調節でお悩みの方はサーモスタット混合栓をチェックしてみてはいかがでしょうか?
<関連リンク等>
[1]各社製品の号数と型番の対応の例
http://www.life-u.co.jp/product/gasq/index1.html
[2]空気調和・衛生工学会編「分かりやすい住宅の設備 給湯」オーム社, p.29
[3]東京ガス エコジョーズ
http://home.tokyo-gas.co.jp/living/bathroom/onsui/merit/
[4]TOTO株式会社 サーモスタット混合栓
http://www.toto.co.jp/products/bath/b00001/04.htm
[5]日本バルブ工業会 知ってなるほどバルブと水栓 水栓の構造に関わる疑問
http://www.j-valve.or.jp/valve-faucet/index.html
[6]日本サーモスタット株式会社 サーモエレメントの特徴
http://www.ntcl.co.jp/products/thermo_element/feature.html
[7]アセイ工業株式会社 ワックスサーモエレメント
http://www.asey.co.jp/goods/wax-s/wax_method.html
○ 関連キーワード:形状記憶合金サーモユニット、混合水栓