クレイン・テクノロジー|技術をもっと、分かりやすく。|畑谷成郎 -14ページ目

第12回「とびきり冷たい、炭酸の!」-おいしいハイボールの作り方

ハイボールという飲み物をご存知でしょうか。ハイボールとは一般にはウイスキーの炭酸水割りのことを指します。このハイボールが最近、ブロガーの間で急速にブームになってきています[1]。

これからの季節にはよく冷えたビールが好まれますが、ハイボールは上手に作れば、ビール以上に「とびきり冷たく」「炭酸の効いた」爽快な飲み物になります。

でも、この「とびきり冷たい」ことと「炭酸が効いている」ことの両立が実はなかなか難しい問題なのです。今回はハイテクではありませんが、夏を前に、プロのバーテンダーにも負けない、おいしいハイボールの作り方をご紹介しましょう。

よく冷えた飲み物を飲みたいとき、グラスの飲み物に氷を入れればよいことは皆さんもご存知の通りです。そして、ぐるぐるかき混ぜたらもっと冷たくなることも経験的にご存知でしょう。

問題なのは、ハイボールの場合、ぐるぐるかき混ぜると炭酸が抜けてしまって、「とびきり冷たい」けれども「炭酸が抜けてしまって」おいしくなくなってしまうことです。そして温度が下がるのは氷が溶けるときですから、ウイスキーの濃度も下がって「薄く」なってしまいます。

炭酸を抜かないポイントは、温度上昇と振動を避けること。炭酸は温度が低いほど抜けにくくなります。そして、かき混ぜるような振動を与えないことにも注意が必要です。

かき混ぜなくても「とびきり冷たく」するには、ハイボールの構成要素である炭酸水、ウイスキー、氷、グラスのすべてを事前によく冷やしておくとよいのです。

まず炭酸水は冷蔵庫の中で一番冷えるところに静置して充分に冷やします。そして氷はもちろん、ウイスキーも冷凍庫で冷やしておきます。ウイスキーのようなアルコール度数の高いお酒は冷凍庫でも凍らないことはご存知でしたか?(少しとろっとした粘性のある液体になります。)

できればグラスも冷凍庫で冷やすか、底の薄いガラス製のグラスや金属製のグラスを使うのがよいです。これらは底の分厚いガラス製のグラスと違って、グラス自体が蓄えている熱が少なく、すぐに冷えてくれるからです。

これらの条件を揃えて、グラスに氷を入れ、冷凍庫から出したウイスキーを注いで氷に馴染ませます。このように炭酸水以外を究極まで冷えた状態にしてから、最後によく冷やした炭酸水をそーっと注ぎ入れます。グラスを傾けて炭酸水の瓶口とグラスの液面の落差を小さくすることが炭酸を抜かないためのポイントです。

炭酸水を入れたら濃度を均すためにひと混ぜしますが、炭酸水以外はすでに氷温近くまで冷え切っていますから、ぐるぐるかき混ぜなくても大丈夫。こうすることで誰でも簡単に「とびきり冷たくて」かつ「炭酸の効いた」ハイボールを作ることができます。

グラスを冷やしていない場合は、氷にウイスキーを注いだ段階でよく混ぜて、グラスとウイスキーを充分に冷やしたあと、そっと炭酸水を加えるとよいです。こうすると注いだ炭酸水の温度上昇が防げるので炭酸が抜けにくく、比較的うまくいきます。

今回のブームは、ウイスキー会社がブログを連動させて非常に素早く上手にプロモーション展開しているようです[1]。上述の方法と同様のハイボールの作り方もブログで紹介されていますね[2][3]。今のところ一部のブロガーの間に留まっているハイボールのブームですが、この夏、一般にも波及していくのでしょうか?

<関連リンク等>
[1]「ハイボールナイトにみる企業のリアクションの早さの大切さ」
http://blog.tokuriki.com/2008/06/post_347.html
[2]「教えます!“すごいハイボール”のつくりかた」サントリー
(※一部の説明に、科学的には正しくない箇所があります。)
http://yamazaki-d.blog.suntory.co.jp/000729.html
[3]「「さらにすごいハイボール」の作り方」
http://d.hatena.ne.jp/an_dan_go/20080601/1212341802
○ 関連キーワード:ウィスキー、ウヰスキー、ソーダ割り