ハラスメントを恐れるワケ | 会社を辞めてXXを season 2

会社を辞めてXXを season 2

自分の原点に戻るべく57歳にして東京の商社を辞めて農業分野への転職を決意。年齢フィルターに苦戦しながらも農園への転職に成功するも1年でリストラに。再び彷徨いはじめた自分探しの備忘録。






みなさん、こんにちは。

4月も半月を過ぎ、新入生、新入社員も新しい生活がはじまり、ようやく慣れ始めたころではないだろうか。私も新しい職場で勤務することになり毎日が新鮮だ。新しい発見も多々ある。1日が終わるとぐったりでなかなかブログの更新も進まないが、新しい職場についてはいずれ諸兄にもご紹介していこうと思う。

さて、今やもう前の会社のコトだが書き溜めた記事があるので放出していこう。これまでの記事でも社員の教育に対する重要性を説いてきた。しかし前の会社は教育もEラーニングや業者に丸投げするばかりで、会社の事業や業務の実態にフィットした本当に必要な人材教育に取り組もうとしてこなかった。

業者による管理職セミナーでさえ振り返るともう10年以上前だ。当時参加した社員の半分はほぼ引退してしまった。そしてEラーニングでは毎年同じテーマを押し付けてくるのだ。それはコンプライアンスとハラスメントだ。

よほど例のリーダー格が引き起こした不正事件を引きずっているのか、コンプライアンスについてはとにかくシツコい。そしてパワハラなどのハラスメントだ。これも事件を引きずっているのだ。そしてこのパワハラを受けた当事者は諸兄もご存知だ。
 

 

 

 

 

実は前の記事で私とアメリカ西海岸で1週間過ごした、間違ってモチゴメを買ってきた後輩くんなのだ。彼は事業がダメになったあと、経営層のサポートにあたる部署に所属してかなり鍛えられた。だが大病を患い長期入院していたのだ。そしてやっと完治して復帰できることになった。

私は総務部が彼の復帰する部署を探しているとのウワサを聞き、是非私の転籍先にきて欲しいと社長にお願いしたのだ。後輩くんは期待通り一緒にアジア支店の運営とその子会社設立に尽力してくれた。非常に有能なインテリジェンスの持ち主に成長しており、アジア各国を一緒に駆け巡った。

しかしアジア支店がツブされたあと彼は前の会社の既存部門に配属されたのだが、ある課長からかなりパワハラを受けたようだ。会社を辞める一歩手前まで追い詰められたという。

以前、私は楽しそうに仕事をしていると嫉妬されると以前の記事で書いた。私はカゲグチや嫌ガラセに強い耐性がある。中学生の時の激烈なイジメ経験がメンタルを強化してくれたからだ。また深謀遠慮で仕返しすることもできる。フィッシングメール詐欺のときも少なからずその要素はあった。3無社員には容易いことだ。だが後輩くんは性格が優しく、耐性が弱かった。

後輩くんも仕事で頻繁に海外へいくことが私よりも多いくらいだったのだが、そのパワハラ課長も嫉妬していたのだと思う。このパワハラ課長は私の8年下の後輩で優秀なのだがやや粘着質でヤケに細かいところがタマにキズだ。

彼は短いながらも、その部門の海外駐在員として東南アジアの某国に夫婦で派遣されていた経歴があった。私も一度、彼の「we work」のような集合型のオフィスを訪ねて一緒に何度かメシを食ったことがある。1年足らずだったと思うが駐在員だったというプライドとそれを失った未練があったのだと思う。その悔しさ、矛先は後輩くんに向いた。

私は子会社に出向となっていて後輩くんの受けたパワハラを知らなかった。コロナ前で時々飲む機会はあった。だがその時はパワハラというより、自分の失敗談のように話していた。後輩くんはマジメな性格なので全て自分のことと受け止めていたようだ。ミスを起こさぬよう遅くまで仕事してネットカフェで寝たこともあったという。

この完璧主義がかえってパワハラ課長を逆撫でしたことは想像に難くない。しかしパワハラはかなり陰湿に、かつ理不尽に、目立たず行われたようだ。この部門の部長も見て見ぬフリでいた。事なかれ主義もここに極まれり、だ。些細なミスも見逃さずヤメロとパワハラ課長はしつこく迫ったそうだ。後輩くんは完全にロックオンされていたのだ。

ストレステストで後輩くんに異常値が出たのか、自分から訴えたのか定かではないがパワハラは発覚し社内で大問題となったようだ。(前の会社の総務がストレステストの異常値を察知できるのなら私の数値も異常だとわかったハズだが)

やがてパワハラ課長は北の果ての子会社へ出向となった。小さい子供もいる家族を置いての単身赴任だった。後輩くんも関東の子会社に出向となった。温厚な先輩諸氏たちに囲まれて穏やかに今は仕事をしている。

この事件以降、毎年ハラスメントのメニューがEラーニングに並ぶ。もう食傷気味なのだがハラスメントがあった、あるいは受けるかもしれないということは無責任、無関心、無気力の3無社員にはことさら恐怖なのだ。辞めて転職しようにも他で通用するようなロクなスキルが「ゆるブラック企業」である前の会社の社員にはないからだ。

パワハラを見て見ぬフリをしていた部長が何のお咎めもナシというのも腑に落ちない。この部長は私の1コ下だが先輩たちに泣きついてこの地位までたどりついた下品極まりない輩だ。他社なら監督不行き届きで降格処分されて当たり前なのだが、前の会社の部長職には暗黙のラチェット機能があって下がることがない。

だがこの部長の無能さは詳らかに、誰もが思っていることなので、やがて北の果ての子会社の社長で終わるのだろう。彼の奥様は私の同期で美しい才媛だったのだが…。最後まで読んでいただきありがとうさございます。

Live long and Prosper. ||//_