会社を辞めてXXを season 2

会社を辞めてXXを season 2

自分の原点に戻るべく57歳にして東京の商社を辞めて農業分野への転職を決意。年齢フィルターに苦戦しながらも農園への転職に成功するも1年でリストラに。再び彷徨いはじめた自分探しの備忘録。






みなさん、こんにちは。

更新が遅れてしまった。この遅れのワケは二つあって諸兄にはご報告せねばならない。一つは吉報、もう一つは悲報、凶報だ。

吉報からお知らせしよう。昨年12月に孫が産まれた。この年で孫を腕に抱けるとは思わなんだ。男の子で実に可愛く世のGG, BB達がメロメロになるのがよく分かる。何かとモノ入りでバタバタしていたのだ。

もう一つの理由は勤務している農園会社の「退職」だ。今年3月31日付で退職したのだ。自分でも受け入れるのに時間がかかったのだが結果的に退職となった。私が昨年転職した農園はA社、B社の折半でできた農園会社だった。A社が全面に出てB社がその業務を請け負う形だった。そして私はB社の所属でA社へ出向していたのだった。

5年前に開業したのだがコロナ禍の影響をモロに受けマトモな営業ができずにいた。赤字経営が常態化していたのだが、入社するまでこれに気が付かなかった。面接で確認すべきだったのだが後の祭りだ。入社直後の経営会議で惨状を知ったのだった。

昨年10月の経営会議で資本関係がこれまでのA、B、50:50からA社の100%となったことを知らされた。そしてこの時、設立時の借金がA社の親会社が肩代わりすることになった。加えて12月月次にこれまでの設備投資のカタとして計上していた減価償却費の全残額が償却されたことを知った。ヒラたく言うと殆どの借金が帳消しになったのだ。

これまで儲からなかった不変的理由、すなわち多額の借金金利、多額の設備投資の減価償却費が言い訳にならなくなったのだ。この時点で私は次は人件費に切り込んでくることは目に見えていた。そしてその流れは私に向いていた。A社の親会社に都内から田舎へ通う無駄な交通費が目が止まったのは想像に難くない。

1月某日、私は4月以降社員として採用できない旨を伝えられた。農園長候補としての採用だったがこれまでの些細なミスを理由にされた。致命的なミスは避けてきたハズだった。重箱の隅をつつくミスを挙げ連ねてきた。A社の社長は出てこずナンバー2がB社の担当役員とオドオド出て来た。

私は、自分のせいとされたミスのひとつひとつを覆せる理由を述べることもできたが会社の置かれた立場も同時に理解できた。リストラなのだと。自分のポジションを募集する採用情報がないことにも気づいた。ポジション自体なくなっていたのだ。そしてこの農園会社の残された余命が今年4月以降の一年と理解した。今年度中に浮上しなければ解散か売却になるだろう。

私はこの時点でもう一つの自分の過ちに気づいていた。農産物の生産者が容易に販売側へシフトできないことに。農家はとにかくあらゆる判断と労力を求められる。直販や加工まで気が回らないのだ。1年間ながらいくつかの農家をみてきてよくわかった。自分は先ず生産者に身を置くべきと転職したワケだが生産者の立場では余りにも儲けが少ないのだ。

Youtubeなどで新規就農者の動画などたくさんあるが初期投資に多額の金額を用意しないといけないので1,2年で食っていけるまでにならない。順番を間違えたことに気づいたのだ。先に加工、販売を確保しないと農家の生産物だけでは食っていけない。

家内の実家の1階が店舗になっていて中の片付けをすれば何某かの商売はできる。この1年間で農家との縁を得たので野菜の直売や加工品の販売はできそうだ。私は会社を立ち上げることにした。経営企画書はかなり出来上がっている。だが準備にもう少し時間がかかりそうだ。

とはいっても当面は食っていかなければならない。4月1日以降、やむなく私は運送関係のドライバーとして都内に転職した。この歳では商社などへの転職はもう無理だ。このために研修やら何やらで忙しかったのだ。私の就農計画はとん挫した。イチからやりなおしだ。

農家との縁はこれからも広げていくつもりだ。休日のボランティアなどの参加を検討している。自分が生産者にならなくてもいい。丹精込めて作った野菜やその加工品を都内で販売してみたい農家はいるだろう。その場所を提供できる環境を整えてみたいと思うのだ。自分自身の就農はそれからでもかまわない。

枯れても腐るな。枯れても必ず水が根に届く時がある。腐っていては次の芽が出ない。自分は農園によるリストラをアンラッキーとは見ていない。次へのステップを決意させてもらった、背中を押してくれたような気がしている。
「Season2」はまた一味違ったものになるだろう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

Live long and Prosper. ||//_