娘は、この春から大学1年生だった。
高校の卒業式も大学の入学式も、大学のオリエンテーションも健康診断もサークル見学も何もかもが無くなった。
履修の申込みも手探り、何もかもパソコンでやらなければならない。
幸い、パソコンを使うのに苦労はないタイプだったのでそこはスルー。
通学のために買った靴もバッグも春の服も、眠らせたまま夏になった。
ようやく健康診断で大学に半日だけ行った。
身長と体重を測ってきた(笑)
9月になって、一部の講義が対面になった。
「友達のつくり方なんか忘れたわ」と嘆きながら週に2日だけ通学を始めた。
週に3日通えば確実に定期のほうがお得なんだけど交通費。回数券でもいいかも?
微妙なラインだったけれど定期を買った。
講義は基本、「ソーシャルディスタンス」を守って行われるのだそうだ。
通常より大きな教室を使って、行われるらしい。
「情報リテラシー」なる授業の様子を聞いた。
その日は、パソコン操作Excelの使い方 といった内容だったらしい。
操作に不慣れな学生もいるのだろう。あちこちでパラパラと挙がるトラブル発生の手。
ソーシャルティスタンスのせいで、先生は広い教室を走り回らなければならなかったらしい。
気の毒すぎる。
情報リテラシーという講義の名前と、先生が走り回るアナログな姿を想像するとその落差に暗澹たる思いを抱いた。
まあ、施設的に問題があるところは改善できるだろう。
講義中に守られているソーシャルディスタンスも、教室を移動するときには崩壊する。
そりゃそうだろう。
次男の学校(中学校)を見ても、「3密回避なんて学校では無理」と声を大にして言える。
だから、学校で集団感染が起こっても、それはもう仕方が無いように思える。
幸い、本当に幸いにして、若い彼らは重症化するリスクが限りなく少ない。
あとは、彼らが接触するかもしれない高齢者や持病をもっている人たちへの懸念だ。
彼らは、少なくとも学校の外では、くれぐれも公衆衛生を守ってもらわなければならない。
それでも万一、ハイリスクな人たちに感染してしまったときは、日本の医療を信じるしかない。
新型コロナをインフルエンザ並みの「5類」にしてしまえばいいという意見を散見する。
そうすれば確かに、今ほどの差別はなくなる気がする。
でも、そうすると医療費が自費になる。ICUはもちろん個室となれば露骨に加算される。
新型コロナは回復までだらだらと長引く。入院費は日数でかかってくる。
旦那に医療費がかかっていたら、保険適用とはいえうちもかなり痛かったろう。
「入院治療にお金はかかりません」と言われたときは、日本国に感謝した。
(テレビカードやコンビニで買い物したものは実費でかかったけど)
新興感染症は、誰も抗体を持ち合わせていない。
そのへん、つらいことにならないようにしてほしいと切に願う。