朝に光に似合う話題を探して、夕暮れを歩い
ていると、風はどんな時にも逆らわずに吹い
ている事がわかる。さみしいって言ったら負
けのゲームがあったら、すきって言ったら負
けのゲームを誰かが開発する。私が負けても
文明は続く。敗北者が勝ち得られなかった永
遠の借り物競争。明日から勝つ事にこだわっ
て生きたら、風に抗う日々が続く。仮に勝っ
たとして、私は負けた人の顔や名前を忘れて
いくんだろうか。節目が来る度に会わなくな
った人達みたいに。だとしたら、風は抗った
人だけを覚えている事になるのか。私の心は
ブラックリストか、指名手配犯か、はたまた
風にストーカーされているのか。暗闇に向か
って話しかけた時、いつのまにか過去と対峙
していた。自分の名前に飽きたなんて、両親
(良心?)がかわいそうかもしれないね。こ
こで、一筋の光が射したら、それは希望の光
か。風向きがわかれば、どこにいたって楽し
い日々、優雅な人生。惨めって、自分さえ感
じなければ、美しい涙に変わる。
風さんよ、私の名前を覚えていますか。
私は君の名前を未だに知らないから、忘れた
事は一度もないというのに。


















