隠し事をしたその日から
心は旅をはじめた
幾千もの長い道のりを
辿る旅をはじめた
中途半端に開いた瞳で
いつか見たであろう景色を探す
ふつつかな感情をさらけ出したなら
空に雨雲広がって
懺悔の雨に打たれて眠る
遠くから聴こえる
切なく儚い夢物語
遠くから聴こえる
切なく甘い恋物語
言葉は生き急いでしまったのか
心にせき止められて身動きできない
隠し事をしたその日から
心は旅をはじめた
幾千もの長い道のりを
辿る旅をはじめた
中途半端に開いた瞳で
いつか見たであろう景色を探す
ふつつかな感情をさらけ出したなら
空に雨雲広がって
懺悔の雨に打たれて眠る
遠くから聴こえる
切なく儚い夢物語
遠くから聴こえる
切なく甘い恋物語
言葉は生き急いでしまったのか
心にせき止められて身動きできない
心の底から好きと伝えれば
当然 悲しむ可能性を伴う
心の奥底に想いを封じれば
当然 悔やむ可能性を伴う
夜中 羊が柵を飛び越えると
言葉が明日に向かい列をなす
心の扉の鍵がかかって
先に進めないと知っているから
人は誰も死に向かって
慈悲の欠片を探しているなら
心の叫びに耳を傾けることも
当然 悔やむ可能性を伴う
心の中に 手を入れられた
くすぐったくて 気持ち悪くなった
盗まれた感情は とても大事なもので
取り戻そうと 君の背中を追った
息が苦しくなってきた
そんなに速く走れなかったから
叫んだ言葉は とても大事なことで
立ち去ろうとした 君の足を止めた
転んでいる私に 差しのべられた手
そこには 君の心が呼吸していて
握りしめたとき 掌を初めて知った
髪の長さに 気づかれなくなって
こちらから言うことも 億劫になって
記念日は カレンダーの海に沈んだ
ネイルの色も 原色に変えて
馴染みの香水も キツイのに変えて
誕生日は つぶれたケーキに埋めた
許されざる心変わりをした人の
孤独の夜は 切なく 儚く
思ったよりも 短い
執着を シャワールームで洗い流し
新しいキャミソールに 身を包んだ
記念日は カレンダーの波に消えた
手をつないでいたでしょう? あの子と
話していたでしょう?
ドーナツの穴から覗いた世界観で
あなたに問い質してみる
手が触れただけだろう? あの子と
話だってするだろう?
ドーナツを一口かじった世界観で
私に問いかけてくる
疲れた身体を アルコールに浸して
夜を見つめている
本当は 手をつないでいたいでしょう? あなたと
話していたいでしょう?
ドーナツは視力検査の記号みたいに
二人を振り向かせようとしている
都会で両手を広げたら 冷酷なエゴイストに出会った
まるで出来立ての据え膳を 冷ますかのように
色のない言葉は 心にしらを切った
憂鬱と遊んでいると 端麗なエゴイストに出会った
まるで出来合いの据え膳を 輝かすかのように
艶めいた言葉は 心に愛を与えた
未来を描き出していたら 数奇なエゴイストに出会った
まるで高級な据え膳を 嘲笑うかのように
見透かされた言葉は 心に罰を与えた
喜怒哀楽の中にある 幾千ものエゴイストは
この世の中にある 心の数の証
もう疲れた 人間やめようかな。
“このダイヤは100年以上輝き続けます”
セールスマンの年齢はおそらく30歳くらい
私の年齢は 今50歳
100年後のダイヤの輝きは誰も見られないはず
“こちらはダイヤの保証書でございます”
刹那の輝きに永遠を信じてしまいそうだ
過去形になった言葉を回顧しながら
妻と判を押した婚姻届を思い出してしまう
「永遠」に証明書があるならば
明日話す言葉や未来の行く末までもが
証明の範囲内でしか考えられなくなる
じゃあこのダイヤの輝きはなんだ?
永遠を証明するとでも言うのか?
“ではこちらのご購入契約書に判をお願いいたします”
妻は喜んでくれると信じて 判子をそっと取り出した
深い霧が 夜の街に沈み
翳る月のように 曇る灯りが浮かぶ
それは 出逢った日の二人が見た世界
暗闇でつないだ手を 今も離さずにいる
失うことよりも 夢は儚い
過去をなじるように 明日を紡ぎ出す
淡い光が 朝の街を拓き
帰る星のように 眩しい灯りが浮かぶ
それは 恋をした二人が見た世界
孤独でつないだ手を 今も離さずにいる
認めあうように 思い出を語らい
過去を恥じるように 未来を創り出す
失うことありきの 人生は儚い
過去を牛耳るように 未来を創り出す
心から暖かい風が吹くから
間違って咲いた花を見つけた
春のささやきに耳を傾ければ
幸せなんてちっぽけに感じる
新緑を思い浮かべながら
泉のように湧き立つ道を歩いた
青春のような門出はないのに
水たまりは拍手をしてくれる
時の流れは少し冷たいくせに
春の訪れはなぜか暖かい
土の中から顔を出したのは
冬眠していた僕の優しさだった
忘れずにしたためた あなたへの言葉を
忘れてしまいそうな明日へ 贈ろうと思う
優しい人は 地球のどこかにいて
必ずあなたのことを 見守ろうとしている
そのような人に 出会えているのなら
まず あなたが率先して 優しくしてあげなさい
哀しむ人は 宇宙のどこかにいて
必ず誰かのことを 僻もうとしている
そのような人を 知っているのなら
まず あなたが率先して 泣いてあげなさい
ひと想いにしたためた あなたへの言葉を
忘れてしまいそうな未来へ 今 贈ろうと思う