桜が咲いたんだ
淡いピンクが恋をした二人を呼び覚ます
蕾のまま枯れた言葉
一日で散った花びらのような告白
二人で見た数十年前の桜の木の下で
切なさの夜明けを待っている
桜はきれいだね
春の風が淋しそうに隙間を吹き抜ける
写真に収めたとき
縁取られた言葉と共にばらまいた
二人でいた数十年間の月日を回顧し
刹那の夜明けを待っている
桜が咲いたんだ
淡いピンクが恋をした二人を呼び覚ます
蕾のまま枯れた言葉
一日で散った花びらのような告白
二人で見た数十年前の桜の木の下で
切なさの夜明けを待っている
桜はきれいだね
春の風が淋しそうに隙間を吹き抜ける
写真に収めたとき
縁取られた言葉と共にばらまいた
二人でいた数十年間の月日を回顧し
刹那の夜明けを待っている
やわらかな日差しの中で
不慣れな自由を演じている
草むらを走り回る君のことは
きっと全て幻
入口の庇の前で
幸せな待ち人を演じている
人混みをかきわけ進む君のことは
きっと全て幻
眠れない夜の最中で
悩める迷子を演じている
二つの鼓動を聴く君のことは
きっと全て幻
遠い大陸から吹く風の気持ちを読めば
この心の傷の儚さに気付けるはず
遠い瞳をして話す君の気持ちを読めば
この心の浅はかさに気付けるはず
広い海のどこかに生まれる小さな命の乞う
足元を取り巻く波の足跡に静かに問う
砂に描いた絵に二人が付け足した言葉が
どこか知らない街の誰かに届くように願う
空の色が喧嘩をはじめたら
光の戯れ 待人通り
明日を唄う者もいれば
昨日に居座る者もいる
星の瞬き合戦を尻目に
愛の言葉 待人通り
未来を誓う者もいれば
過去に縋る者もいる
溶けてゆくふたり
沈んでゆくひとり
街は惑星のひとつとなり
待人たちを吞み込んでゆく
イタリア人が街中で「フェリーチェ」と笑ってる
私はその方と同じ幸せを夢見てる
新緑の風が ビルの隙間を縫うように吹けば
シャツの袖は ひらひら帆を揺らすように演じた
得体の知れない叫びが ライブのように響く
君は私の腕をつかみ ドアに吸い込まれる
粋なグラスに注ぐワインに夜を嗜めば
太陽を箱に押し込むように片付けた
夢の中で夢を見てる 今日の二人に恋をしてる
空で嘲笑う三日月と 輝きを忘れた星たちが
いかつい朝日と闘ってる 明日の二人に怯えてる
流行りの音楽に耳をふさいだまま
懐かしい唄を口ずさみ歩く
死と再生を繰り返す街で
垢ぬけた顔を照らし合わせた
ホコリのかぶったギターに
床に寝そべる音符を拾った
“金など要らぬ”と綺麗事に
思わず匙を投げつけた
知らない月日の多さに驚き
グラスの音が部屋を突き刺す
プラネタリウムを見てるみたいな
都会の夜は寂しく煌めく
別れが日付と共に訪れる
約束しなくても会える優しさと引き換えに
部屋に忘れた故郷行きの切符
季節外れの花が 咲き誇るように
暖かい風が 胸をすり抜ける
穏やかな鼓動に 身を委ねながら
遠くなってゆく 過ぎた日を想う
淡い琥珀色した 黄昏が訪れ
優しい光が 瞳を照らしている
緩やかな坂道を 惰性で下りながら
近づいてゆく 空の星に願う
何の不自由もない
夢の世界へ向かう
時の余白を乗りこえながら
早すぎる挽歌を口ずさむ
楽しい詩を書きたい
悲しい詩を書きたい
日曜日 大好きな君といると
言葉が上手くまとまらない
美味しいものをたくさん食べたら
「おいしい」としか喋れない
黄昏 君の頬が染まる
言葉は一番星のように煌めく
楽しい詩を書いてる
悲しい詩を書いてる
夜半 孤独という名の籠の中
言葉が暴れ始めてる
不慣れな幸せは
時折 私をダメにしてしまう
明け方 君が目を覚ます
やっぱり「おはよう」としか喋れない
よちよち進む赤ん坊も
風をつかまえる少年も
星をたべてる少女も
白球を追う青年も
おしゃれに目覚める学生も
恋にうつむく男性も
愛にうなずく女性も
街を駆け抜ける紳士も
家庭を守り抜く淑女も
過去を振り返る老人も
健気に笑う老婆も
ただ歩くだけ
まるで
運命という光に吸い込まれるように
黄昏に染まる背中に 小さく手を振ってみたら
懐かしい涙 頬を伝って 思わず苦笑い
空は静かに色を変えながら
時の儚さを演じているようで
あの日二人は 未来を想いながら
春の風をつかまえようとしていた
それは 優雅に舞う鳥たちのように
両手を広げて 全てを抱えていた
昨日二人は 未来が動き始めたと
春の風に そう告げて過ごした
けれど 季節外れの粉雪のように
冷たい空気に包まれている
黄昏に染まる背中に 小さく手を振ってみたら
懐かしい涙 頬を伝って 思わず苦笑い
月陰飾る雲 淡く光る星
全てが幻に見えてしまいそうで