2025年11月24日の月曜日。この日は勤労感謝の日の振り替え休日であり3連休の最終日でもあった。
以前から頭の中で思い描いていて実現させようと思っていたのに、なかなか実行に移せないことがあったので、この日はそれに全部あてる日にしようと決めた。
とりあえず電車に乗って買い物だ。駅に行ったらどこかの路線が運転見合わせになったようで、ホームが、ひと山の黒だかり、じゃなかった、黒山の人だかりで焦ってしまった。しかし幸い混んでいるのは私が行きたい方向と逆だったのでとりあえず安堵してホームへ向かった。
10時半の電車に乗る。特急電車だったので休みの日にしては意外と混んでいたのに驚いた。隣の車両に行けば席が結構空いていたのだが面倒くさいので立って行くことに決める。多少ダイエット効果もあるだろう。
都営新宿線の小川町、丸ノ内線の淡路町駅に降り立った。この駅は初めて利用する駅だ。
休日の都心は人がいなくてとても、スネ夫、じゃなかった、静か。
橋を渡った。
世界的に有名な大谷橋、じゃなかった、昌平橋。有名でもない。
江戸城外堀に駆けられた橋。
ビルとレンガ造りの線路がマッチしていて格好良い。
目的の街に着いたぞ。
カクヤスがあった!買わないが。

ドーン!
今日は北島カルチャー、じゃなかった、サブカルチャーの聖地、秋葉原にやって来た。電子部品を探しに来たのだが、私は電気にめっぽう弱いので見つけられるかどうか非常に不安なのである。
私はなんとなくオタクっ気のあるジョージクルーニー。20年ほど前はよくこの街にやって来ていろいろと買い漁った時期があったが当時と比べると街は大きく変わった。しかし変わらない景色もたくさんあるので、ちょっとウキウキしながら笑顔で左右にスキップして進む。

電子部品といえばココ。まずは千石電商に入る。たのもー!一応欲しい部品の規格をメモしてきたぞ。店内をグルグル回るが目的のモノは見つからない。それもそのはず、地下に売っているそうではないか。
階段を降りると、ザ・オタクという名を思いのままにしてきたような人々が、ひとりごとを言いながら商品が入った引き出しをガサゴソと漁っていた。かなりビビっている私は比較的人の良さそうな女性店員を見つけて声をかけた。
「あの、すみません」
「はぁーい」
その女性店員は明らかに素人である私に対して高圧的に聞こえる返事をした。
「これを探しているのですが、、、」
か細い声を出して私がメモを見せると、その女性店員はそれに目もくれず、自分の作業に集中している。
「ちょっと待ってくださいねー」
相変わらず高圧的な対応だが、悪い人ではなさそうである。作業がひと段落したようで、私のメモを小声で何度も繰り返しながら今度はパソコンの画面を開いてパチパチとキーボードを叩いた。
「あー、ないっすねー。周辺の店を探しましたが全店舗在庫切れです。」
マジかー。
「代替になるようなモノはないですか?」
私がそう聞くと、今度は少し職位が高そうな店員がやって来て私に質問した。
「何に使うやつですか?」
「オーディオ機器です」
そう答えると、眉間にしわを寄せてこういった。
「あー、であれば同じものにしないと音が変わったりしますからおススメしないですねー、すみません」
そう言って店の奥に入って行った。一軒目終了。
アキバといえば秋月電子。次行ってみよー。
一番人がよさそうな店員さんをつかまえてメモを見せた。
「180μFの400Vですかー」
まず、私はこの単位の読み方さえ分からなかった。ミューエフと思っていたら「マイクロファラド」と読むそうである。
「結構大きいですねー。何に使うやつですか?」
店員に聞かれた。
「オーディオ機器です」
また同じやり取りをしながら最後に代替品を選んでくれ、と頼んだのだがやはり保証できないので他の店で探したほうが良いと言われた。マジかー。
ここからが大変だった。Googleマップで「電子部品」をキーワード検索をし、引っかかった店をすべてまわることにしたからである。そして、無し、無し、無しのオンパレード。秋葉原の街を端から端まで歩くが全て空振りである。
中には怪しいビルの3階と案内されてエレベーターに乗ったら、真っ暗なフロアに出てしまい怖くてすぐに階段を降りた店もあった。

ソフマップなんかには絶対に売ってない。
あぁ、もう歩き疲れた。ここになかったらもう絶対にないだろう、東京ラジオデパート。調べてみたら第二次世界大戦後のGHQによる露店撤廃令で行き場を失った露天商が、移転先として設立したのがルーツだとウィキペディアに書いてあった。
中に入ってみると驚き桃の木カルメンマキ。間口約2メートルほどのまさしく戦後の露天商のような店が何10軒と連なっているではないか。一応、中はエスカレーターつきで3階建てになっており、36軒の商店が入っているそうである。私が探している部品類が入ってすぐの店に置いてあったので、一通り見てみるが目的のモノはなさそうである。私よりも10歳ほど先輩に見える店主にメモを見せた。
「電解コンデンサだね。180μFかー、今日は切らしているねー」
なんだかいつもはありそうな言い草である。
「代替になるものありますか?」
「マイクロファラドは電気を蓄える容量を表してVは許容電圧の事だよ。この数字より大きいのを買えばとりあえずは大丈夫だと思うけど、オーディオの音は変わるだろうね。まあ、見つから無かったら400V以上で180μFの次の220μFを買えばいいよ。」
店主は非常に優しく教えてくれた。なるほどー。勉強になったぞ。こうやって知識をつけていくのが、博満、じゃなかった、落合、でもなく、オレ流。
「ビルの中で開いてる店をぐるっと回って見つけるといいよ」
店主はそう言って店の奥にある昔の銭湯の番台のような椅子に腰かけた。ヨシッ、次行ってみよう!
この日は休日だったのでどうも休みの店が多いようだった。ビルの半分以上は休みのようである。ツイてない。3階まで開いている店はすべてまわったが探している電解コンデンサは見つからなかった。念のため、エスカレーターを降りながらもうひと回り、店を巡ってみたが残念な結果になってしまった。クソーッ!
ダメだ。足が棒である。そうこうしていると大酒飲みブロガーのLotusさんから大酒飲みオヤジグループLINEにコメントが入った。
「今、町中華の忠豊に来ています」
画面には山盛りのチャーハンの写真が貼られていた。イイなー。私は今置かれている現状をコメントした。
「世界のアキバにもないですか」
Lotusさんから返信があった。するとすぐに大酒飲み悪友のT川氏からもコメントがあった。
「ギターの修理?」
「いや、音楽には興味がないし、あっても買わない」
私がそう返すとT川氏から怒ってるぞアイコンが返って来た。今はそれどころではないのである。
ネットで探すかー。アマゾンのサイトをスマホで開いてみるとなんと4000円もするではないか。マジか?いや、今まで見てきたコンデンサはどれも500円以内だったぞ。これでは諦めきれない。疲れ切ったカラダを鞭打ち、最後の望み、Googleマップに出てきた駅前の店に行ってみよう。

しかし、グルグル回るのだがどうしてもその店が見つからない。

若松通商という名前の商店のようである。マップに出てくる写真のような構えの店がどうしても見つからないのだ。待てよ、もしやココか?

再開発されたんだな。ビルの名前はそれっぽいが、アニメのキャラクターショップやらガチャガチャの店やらがたくさんテナントに入っているようだ。しかも中に入っていく客は外国人か若者のみ。私のようなウブでマジメでオタクなジョージクルーニー似の大酒飲みなど全然見当たらないではないか。しかしマップがここを指している。行ってみるか。
ごった返したエスカレーターに並んで上の階にあがってみる。すると案内板に若松電商という名前が書いてあった。ヨシッ、ここになかったら諦めてアマゾンにするか。

おお!他の店とは明らかに一線を画す硬派で確かな店。私好みでワイルドだぜー。

おお!なんとなくいい雰囲気!コンデンサの類が所狭しと置いてあるではないか。とりあえずなんとなくそれっぽい棚をガサゴソと漁ってみるが、気分的には半分あきらめかけているのでなかなか見つからない。私のようなシロウトがいくら探しても見つけられない気がするので物静かで私よりも15歳は先輩のようである生真面目そうな店主にメモを見せてみた。
「あー、店の中を探してみて無かったら倉庫在庫になっちゃうねー」
はなから探してくれる気配はなさそうである。自分で探すしかない。えーっと、どれどれ?
おお!あった!さっきの店で言われた400Vで220μFがあったぞ!ついに見つけた。と、いや、待てよ。その右下に、、、おお!あった!ついに見つけた!180μFで400V、久米宏!じゃなかった、ぴったしカンカンだ!
「ありました!すごいですねー、今日は秋葉原中の店を全部回ったのですが、この店にしか売っていなかったです。イヤー良かったー」
コーフンして思わずそう声をかけると、店主は少しだけにこりと笑って領収書に金額を書くと静かにレジを打った。

ヨシッ、やったぞ、確かに手に入れた。
すぐに帰ろう。
こっちは世界的に有名だ。
急性ではなく萬世(まんせー)橋。
雰囲気がある。
ワイドショーなどでよく見る問題のスーツケースが捨ててあった。
おっと、ここで忘れものに気づいたぞ。面倒くさいが引き返そう。
そう言えば最近、どこかの国が日本に行くのを自粛するように言っているというニュースを見たが、この日は本当にその国の人たちが全くと言っていいほどいなかった。驚き桃の木長州力。

怪しいエレベーターにには乗らなかった。
これを買わなくては。
この日に探し求めたコンデンサを何に使うかというと、3年程前にブーンという音しか出なくなったテレビのサラウンドスピーカーを修理するためだったのである。
息子が生まれた年に買ったので20年近く前のモノになるだろう。

バラバラにして後戻りできなくなった時点で生成AIに聞いた。
するとこれが怪しいと教えてくれたのだ。
何十年も前に100円ショップで買ったハンダごて。
古い奴のハンダを溶かして外そうとしたがビクともしないではないか。
トイレ、じゃなかった、手洗い、あ、手荒いマネでいくしかないぜ。
ポッキリすぐ取れた。
買ってきたハンダ吸い取り線でキレイにお掃除。
付いたー。よし、組み上げるぞ!
部品やネジは余ったら捨てる!
ピタッとセット。
なおったー!3年ぶりにサラウンドサウンドがよみがえったぞ!どうだ、参ったか?
しかし今度は電子表示が消えてしまった。トホホホホ。
調べてみたら、今度はどうもこれが悪くなっているようだ。
しかしもう秋葉原に行くのはアキバ、じゃなかった、飽きた。というか疲れた。なのでこっちはアマゾンで注文したのである。それが届くのが今日なのだ。仕事が終わったら作業に取り掛かるとしよう。グヒヒ。
意味のない長文にお付き合いいただき、感謝感激、宿舎は官舎、車間を取れば煽られない。
完
----------
11月ももうすぐ終わり、師も走り出すディセンバー目前であるが、ここでウンチクは述べんばー(november)。汗
一瞬だった秋から冬へと移り変わり
気温もグッと下がってきたが
そんな事など気にしないぞ
ビールをこよなく愛する皆さま
であるからして
やっぱり今宵も
キンキンに冷えたビールで
乾杯ッ!
なのである
ムフフフフ。