『押す力』で楽になる

普段、生活しているときに使う力には、大きく分けて、引く力と押す力があるように思います。この二つの力の使い方について考えてみました。

どちらをよく使うかと考えると、大抵の場合、押す力のほうが楽ですから、押すほうをたくさん使っているように思えます。重そうな扉があったとすると、『押』、と書いてある方が、『引』と書いてあるより安心するかもしれません。これは、押す力のほうが、引く力より、安定して大きいという感覚があるということをあらわしています。

小さなボートに乗っているところを想像してみます。
自分がボートに乗った状態で、同じ大きさ、重さの隣のボートを、押してみると、相手のボートも動きますが、自分のボートも動いてしまいます。今度は引いてみます。すると、やはり、相手のボートと、自分のボートが動きます。このとき、両方にかかる力は押したときも引いたときも同じと考えられます。
逆に、力を加える方の足元が、地面の上など、安定しているときには、引いたときより、押したときの方が、大きな力が出るように感じます。普段は意識していませんが、何かを押すときには、知らずのうちに地面の力を利用して、より安定した、大きな力を、出している、ということになります。

この仕組みを有効に活用しているのが、中国拳法です。 多くの流派で、このことを身体の感覚で学び、応用していけるような訓練が行われています。

LOTUS８で月に二回行っている気功のクラスで、最後にやることの多い、押し合いの運動も、 これに似ています。地球の重力、地面に向かう垂直の力を水平に伝えるように身体の重心や、力の掛け具合のバランスをとることが最も重要です。このときにクラスで特に気をつけているのは、全身の力を均等に抜いた状態でそれをやる、というところです。こうすることによって、力を伝えるだけ以上の、相手の力が抜ける効果が、あります。そうすると、相手がいくら突っ張ろうと思っても、不思議と、力が抜けてしまいます。

引く力は、自分の方に引き寄せる力、とも表現できます。 何かを持ち上げるときなども、大抵は、引く力を使うことが多いと思います。しかし、ものを持ち上げるのに、逆の、押す力を使って、持ち上げることも、ものの大きさや形状など、ある程度の条件が整えば可能です。地面を押す力を最大限に使って、ものを持ち上げると、楽に、そして身体に負担が少ない状態で動作することができます。そのときのポイントは、膝と腰、そして目線です。


もう一つ、押す力と引く力が関わっている日常的な動作があります。
それは、「歩くこと」です。
ほとんどの場合、歩くときには足を前に出す、 と意識していると思います。このとき、自分の身体より先の方にある地面に向かって足を伸ばし、それを自分の方に引き寄せている、という動きは、引く力を使っていることになります。これを、押す力を使って、より楽に、安定したものにできます。その方法は、足を、前に出さないで歩くことです。後ろ足で、地面を押しながら、腰が前に移動してからその下に脚を出す、という感じになります。

この歩き方を続けていると、強く筋力を使う緊張感が必要なくなって、リラックスし、より疲れにくくなります。 そのほかにも健康、美容にさまざまによい効果があります。骨盤に適度な刺激が伝わるので、腰が柔らかくなり、お腹が温まります。胃腸、特に大腸の働きに効果があります。太ももや膝周りの緊張がほぐれ、たくさんの筋肉を使わず、脚全体、腰を使って地面を押すようになるので、膝などの関節への負担が軽くなって、脚全体が細くなります。腰の位置がずっと高い状態を維持できるので、姿勢がよく見えます。

はじめのうちは、歩幅が小さいので、 のろのろとした歩みになることが多いのですが、それでも最初はのんびりと、遅いペースで歩くのがお勧めです。20分ほど歩くと、今まで使っていなかった筋肉が反応し、どのあたりに効いているのかはっきりわかるくらいに刺激されてきます。何日か歩くと、歩幅が徐々に大きくなり、それにつれて骨盤の動きや、お腹に伝わる振動なども感じられるようになってきます。このときには、太ももの外側の固さや、すねの外側のはりが柔らかくなってきていることが感じられるかもしれません。

引く力と押す力について、今回はその仕組みと、押す力を使った歩き方について紹介しましたが、まだまだ、 日常の中に応用できるもの、あるいはいつのまにか生活のなかで応用しているものがあると思います。

押す力をうまく使って、楽な姿勢で、大きな力を生みながら、 動いていると、より安楽な気持ちで、ゆったりと、生活していけるようになるのではないか、と思います。

ウェブサイト作りました

このブログでも、コアフロー・セッションの内容や施術場所についてご紹介してきましたが、それらをまとめて、簡易なウェブサイトを作成しました。

コアフロー・ボディワークス

http://coreflow.jp
 
今までご案内していなかった、新しいリモート・セッションの項目があったり、遠方の出張や、雑誌掲載情報がわかる新着情報欄を作ったりしていますので、ぜひ一度ご覧ください。

 

コア瞑想、はじめました

少し前から、瞑想や、それ以外の普段の生活中に、突然、根源的なエネルギーとコネクトする体験をするようになりました。強い快感と、周囲との一体感、そして自分自身が拡大されて、意識の中心に据えられているような感覚が起こり、懐かしいような、新しいような、感覚が波打つように起こってきます。

このエネルギーについて、自分の、本質的な、中核をなすエネルギーであることが感覚的に伝わってきたので、『コア』もしくは『コア・エネルギー』と呼ぶことにして、それとのコネクションを拡大する瞑想法をこれまで探求してきました。

日常的に、このエネルギーとコネクトするようになってから、自分が必要としている様々な情報がインスピレーションとして入ってきたり、体力や精神力が向上したり、といった体験をしています。コネクトすると、、固形物が必要なくなる日が多いです。朝、フルーツのジュースをつくって、あとは夜に野菜のスープを少し摂るだけで、お腹はすかないし、特に翌日、身体が軽くなり、頭がすっきりします。ここ10年ほど、菜食をしていますが、食事の量は普通か多いほうで、食べたくない、といったことも今まであまりなかったので、食べないことに自分でも少しとまどいつつ、最近は慣れてきました。

この、コアとなるエネルギーにつながるための瞑想法は、とてもシンプルです。自分の中心を感じて、その領域を広げながら、それ以外の思考の対象を手放していくプロセスは、古い思考パターンを開放して、より今の自分に適した新しいパターンを取りいれるのに役立ちます。肉体的、精神的なエネルギーの補充にもよいので、疲れにくい身体や、精神の安定を目指している方にも適していると思います。瞑想というと、長い時間やらないと効果がなさそうで、ハードルが高いイメージもありますが、この瞑想は5分でも大丈夫です。逆に、はじめは5分間の瞑想でも、心地よくなり、効果が出てきたら、自然に長くなっていきます。コア瞑想は、目を閉じていても、開けていてもできます。床に座ってもいいですし、椅子でもかまいません。

この瞑想法はプライベートレッスンです。レッスン一回の時間数は1.5時間、料金は10,000円です。基本的に1対1で行いますが、ご夫婦やカップル、打ち解けたご友人同士（二人）でも受講可能です。その場合の料金はお二人で17,000円となります。

自分の根源となるエネルギーにアクセスするコア瞑想、やってみたいという方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。

quplus@gmail.com 富田

高田馬場でコアフロー施術を始めました

****現在は行っておりません　2010年8月****

今まで、プライベート（ご自宅に伺う）か、根津の自宅マンションの一室でのみセッションを行っていましたが、高田馬場にあります、ヒーリングサロンで週に三日、セッションを行うことになりました。

曜日は、月曜日、金曜日、土曜日です。時間帯は、お客様のご都合にあわせて多少の前後はありますが、基本的に、10時から13時、14時から17時、18時から21時となっております。ただ、早朝、7時頃からセッションを始めたり、夜は深夜までセッションをやっていることもあります。完全予約制です。

このヒーリング・サロンは、JR高田馬場駅戸山口から徒歩3分の閑静な住宅街に位置し、東西線高田馬場駅からは徒歩5分ほどです。ご予約いただいた際に、住所や地図、詳しい道順などをお知らせしています。最初は、わかりにくいこともあるので、大抵の場合、駅までお迎えに上がっています。

高田馬場でのセッションのご予約、お問い合わせは、eメール、quplus@gmail.com で承っております。

気功と呼吸、胎息や自然呼吸について

よく、気功法と呼吸の関わりについてたずねられることがあります。その中でも特徴的であり、究極の呼吸というように言われているものに、『胎息』があります。

『胎息』は、気功の修練を続け、身体と心のリラックスがある臨界点に達したときに自然に起きる呼吸法の一つで、お腹の中にいる赤ちゃんの呼吸法といわれています。臍呼吸、毛穴呼吸、無呼吸、など、表現は様々ですが、感覚としては、手穴呼吸に近いのではないか、と思います。吸っているという明確な意識がないのに身体の中に何かが流れ込んでくる感覚、そしてそれがある程度までたまると、今度はそれがどこからか出て行く感覚があります。自分の身体の内側が止まってしまったかのように静かになり、深いリラックスを伴う、とても気持ちのよい状態です。

特に興味深いのは、時間の感覚が変化することです。より多く時間の中に存在するような、全てがスローモーションになるような、そんな感覚になります。


呼吸には、肉体と精神の状態がよくあらわれます。 もともと持っている身体的特性や、気質も関わっています。ですから、呼吸は本当に人それぞれで、そのリズムも一人一人違ったものを持っているのです。気功クラスのトレーニングで大切なことは、呼吸をコントロールせず、まず自分の呼吸を眺め、知っていくことです。自分の呼吸、自然呼吸がどんなものか知ることで、自分の身体について、心について、理解が深まり、そこから自分の身体の方向性や特性が見えてくる、と思います。

今の気功クラスの中では、特に呼吸に意識せず、 自然呼吸をベースにトレーニングしています。呼吸は長く、深く、がよいと言われますが、身体がリラックスして、無駄な力が抜けてくれば、自然に呼吸は長くて深いものになってきます。逆に、身体の力が抜けていない状態で、呼吸をコントロールすることは、身体にとって大きな負担になります。腹式呼吸や逆腹式呼吸、吸い込んだら止めて百数えるなど、様々な呼吸法がありますが、心身の健康的な発達に必要なプロセスであれば、ある時期、あるタイミングで必ず自然に出てきます。大事なことは、身体が出すそういった傾向、サインを見逃さないこと、それを受け取る感性を磨くことだと思います。

気功と呼吸、その間には密接な関係があります。ですが、始めはあまり一つの呼吸法にこだわらず、のんびりと、自分だけの自然呼吸を眺めながらトレーニングしていくのがよいと思います。

先日、インド舞踊の先生のご自宅で、 先生が小鳥と会話しているように見えたので、「鳥とお話できるのですか？」とたずねると、こんな答えが返ってきました。
「鳥は鳥のリズムで呼吸しているんです。それに自分の呼吸を合わせていくと、まるで鳥になったように鳴くことができる。そうすると、鳥のほうも応えてくれるんですよ。」
あらゆるものとの対話は、こうして起きているのかもしれない、と、そんなふうに思いました。